探索日：２０２２年４月９日
人見鉱山探索後は小松鉱山の探索に向かいます。
飯能市周辺のマンガン鉱山については以下のページでもまとめているのでどうぞ。
小松鉱山とは
小松鉱山とは埼玉県飯能市の上名栗地区にあるマンガン鉱山です。
名栗鉱山として「人見鉱山」「西平鉱山」と主に一体的に掘られていたようです。
「人見鉱山」の探索記事はこちら。
「西平鉱山」の探索記事はこちら。
「鉱物採集の旅1 東京周辺をたずねて」には名栗村小松鉱山の名称が記載されています。
埼玉県下に於けるマンガン鉱予備調査報告書には以下の記載が有ります。
またフィアネル石、ヴォレライネン石などバナジウムを含む珍しい鉱石が採れるとの事で、鉱石収集をしている方には有名な鉱山の様です。
(埼玉県小松鉱山から産するバナジウムを主成分とする鉱物より)
また埼玉県立自然の博物館のツイッターでも以下のように紹介されています。
【写真で見る埼玉県産鉱物(2) フィアネル石】
飯能市小松鉱山は、他の金属鉱山では稀な、バナジウム鉱物の産出が特徴です。赤色のフィアネル石は、2000年に県内のアマチュア鉱物研究家らによって報告されたバナジウムを含む日本新産鉱物で、世界で二番目の発見でした。 #おうちミュージアム pic.twitter.com/JFkWZ9wUDy— 埼玉県立自然の博物館 (@saitama_shizen) April 8, 2020
小松鉱山探索
さて、小松鉱山の探索です。
小松鉱山も人見鉱山同様に、ブログにコメントを貰った「きなこ様」から頂いた情報を元に向かいます。
まずは先に探索した人見鉱山のある人見地区から入間川沿いに下ります。
小松鉱山は人見鉱山と一体的に採掘していたことも有り、地図上では尾根を二つ越えた場所に有ります。
直線的には距離で１キロ程度なのですが、実際にはまっすぐに行けるわけではないので、県道まで降りて回り道になります。
人見鉱山からしばらく歩いて、教えてもらった小松鉱山の入り口となる沢沿いの道に入ります。
沢沿いの道は入り口付近は車も入れそうな幅が有りましたが、少し行くとすぐに狭い道になります。
狭いながらも鉱物採集の人が行き来しているようで、ふみ跡はしっかりと残っているので迷うことはなさそうです。
沢に入って１０分ほど歩くと、早くもマンガン鉱山の元も思われるズリ石が出てきます。
そして周囲には小松鉱山の遺構と思われる石垣が。
マンガンのズリ石や石垣が出て来たので付近に坑口が有るか探してみましたがこの辺りには見つからず。
この先にも石垣が続くので、取り合えずは沢沿いに進んでみます。
沢沿いにはいくつもの石積みが有ります。
先に訪れた人見鉱山と同じように、沢にも石積みの堰堤が見られます。
沢沿いをしばらく向かうと再びズリ石エリアが出てきます。
周囲を見渡すと斜面や沢沿いの場所に崩落した坑口跡か、露天掘り跡の様な場所がいくつか見受けられます。
幾つか見られた採掘跡の先に進むとズリ石の平場が出てきます。
広さやズリ石の規模から、この辺りが小松鉱山メインエリアの様です。
平場のズリ石。
こちらには鉱物収集の方が来て、石を割った形跡もあります。
平場の周囲には石垣と多数のズリ石。
沢の反対側にはコンクリ桝の様な遺構も見られます。
沢を越えるのが面倒なので、これの確認は後回しにします。
小松鉱山はこの平場の周囲が主なマンガン採掘エリアだった様子。
少し先には露天掘り跡か坑道が崩れたような大規模な崩落エリアが有ります。
崩れているものの岩がまっすぐに切り取られているので、マンガン鉱脈が縦に走っていたのでしょうか。
切り込みの下部にはマンガンを含んだ黒い石が詰まっています。
崩れた岩場の隙間を覗き込むと、ある程度は奥まで続いている様子。
岩場の切り込みはまっすぐ上部に向かって走っているので、岩場を回り込んで登ってみます。
岩場の上部には竪坑的な穴と、坑口と思われる穴が見られます。
まずは左側の竪坑のようになっている穴。
こちらは先の石の切り込みの上部に位置しているので、マンガンの鉱脈を追って掘られた穴か、上部で掘った鉱石を落とし込んでいた穴の様です。
そして右側には崩落しかけていますが、坑口が開いています。
坑口の様子。
中を覗き込んでみると手前は崩落の為水が溜まっていますが、カーブしながらも続いている様子。
坑口付近が崩れて埋まりかけていたのと、溜まった水がトレッキングシューズでは浸水する深さだったので、今回は坑道内の探検は行わず。
坑口を見たあとは最初に露天掘り跡の上部へ。
こちらは岩場の切り込み上部からの眺め。
崩れてはいますが、綺麗にすっぱりと切り込まれています。
坑口と採掘跡を確認したのでその先の沢も少し登ってみましたが、これ以降はマンガン鉱山の痕跡は見つからず。
沢には土砂崩れ防止と思われる、鉱山当時の石積み堰堤がいくつかありました。
再び平場に戻ってきて周囲を探索。
平場の脇には貯水槽らしき水のたまったコンクリ桝が有りました。
最後に沢の反対側に有った謎のコンクリート遺構を確認しに行きます。
コンクリート遺構は左右２つそろってあり、上部には穴が開いています。
上部側から。
四角い穴が開いていますが、蓋が置けるようになっているみたいですね。
マンガン鉱石を積み込んだホッパー跡っぽくもありますが、この形だと石を落とし込むにしては使い勝手が悪そうです。
それにこの周囲にはマンガンを含んだ黒い石がそれほど落ちていなかったので、ホッパーでは無さそうな感じ。
結局なんの遺構跡かは不明でした。
帰りの山道には行きがけにはなかったカケスの物と思われる綺麗な羽が落ちていました。
直近で何かに襲われたのでしょうか。
無事に小松鉱山を見つける事が出来たので、お次は西平鉱山探索に向かいます。
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