探索日:2021年10月30日
奥多摩工業氷川工場と奥多摩工業曳鉄の探索後は、鋸山付近に有ったとされるマンガン鉱山の鋸山鉱山を探しに向かいます。
鋸山鉱山とは
鋸山鉱山とは奥多摩町に有る標高1109メートルの鋸山に有ったマンガン鉱山で、吉田良吉氏により昭和26年ごろに開かれた。
資料によると坑口は約80メートル離れて2か所あり、坑道は高さ幅共に1.8メートル前後で、ダイナマイトを使用して採掘を行っていた。それぞれの坑道に採鉱夫が4人、選鉱夫が2人前後、鉱石運搬人が3人程度いたとの事である。採掘した鉱石は運搬人が麓の大沢地区まで運んでいた。
昭和30年には新鉱業開発株式会社の子会社である東立鉱業によって鋸山鉱山は買収された。東立鉱業買収後は坑口から麓まで索道で鉱石を運んでいたようである。鉱業者が東立鉱業に移ってから暫くは景気が良かった様であるが、昭和34年ごろに閉山したとの事。
なおこの鉱山を開発した吉田良吉氏は、奥多摩町で白丸鉱山、簾川鉱山、川乗鉱山などの開発を手がけている。
参考資料:奥多摩の鉱業
鋸山鉱山探索
さて、鋸山鉱山の探索です。
鋸山鉱山へは弁天橋付近の道から山へと入ります。
多分目指す鋸山鉱山は正面に見える山の山頂付近と思われます。
少し登ると先ほどまでいた奥多摩工業氷川工場や、奥多摩鉱山が有った付近を見下ろす高さに。
さらに進むと林道の分かれ道。ここでは左側の林道へと進みます。
鉱山へと向かう林道はこんな感じ。林道にはゲートが有りましたが開閉はできるようで、時折車やバイクが走っていきます。
さらに歩いて標高800メートル付近へ。
この辺りに鉱山跡が有るらしいので怪しい所を探しながら行きます。とあるところで山の中に踏み跡が有ったので入っていきます。
踏み跡の上部はチャートと見られる岩がそびえ、マンガン鉱山が有りそうな雰囲気に。
山の斜面を歩いていると足元でガサガサと何かが蠢く音が。
蛇かと思って警戒しながら近寄ると、蠢いていたのは巨大なミミズ。見えている範囲だけで30センチ近くあります。全長だと40センチオーバーです。
普段は釣りとかもするので自分で餌用のミミズなどを取ったりもするのですが、これだけ大きなミミズは初めて目にしました。
ミミズと遭遇後はさらに先を進みます。
写真ではわかりにくいのですが、この辺りは登山道でも無いのでしっかりとした踏み跡が残っています。林業の作業道でもなさそうなので鉱山道跡でしょうか?
そしてこの辺りの足元にはマンガンを含んでいると思われる、黒くて比重の有る石がゴロゴロ落ちています。
この辺りの石はマンガン鉱山のズリ石っぽくも見えます。
この辺りに鋸山鉱山が有ったのではと思い、周囲の斜面を探索しますがそれらしきものは見つからず。いったん山の斜面から離脱します。
山から脱出して林道へ戻り探索場所を移動します。
移動途中にはなぜか林道わきにツルハシが落ちています。そしてその付近に落ちてる石もマンガン鉱石っぽい・・・。ですが周囲の斜面には鉱山らしき痕跡は見つからず。
暫く歩いていると再び怪しい場所を見つけたので林道から山へと入り込んでみます。少し進むと開けたエリアが有り、足元には多数の石が。
落ち葉をどかして足元の石を眺めると、マンガン鉱石を含んだと思われる黒い石ばかり。
どうやらここは鋸山鉱山のズリ捨て場の様です。
下を見下ろしてもかなり下部まで、ズリ石が捨てられています。
ここがズリ捨て場だとすると上には坑口が有るはず!
ということでズリエリアから斜面を登って上部を目指します。
斜面の途中にはこんな怪しい金属の工作物が。ボルトが沢山あり何かと固定していたのでしょうか?
さらにその付近にはワイヤーが固定されている岩も見られます。
さらに上部へ。こんな斜面を滑落に気を付けながらひたすら登っていきます。
かなり登って稜線付近まで来ましたが、残念ながら坑口は見当たりません。しばらく周囲をウロウロしますが、鉱山らしき遺構は発見できず。
坑口が見つからなかったので、斜面を下って再びズリ石エリアへ。
鋸山を登って鋸山鉱山まで折角来たので石探し。ちなみにここ鋸山鉱山ではマンガン鉱石の中から水銀の元となる辰砂(しんしゃ)が拾えるとの事。
足元にあるマンガンを多く含んでいそうな黒くて重い石をひたすら割っていきます。
マンガン鉱石を割るとバラ輝石っぽいのは無数に出てきますが、辰砂と思われる赤い鉱物は見つからず。
石探し中には冬眠に入りかけてると思われるヒキガエルも居たり。
1時間程マンガン鉱石を割ってみますが、それらしい石は見つからずこの日は終了。
鋸山鉱山はズリ跡らしきエリアは見つけましたが、今回は坑口は見つける事が出来ませんでした。
先に記載した情報によると坑口はそれぞれが離れていたとの事なので、今回のズリエリアからも比較的距離が有ったのかもです。また、索道も有ったとの事から、ズリ自体も索道で離れた場所に捨てていたのかもですね。
鋸山鉱山また機会が有ったら坑口探しにリベンジしたいと思います。
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