山の尾で鉱物採集と採石場跡探索

石探し

探索日:2024年5月17日

この日は茨城県桜川市にある鉱物の名産地「山の尾」に行ってきました。
山の尾に来た理由は、いつも一緒に鉱山調査をしている某先生に「おすすめの鉱山や鉱物ポイントはどこですか?」と聞いたところ「山の尾は良いぞ」と言われたので、訪れた次第です。

山の尾自体は聞いた事が有ったのですが、公共交通機関では行きにくいと思ってあまり気に留めていませんでした。
しかし、改めて確認すると電車とバスで比較的近い場所まで行ける事が分かります。

また、山の尾は古くはガラスや陶磁器の原料として石英や長石を採掘していた鉱山跡との事。
さらに周囲には花崗岩などを切り出していた石切り場跡や遺構も多数あるようで、鉱山跡探索も兼ねて山の尾へと行ってみます。

 

山の尾探索

さて山の尾へですが、電車で岩瀬駅まで向かいます。

 

駅前にはジオパークの案内も。

 

駅の前方の山も採石場になっているようで、大規模な採石跡が伺えます。

 

岩瀬駅からは桜川市の市バス、ヤマザクラ号に乗ります。
1時間に1本程度と、思ったより便が出ています。

 

市バスに揺られ45分ぐらいで、真壁城址バス停。
もっと近い場所が有るかもなのですが、適当に近そうなバス停で降りてみます。

 

バス停からはしばし歩きます。
目指す山の尾はあの山のどこか。

 

とりあえず歩いて山の尾の入り口と思われる道に入ります。

 

山の尾には無数の採石場跡が有るとの事で、まずは鉱物採集ポイントに行く前に、採石場跡を見に行きます。
石切り場の石を利用してか、石段や灯篭などが整備されています。

 

途中には不動明王も祀られています。

 

比較的新しそうですね。

 

山道の周囲は石切り場跡と思われる場所が続き、切り出したと思われる巨石がゴロゴロ。

 

道なりに歩いて遺構や遺物の残る採石場後に到着。
リヤカーが落ちていたり。

 

削岩機用の圧縮空気のパイプが残っていたり。

 

火薬庫らしき小屋も有りました。

 

こちらは巻上機と思われる物。
石を運搬する索道でも有ったのでしょうか。

 

こちらは草で分かりにくいですが、採石場跡と思われる場所。

 

こちらの岩には何かの脈が走っていますね。

 

こちらは切り出したけど運ばなかったと思われる石。

 

そんな感じで石切り場跡を探索し、山の尾の鉱物採集地点へと向かいます。
向かう途中でベテランぽい人が居たので声をかけてみると、山の尾への行き方を教えて頂いたり、サンプルの柘榴石を頂いたりしてしまいました。

さてベテランさんから聞いた道なりに山を歩きます。
こちらの道沿いにも石切り場跡が多くあるようで、色々な遺構が残されています。

 

こちらは火薬庫跡。

 

コンベアーの骨組みでしょうか。

 

こちらはポンプ小屋跡。
削岩機用の圧縮空気を作っていたのでしょうか。

 

石切り場の遺構を眺めながらしばらく歩いていくと、ネットで見た事のある鉱物採集ポイントに到達。

 

山の尾はペグマタイトの有る場所との事で、足元にはこんな石がゴロゴロしています。

 

とりあえず鉱物採集前に周囲を探索。
石切り場跡っぽい沢を奥まで登ってみます。

 

一番奥には採掘跡のような窪み。

 

そしてこの付近では一番大きな採掘跡へ。
資料によるとこの辺りが2号丁場でしょうか。

 

ここには水平に近い形でペグマタイトの鉱脈があったようで、そこだけきれいに掘り込まれています。

 

そしてその掘り込まれた岩盤をこの大岩だけで支えています。

 

坑道内はこんな感じ。

 

 

一番下部は水が溜まっています。

 

そしてペグマタイトの鉱脈という事で、坑道内の壁面には雲母などの多数の鉱物が見られます。

 

鉱物初心者でもこれだけの鉱脈を見る事が出来ると、テンションが上がります。
鉱物を知っていればもっと楽しめるのでしょうが、初心者には雲母ぐらいしか分からないですね。

 

坑口の様子。

 

さて今度は反対側へ。
途中には立派な石組も。

 

こちらは多数の斜面が掘り込まれています。
位置的にナントカ坂ってエリアでしょうか。

 

 

掘り返された斜面を登っていくと、いくつかの採掘跡が出てきます。
この付近が一号丁場ですかね。

 

 

最奥と思われる付近は平場になっていました。

 

さて鉱物採集エリアを一通り回ったので、私も何か探してみたいと思います。

 

とりあえず、100均で買ったザルとシャベルを使って、誰かが掘り込んだ穴の下部の土砂を洗ってきます。

 

洗って泥を取り除くとこんな感じ。
この時点で色々な石が出て来て、どれも良い鉱物に見えます。

 

何度かやっていると、割れてはいましたが真っ赤な柘榴石が出てきました。
これくらい赤ければガーネットって呼んでも良いものでしょうか。

 

1時間程ザルで土砂をさらい、最終的に柘榴石はこれだけ取れました。
どれも小さく、結晶の形が分かるのは殆ど有りませんが、初めて行ってこれだけ採れたので満足です。

 

お土産に誰かが置いていった雲母。

 

透明度の高い石英も幾つか拾っていきます。

 

さて、程よい時間になったので帰ります。

帰り際に採石場跡地のこんな看板を見つけたので見に行ってみます。

 

奥には石が綺麗に積まれた採石場跡地が有りました。

 

山の尾より下山。
近くには筑波山も。
普段みる埼玉県側からの筑波山とは反対側なので、筑波山と言われても形が違って新鮮です。

 

この後は真壁城跡や、城下町の街並みを見て行こうと思いましたが、疲れたので早めのバスで帰宅。

初めての山の尾でしたが、色々な鉱物があり初心者なりに楽しめました。
某先生にも行ったことを報告すると、さらに面白いポイントや鉱物の採れるエリアを伺ったので、また機会をみて訪れたいと思います。

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