探索日:2021年5月9日
岩殿観音窟を見た後は林道アズサズ線に戻り、その先にある鋼管鉱業吾野事業所の廃墟跡を探索しに行きます。
今回の鋼管鉱業吾野事業所は、名栗の白岩にある現在のJFEミネラル株式会社武蔵野鉱業所(白岩鉱山)で採掘された石灰石を貯蔵し、吾野駅へと搬出していた施設のようです。
ちなみに貯蔵していた石灰はどうやって運んできたのかというと、9kmほど離れた名栗の白岩から山を越えて施設された索道によって運んできたとの事です。
なお石灰を採掘していたJFEミネラル株式会社武蔵野鉱業所は2015年に閉山してしまったとの事です。
探索の方はというとまずは林道アズサズ線からスタート。
林道アズサズ線を歩いていくと、ネットで見かける例の廃車両が出てきます。
かなり古くから放置されているようでボロボロです。
その先へ行くと鉱業所の入り口であったと思われる門が有ります。
門はしまっていますが脇から普通に通れるのでアレします。
この先の右手には取水設備のようなコンクリートでできた遺構が出てきます。
今回は写真撮り忘れ。
さらに道を登っていくと木々の隙間から巨大な建造物が見え隠れ。
そのまま道通りに進むと、鋼管鉱業吾野事業所の遺構に到着。
巨大な筒状のタンクがいくつか並んでいます。
タンクへと向かう橋というか足場。
橋は手すりが既に崩壊しています。
橋事態もいつ崩れるのかわからないので、足元を慎重に確認しながら一歩一歩進みます。
それなりの高さが有るので結構怖いです。
橋を渡った先には下に降りる事の出来る階段が。
階段は割としっかりしていそうですが、今回は下りず。
タンクの方にやってくると右手にはクレーンだかホッパーだがが有ります。
左手側にもタンクがいくつか並んでいます。
タンクの中はこんな感じ。
下に抜ける穴がどこかに有ると思うのですが、落ちたらタンクから這い上がる事はできませんね。
タンクの周囲にはいろいろな遺構が残っています。
廃レールなどもチラホラ。
トンネルだか通路だか。
タンクの下側に回って、タンクの下部の搬出トンネル。
タンクに貯蔵した石灰鉱石を上部に空いた穴からこの通路の落として搬出していたようです。
下から眺めたタンクはこんな感じです。
タンク脇にはバーベキューの痕跡。
こんなところでバーベキューするのもあれですが、せめてゴミは持ち帰って欲しいですね。
ちなみにここ鋼管鉱業吾野事業所は石灰石の貯蔵施設のはずなのですが、なぜか石灰石に混じってマンガン鉱石と思われる黒い石がゴロゴロしています。
マンガン鉱石が多い方へと歩を向けてみると、ズリ山の様な土砂が積まれた場所が有ります。
その手前には石垣やコンクリートの堰の様な物が残る小さな沢も有ります。
堰を越え石垣を登って沢を上がってみます。
石垣を乗り越えた先にはこんな場所が。
岩山の上にはトタンでできた小屋が。
その奥には岩の割れ目が有り、その最上部にはかなり径の大きな配管も見えます。
何かの排水を流した場所でしょうか。
そしてこの岩の割れ目の下はマンガンのズリ石の様な物が沢山堆積しています。
場所によってはズリ石と思われる小石の山になっている所も。
山の上から見下ろすとこんな感じで、結構な高低差が有ります。
ズリ石山の近場にはブロックと鉄骨を使用した小屋が有ります。
分かりにくいのですがこの小屋の周りは土塁のように土砂が高く積まれています。
これってもしかしたら火薬庫の跡じゃないですかね?
この鋼管鉱業吾野事業所は、過去に砕石などを採掘していたことも有ったそうなので、その名残でしょうか?
マンガンの鉱石らしき石も多いので、もしかしたら砕石を採るがてらマンガンも採掘していた可能性も有りますね。
個人的にはここの配管のある岩の割れ目が不自然なので、採掘跡ではないかと思っています。
マンガンズリ石エリアには鹿と思われる骨も散らばっています。
一人で山をウロウロしていると、ちょっとした骨でもドキッとします。
一通り探索を終えたので帰ろうと思ったら、こんな沢筋沿いに怪しい場所を発見。
沢沿いに石垣が積まれておりその脇に道が出来ています。
その道にもマンガン鉱石のズリ石と思われる黒い石が多数。
ちなみにこの道をたどったら、先のマンガン採掘跡?の岩の割れ目付近まで続いていました。
そんなわけで山から下って吾野駅に到着し今回の探索終了です。
ちなみに今回のJFEミネラル株式会社武蔵野鉱業所から鋼管鉱業吾野事業所までの索道については、飯能市の図書館にあるこの書籍「戦前の鉄鋼生産を支えた奥武蔵山中の貨物索道」に詳しく記載が有ります。
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