探索日:2021年11月6日
この日は群馬県の桐生市の幾つかの鉱山跡と鍾乳洞を探索に行ってきました。まず最初は閉篭里(とづろうり)に有るとされるマンガン鉱山跡から探索を行います。
閉篭里のマンガン鉱山跡とは
閉篭里のマンガン鉱山跡とは、桐生市の野外活動センターの裏山にあるとされるマンガン採掘跡。
桐生市のサイトの『野外活動プログラム「ほおのき山コース」』のページに「ほおのき山登山地図」としてマップがアップロードされており、そこに記載のあるマンガン鉱山跡。市の公式サイトにある情報なのでかなり信憑性は高いです。
※桐生市ホームページ『野外活動プログラム「ほおのき山コース」』より
なお、このマンガン鉱山跡の正式名称は分からず。幾つかの手持ちの資料にはこの辺りに有ったと見られる鉱山名がいくつかありますが、今回のがどれに当たるのか明確な情報が無いので不明です。(または資料に記載されない小規模鉱山の可能性も)
2022年2月6日追記
記事を書いた当初、このマンガン採掘跡も名称は不明で有ったのですが、こちらのサイト(TrekGEO)に今回訪れた採掘跡の画像が「大恵鉱山?」として紹介されているのを発見。大恵鉱山について調べたところ情報は少ないものの、「日本のマンガン鉱床補遺 後編 」の桐生地域のマンガン鉱山の項目に、栃木県安蘇郡飛駒村後沢に位置したマンガン鉱山として大恵鉱山の文字が有りました。
当時の栃木県安蘇郡飛駒村は現在は栃木県佐野市に位置していますが、昭和43年に飛駒村の一部である入飛駒地区が群馬県桐生市に編入している歴史が有ります。
今回の鉱山の場所がその位置に含まれているのかは分かりませんが、過去の地図を確認すると閉篭里のすぐ近くに後澤という地名があり位置的には合っていそうな感じではあります。
さらに2022年2月11日追記
たまたま資料を眺めていたら「栃木県加蘇・飛駒および菱村地域のマンガン鉱床」に大恵鉱山の名称が載っているのを発見。大雑把な地図ではありますが、位置的にはおおよそあっている感じです。
ひとまずこの記事でも今回訪れたマンガン採掘跡を大恵鉱山と思われるマンガン鉱山ということにして記載します。
閉篭里の大恵鉱山と思われるマンガン鉱山跡探索
さて探索の方ですがまずは桐生市まで電車で向かい、そこからは織姫バスの梅田線を使って終点の二渡神社前からスタート。もっと早い時間だとさらに先まで行くバスが有るようですが、調整が出来ず大分手前から歩くことになります。
二渡神社から少し歩くと桐生川ダム。湖名は梅田湖。
水は若干の減水でアオコか何かで緑色。少し上流には釣りのボートも出ており、ワカサギやヘラブナが釣れるようです。
ダムサイトに展望台が有るので登ってみます。
展望台にはダムカードっぽく撮影できる場所が有ったので、アイコンに使ってるぬいぐるみを使って一枚。
ダムサイトから進むと、ダム湖に跨る梅田大橋。
橋から湖面までは結構な高さが。
そして橋の袂の電話ボックスには、それっぽい看板が。ここはどうやらその手の名所の様です。
ダムを過ぎてからは桐生川の綺麗な渓谷を眺めながら進みます。
この時は紅葉も見ごろで、景色も最高です。
そしてバス停から1時間程歩いてマンガン鉱山への入り口と思われる「桐生市青少年野外活動センター」に到着。ちなみに最初はここへの入り口が分からず、桐生川に沿って1キロほど先に行ってしまい若干の時間ロス・・・。
野外活動センターで山への入り口付近を探していると、係員さんと思われる方が来たので話を聞くと「登山道は野外活動センターの施設の一部なので、利用者以外には開放していない」との事をやんわりと言われます。さらに話していると「何年か前に林道工事が有って、マンガン鉱山跡は潰された」との衝撃な一言が・・・。
どうやらマンガン鉱山跡は既に無いようですが、とりあえずここまで来てしまったので有った場所だけでも見に行ってみます。ちなみに係の人と話している中で「施設の敷地内は通れないが、責任は取れないものの〇〇なら・・・」とヒント的なのを貰ったので、施設とは一切関係ない方法で自己責任にて向かってみます。
センターを後にしてしばらく林道を進み、それっぽい所から林業用の作業道へ入ります。
暫く行くと作業道は無くなってしまったので、GPSを頼りにマンガン鉱山方向と思われる斜面を直登します。
画像だとわかりにくいですが、結構な斜面を滑落しないように登ると稜線に到着。踏み跡が残っているので、ここは登山道の一部の様です。
登山道に沿って歩くと、チャートの露頭が見られる場所に到着します。
地図的にはこの辺りにマンガン鉱山跡が有ったと思われるのですが、先の話通り林道が作られて岩場も広範囲に削られています。この状況だとマンガン鉱山は既に消失している可能性も高そう・・・。
林道に沿ってチャートの岩場付近や斜面などを眺めながら付近をしばし探索。
少し行くと下部の斜面に怪しい窪みが・・・。
斜面を降りて近寄ってみます。
窪みではなく穴っぽいですね。
入り口付近まで近づいてみると、人為的に掘られた穴の様子。どうやらここがマンガンの採掘跡っぽいです。
ですがこの穴は林道工事の影響か、坑口から数メートルのところで崩落。
この穴の付近にはマンガンを含んでいると見られる、このような石もゴロゴロしているのでマンガン採掘跡の様です。
とりあえず1か所のマンガン採掘跡を見つけたので、ほかにも無いかとさらに探索します。すると少し先にもう一か所の穴が口を開けています。
こちらは崩落などが無いようなので、中へと入ってみます。
坑口付近から坑内を照らすと、左に折れながらも有る程度奥まで掘っているようです。
ですが、左に折れた先ですぐに行き止まり。深さは20メートルぐらいでしょうか。
この坑道内の壁面はこんな感じ。あまりマンガンが含まれている様子は無いですね。
一番奥はこんな感じ。ここも林道工事の影響か、崩落したように見られます。
この坑道に1匹だけ居た蝙蝠。起こさないように静かに進みます。
坑道内から坑口側を見た様子。
この坑道の坑口付近に落ちていたマンガンのズリ。幾つかの石にはバラ輝石が含まれているのも見られます。
この後も周囲を探索しましたが、これ以上のマンガン採掘跡らしきものは見つからず撤退。帰りは尾根の反対側に降りられそうな登山道が有ったので、そちらを利用して下ります。
途中には幸運の滝なる滝も。
さらには良い感じの廃墟群も。廃墟自体にはあまり興味は無いのですが、森の中に位置しているのと石垣が有るのは良いですね。
というわけで閉篭里にあるマンガン鉱山跡探索は終了。
次は高仁田鍾乳洞(蛇留淵洞)に向かいます。
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