桐生市の黒川鉱山大滝鉱床本坑・一坑・二坑探索

桐生市

探索日:2023年1月14日

菱鉱山桃の木抗の探索後は黒川鉱山の探索に向かいます。

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黒川鉱山には既に一度来ておりその時は一番下部の大滝抗のみの探索でした。
黒川鉱山には大滝抗以外に坑口や鉱床もあるとの事なので、今回はそれらを探します。

前回の探索の様子は以下から。

桐生市の黒川鉱山探索
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日本地方鉱床誌関東地方に掲載されている黒川鉱山の鉱床図ですが、まずは真ん中付近にある大滝鉱床エリアを探索します。

 

さて探索ですが、まずは黒川鉱山大滝抗付近の黒川へ。
沢付近には既にマンガン鉱石がゴロゴロしており、鉱石ファンが割ったと思われるバラ輝石もそこかしこに見られます。

 

沢には鉱山時代に使用していたとみられる、鉄のパイプも落ちています。

 

黒川鉱山の大滝抗に向かうには砂防ダムを2つ超える必要があります。
こちらは1つ目の砂防ダム。ここは左側に踏み跡があるのでそれを使っていきます。

 

1つ目の砂防ダムを越えてその先に見えるのが2つ目の砂防ダム。

 

こちらを越えるのはちょっと面倒なので、手前のズリ石斜面から巻いていきます。

 

2つ目の砂防ダムを越えて右側に出てくるのが、黒川鉱山の大滝抗。

 

坑口の様子。

 

中は水没していますが、坑道自体はしっかり残っています。

 

以前来た時には気が付かなかったのですが、大滝抗の反対側にもズリ石が積まれた場所が有ります。

 

積まれたズリ石の様子。

 

そのズリ石の斜面を乗り越えると、窪んだエリアを発見。
露天掘りの跡なのか火薬庫の跡なのかはわからないですが、人為的に作った窪地となっています。

 

さて大滝抗付近を見終わったので、これからが本番。
大滝抗の名称の元となったと思われる、この滝を越えてさらに上部エリアを目指します。

 

当時の地図だと上部エリアに向かう道が有ったようですが、今は全く見当たりません。
しかたが無いので行けそうな斜面を無理やり登っていきます。

斜面を少し登ると石積みの跡らしきものを発見。
これが当時の鉱山道の跡でしょうか。

 

斜面を無理やり登って滝よりも高い位置まで到達。
右下に大滝抗の坑口が見えます。

この斜度の斜面なので落ちたらひとたまりも有りませんね。

 

そんな斜面を慎重に進んでいくと、道らしきものを発見。
これが当時の鉱山道の跡の様です。ただ今はだれも歩いていないようで藪だらけで、道だとしても進むのが大変です。

 

そして眼下にはズリらしき石の斜面が出てきます。

 

更に進むとこんな場所。
画像だとわかりにくいですが、ズリ石らしき石が盛られて高台の様になっています。

 

これが全部ズリ石だとしたら結構な量を掘った感じです。

 

斜面を乗り越えズリ石の高台エリアに到着。

 

こちらも藪で分かりにくいのですが、結構な面積のある平場になっています。

 

足物の石は真っ黒く、明らかにマンガン鉱山のズリ石です。

 

周囲の様子はこんな感じ。
杉が伐採されており、下草も刈られているので、林業の方は入っているようです。

 

さて平場エリアを中心に周囲を探索します。
藪が多く進むのが大変なのですが、しばらくウロウロしていると怪しい窪みを発見。

 

近づくと埋もれているも坑口です。

 

覗き込むと水が溜まっていますが、奥に続いている坑道が見えます。

 

どうやらこれが位置的に、先の黒川鉱山の鉱床図に有った『一号坑』なる坑口の様です。

 

黒川鉱山の一号坑が有ったのはこんな場所。
ズリ石の平場より一段高い位置に有りました。

 

一号坑を見つけたら次は二号坑を探します。
二号坑は一号坑よりも高い場所に有るようなので、斜面を少し登りながら探しているとズリ石が捨てられている場所を発見します。

 

藪だらけのズリ石斜面を登ると再びちょっとした平場が出てきます。
そしてこの平場も藪で、周囲を探すのが大変です。

 

そんな藪をかき分けながら進むと、先に何か窪みが見えてきます。

 

その窪みを目指して進むと、坑口を発見。
ここは当初露天掘りをしており、その後坑道掘りになったようです。

 

位置的にもここが黒川鉱山の二号坑の様です。

 

坑口前には水らしきペットボトルが落ちています。
鉱物ファンか林業関係者かは分かりませんが、ここ数年のうちに誰かしらは訪れているようです。

 

二号抗は縦に走っていたマンガン鉱脈をそのまま採掘していたようで、奥に続くとともに上にも掘られています。

 

分かりにくいですが上部の様子。狭いながらも縦に掘り込まれています。
壁面には所々マンガン鉱脈が残っていますね。

 

奥にも続いているようなので進んでみます。

 

少し進むと足元には下部に向かって掘ったとみられる竪坑も有ります。

 

試しに竪坑に石を落としてみたところ、3秒ほどの無音の後に壁面に当たり、その後も5秒ほどガラガラと音を立てて落ちて行ったので、下手すれば10メートル程の深さが有りそうな感じ。
予想外の深さです。

 

深い竪坑が有るのが分かったのと、手前に落ち葉が堆積しており足元がどうなっているか分からないので、先に進むのはやめておきます。

 

この黒川鉱山の大滝鉱床は『日本地方鉱床誌関東地方』によると「露頭により傾斜に沿って120メートル下部まで採掘されている」と記載されています。
これが坑道内の事を指しているとしたら、これから向かう大滝鉱床の最上部から、最下部の大滝抗まで繋がっている計算になります。

この竪坑もその一部だとしたら落ちたらまず助からないですね。
ただここの部分は先ほど落とした石の音の感じから、1つ下の第一坑までは繋がっていると思います。

 

坑道内から坑口付近を見た様子。

 

そんなわけで黒川鉱山の二号坑も発見。
二号坑が有った場所はこんなところ。画像の真ん中付近が二号坑のズリ石。

 

ちょっと順番が前後しますが、帰り際には大滝抗付近でお土産のバラ輝石採集。
適当な石をいくつか叩き割って、色が綺麗な部分をいくつかお持ち帰りしました。

 

この辺りは比較的ピンクの色が強くて綺麗ですね。

 

こちらはバラ輝石などが層状になってる石。
知識が有れば何とかマンガン鉱とかわかって楽しいのでしょうけど、知識ゼロなのでバラ輝石しか分からず。

 

お次はさらに山を登って大滝鉱床の坑口を探しに行きます。

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