探索日:2023年12月28日
館入沢ノ頭の北斜面のマンガン採掘跡探索の後はこの日の探索の本命である、太平山のマンガン鉱山跡をの探索に向かいます。
こちらの鉱山については情報交換をさせていただいている、ろばあと様からの情報を元に探索します。
ここはネットでは大平山のマンガン鉱山として情報が出ています。
大平山となると栃木県栃木市の太平山のマンガン鉱山と同じで紛らわしいですね。
ちなみに他の情報としては手持ちの資料である『埼玉県下に於けるマンガン鉱予備調査報告書』に大谷木鉱床として、露頭から二酸化マンガンを採掘したとの記録が有ります。
この地域は埼玉県入間郡毛呂山町大字大谷木に当たるので、大谷木鉱床の可能性も高そうです。
既に探索したろばあと様の情報として、地元の方はこの場所を「マンガン」と呼んでいたそうで、その方は鉱山跡とはしらず洞窟だと思っていたそうです。
さて、太平山のマンガン鉱山探索です。
まずは林道大谷木線を進みます。
林道脇の沢は車地蔵川と言うそうです。
林道沿いには立派な蔵の有るお宅も。
家はいくつかありますが、人が住んでいる様子は無いですね。
林道は直ぐに終点になります。
ここからは廃道と化した作業道を歩いていきます。
沢沿いには道跡は残っているのですが、人が歩いている様子は無いですね。
沢沿いの道は立派な石組の上に敷かれています。
当時の鉱山道路だったのでしょうか。
少し行くと大き目な炭焼き窯の跡らしき石組も残されています。
さらに行くと道らしき道が無くなるので、作業道だか獣道だかを進んでいきます。
この付近もタヌキかアナグマが生息しているようで、穴がいくつも空いているのが見られます。
尾根付近まで歩いてきました。
この辺りは落ち葉に埋もれているものの、道らしき跡が残されています。
そして尾根に到着。
今度は尾根沿いを歩くと直ぐに窪んでいる所を発見。
画像ではわかりにくいですが、尾根が窪んで切り開かれています。
窪んでいる所を見に行くと、これは切通しの様です。
反対側から。
どうやらここには昔道が有ったようで、大谷木側から尾根を越えて反対側の阿諏訪地区へ抜けていたのだと思います。
ただし阿諏訪地区側は直ぐにゴルフ場の敷地になってしまうので道の先は確認できず。
先ほどの沢沿いの道にしっかり石組が組まれていたのも、ここが昔はそれなりに人が行き来する道だったからでしょう。
切通しを見た後は、尾根を進みます。
眼下にはすぐゴルフ場。
平日でもプレーされている方がいるようなので、あまり目立たないように進みます。
そしてちょっとしたピークに到着。
『太平一号』の標識テープと
『屋根山244m』の標識テープが巻かれていました。
さらにその先を進むと、尾根沿いに露天掘り跡が出てきます。
露天掘り跡付近には二酸化マンガンを含んだと思われる黒いズリ石も落ちています。
そして周囲にはデカい動物の糞。
この時は熊の糞かと思って一気にビビりモードになりましたが、後で調べてみたらこれはどうやら猪の糞の様です。
さて、探索時は熊の糞と思い込んでいたので、わざと大きな音を立てながらビビりつつ鉱山跡を見ていきます。
尾根の露天掘り跡は尾根沿いをガッツリ掘られています。
一部は岩に穴も開いています。
マンガン鉱脈が有ったのでしょうか。
尾根沿いの様子。
鉱脈が有ったようでそれに沿って、尾根を横断するように掘られていますね。
露天掘りの様子を尾根側から。
斜面には所々採掘跡の穴が残っています。
そしてまた糞。
割と新しいので、再び周囲を警戒しつつ探索します。
今度は露頭に残る二酸化マンガンらしき黒い石。
尾根沿いに歩いてみると、露天掘り跡なのか、岩が削られている場所が有ります。
その付近にはマンガンのズリ石。
そして目指す坑口らしき穴を発見。
近づくと埋もれつつあるも坑口です。
中に熊が居ないか、坑口付近に動物の痕跡が無いかを入念にチェックしてから、いざ入坑。
入って直ぐの様子。
坑口付近は比較的広いですが、奥に狭い四角い穴が有ります。
四角い穴の先も繋がっている様子。
四角い穴手前のの左側は少し掘られています。
上部は地表が近いのか、木の根が浸食してきています。
そのうち崩れそうで怖いですね。
その手前側も1メートル程採掘した跡が有ります。
そして四角い穴も潜ってみます。
背中を屈めて何とか通り抜けられるサイズ。
四角い穴を抜けた直ぐ左側は、下に向かっての斜坑。
こちらの四角く掘られ狭いです。
潜った四角い穴の正面側は少し掘られてスペースが有りましたが、そこでお終い。
足元にはマンガンと思われる黒い鉱脈が見られました。
さて戻ります。
四角い穴から坑口付近を覗くとこんな感じ。
四角い穴を抜けて坑口へ。
当初は坑口も広かったようですが、なだれ込んだ土砂でかなり埋まってしまっていますね。
現在の坑口はこれしか開いていません。
土砂を登って外へと戻ります。
坑道内の様子は動画でも撮影したので、よろしかったらどうぞ。
坑道内探索後はまだ見ていないエリアを探索します。
坑口が有った場所の先にも、露天掘り跡が幾つか残っています。
こちらは分かりにくいですが、木の根の下が掘られています。
ここも採掘跡らしき窪み。
ここも露天掘り跡の様ですね。
一通り見て回りましたが、坑口は1つと露天掘り跡がいくつも残されていました。
見つけた坑道内はマンガン鉱山にしては珍しく真四角に掘られていたので、結構古い時期に掘られた跡かと思います。
さて帰りはショートカットして、適当な踏み跡から戻ります。
適当な場所を進んでいたら、途中から踏み跡が無くなってしまい、最後はよくわからない藪を突っ込むことに。
やぶ漕ぎをしならが何とか歩き、無事林道に到達して山から脱出。
まだ時間が有るので鎌北湖、宿谷の滝、山根六角塔婆を見に行きます。
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