秩父市は浦山の冠岩鉱山探索

埼玉県

 

探索日:2024年5月2日

この日は秩父市は浦山地区のマンガン鉱山を探索しに行きました。

今回探索した浦山地区には、手持ちの資料『埼玉県下に於けるマンガン鉱予備調査報告書』によると多くのマンガン鉱山が有ったと記録されています。
以前に探索した日平鉱山や、大神楽の鉱山の他、斎藤鉱山が柿原山、持田、全倉、毛附、冠岩、横山、有馬、横倉などの鉱床でマンガンを採掘していたと記されています。

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浦山地域ですが、以前から探索しようとしていたものの範囲が広すぎて簡単に回れる距離では有りません。それに浦山地域のマンガン鉱山の資料を探しても、場所を特定できるようなものが無くなかなか探索に行けませんでした。
そんな中、X(Twitter)で情報交換させていただいている「はすとね様」から、浦山地域のマンガン鉱山情報をいただき、今回は浦山のマンガン鉱山を探しに向かいました。

 

さて探索です。
いつものように電車で秩父駅へ。

 

秩父駅からは市営バスに乗って40分ぐらいで、浦山奥地の「浦山大日堂」に到着。
運転手さんからどこへ登山か聞かれたので「マンガン鉱山を探しに来た」と言ったら、驚かれていました。
せっかくなのでマンガン鉱山について知っていないか聞いてみたら、残念ながら分からないとの事でした。

 

ここで準備をして、最初の目的地である冠岩のマンガン鉱山跡を目指します。
冠岩は集落跡が有るそうで、廃墟・廃村界隈では有名ポイントらしいです。

まずは林道を歩いて向かいます。

 

眼下の川沿いには何かの施設跡らしき遺構。
取水施設か釣り堀跡とかでしょうか。

 

沢の様子。
水が綺麗で、渓流釣りしたくなりますね。

 

林道を歩いていくと廃バス。

 

林道を歩くと目の前に落石が。

 

大きな岩や木々が倒れこんでいます。

 

崩落地はこんな感じ。

 

崩れて来た木々を見たら、葉がまだしおれていなかったので、崩れてきたのも昨日今日といったところ。
歩行中に崩れてこなくてよかったです。

 

崩落地点を越えていくと、林道脇にマンガン鉱石の様な黒い石が出てきます。

 

落ちてくるマンガン鉱石を追って斜面を登るとズリ石が出てきます。
しかし周囲に採掘跡は見当たらず。
はすとね様情報だと、崖に坑口が有るとの事なので、少し斜面を登ってみます。

 

途中には炭焼き窯跡らしき、石積み。

 

ここは送電線鉄塔の保守路にもなっているようで、山道が整備されています。
これを利用して登っていきます。

 

しばらく行くとズリ斜面が見えてきたのでそちらへ向かいます。

 

ズリを追っていくと、崖に坑口らしき穴を発見。

 

崖下に来たものの、斜面が苔で登るのは難しそう。

 

ここを無理やり登ろうとしたら案の定、滑り落ちます。

 

直登は難しいので、斜面を回り込んで坑口へ。

 

まず一つ目の坑口。

 

こちらは試掘程度の穴でした。

 

最初の坑口の一段下にメインの坑口が有るようなので、崖を下ります。

 

こちらがメインを思われる坑口。

 

この坑口前は崖を削って平場となっています。

 

平場側から見た坑口。

 

メインの坑口は奥に掘られている様子。

 

と思いきや下に1メートル程掘ったところで終わり。
それ程良い鉱脈では無かったのでしょうか。

 

採掘部分の岩の様子。

 

メインの採掘跡を確認後、平場をウロウロしたら下に続く採掘跡を見つけます。
隙間から光も見えるので、下部と繋がっているようです。

 

この採掘跡を確認するため、さらに崖を下ります。

 

確認しましたが、こちらも試掘程度でした。

 

さて、冠岩のマンガン鉱山跡を一通り確認したので、山を下ります。

 

下る途中では、古いものの熊と思われる糞も落ちています。
気休めで熊鈴付けていますが、出くわさないよう気を付けたいですね。

 

斜面を下ってきて、最初のズリ石が有った場所へ。
ここは採掘跡と少し離れている事や、林道に近い場所だからマンガン鉱石の貯鉱場だった可能性が高そう。

 

マンガン鉱石の品位は分かりませんが、比較的黒く手に持つとずっしりと重い石が多かったです。

 

一度山を下り、この次は広河原鉱山を目指します。

 

冠岩鉱山から1時間程歩いて、別の沢筋の林道へ。

 

こちらの沢も滝や淵が連続していてい良い渓相です。
渓流釣りも楽しめそうな場所が多いです。

 

そして石組が連続する沢を目にしたのですが、わさび畑跡かと思ってスルーしてしまいます。
実はこれが目指す広河原鉱山で有ったことを後に知ることに・・・。

 

今回はそのまま別の尾根筋を登ってしまい、広河原鉱山を見つける事が出来ず下山時間に。
広河原鉱山については後日再探索をしたので、そちらでまとめたいと思います。

 

帰り際に堰堤脇で見つけた、顔っぽい岩。
最初は口付近の平らな部分が人工物に見えたので写真を撮ったのですが、写真で見ると全体を含めて顔っぽく見えたり。
『裏山の人面崖』とかで珍スポットにならないですかね。

 

バス停に到着して少し時間が有ったので、浦山の大日堂を見物。

 

例祭には獅子舞も出て賑やかな様子。

 

浦山最奥地の集落の雰囲気も良かったです。

 

帰りは市営バスの最終便で秩父駅へ。
行きと同じ運転手さんだったので、無事に1ヶ所見つけた事を報告。

マンガン鉱山探索の客は今まで居なかったそうですが、廃村探索で来る人は時折居るとか。
浦山も「茶平集落」「栗尾集落」「岳集落」「嶽集落」「栗山集落」など有名ですね。
今回探索した冠岩鉱山の奥にも「冠岩集落」なる廃集落があるので、見てくれば良かったとちょっと後悔。

 

帰りのバスに乗って秩父駅へ。
秩父駅でも電車待ちでかなり時間が有ったので、秩父神社を参拝し帰宅。

 

広大な浦山地区ですが、はすとね様からの情報で今回冠岩鉱山を見つける事が出来ました。
次回は今回スルーしてしまった広河原鉱山のリベンジに来たいと思います。

 

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