桐生市は黒保根地区の昭和鉱山奥山鉱床探索発見編

桐生市

探索日:2024年4月2日
この日は某先生と一緒に幾度となく探している、昭和鉱山奥山鉱床(資料によっては昭和奥山鉱山)のソロ探索に向かいました。

昭和鉱山奥山鉱床ですが、黒保根地区において複数の鉱区でマンガン採掘を行っていた昭和鉱山の鉱区の一つで、その名称からかなり奥地に位置しています。
資料において奥山鉱床の場所を特定できそうなものは「日本のマンガン鉱床補遺」に掲載されている以下の図のみ。

上の図を元に何度か探索しましたが、何れも不発であったり、山が険しすぎて途中で断念したり。
なかなか昭和鉱山奥山鉱床にたどり着けません。
しかし何度か探索をしたり聞き込みをする中で、昭和奥山鉱山が有る場所をほぼ特定することに成功します。
ただ、後はそこに到達するだけなのですが、なかなか難しいです。

 

ちなみに今までの探索エリアはこんな感じ。

左の赤ラインは沢沿いの林道を進みましたが、堰堤に阻まれ行けなかったルート。
当時の鉱山道はこの沢沿いに有ったらしいですが、今となっては痕跡も有りません。

真ん中の赤ラインは尾根まで登りましたが、雪と崖に阻まれ行けなかったルート。
林道から最短と思われるルートはどれも困難です。

今までの探索では一緒に活動している先生のオフロード車で林道の奥まで行けましたが、今回はソロ探索なのでわたらせ渓谷鉄道のどこかの駅からひたすら歩かなければなりません。

駅から歩いて行けそうな場所、かつ地形図を見比べながら行けそうなルートを探していると、以下の図の青いルートなら可能ではと思いつきました。

ルートと行っても林道の手ごろな場所から尾根に取り付き、あとはひたすら尾根沿いを歩くロングコース。距離も長く、電車の都合も考えるとかなりギリギリです。

ただ、ヤマップやヤマレコを見てみると、僅かながらこの尾根を歩いている人の記録が出てきます。正式な登山ルートではないバリエーションルートですが、人がいけないことはなさそうです。

行って見なくては始まらないので、とりあえずこのルートで行ってみることにします。

 

さて探索です。
いつもの桐生市からわたらせ渓谷鉄道に乗りこみます。

 

1時間ほど電車に揺られて小中駅へ。

 

電車の本数も少ないので、しっかり確認。
今回は17時13分の電車に乗って帰宅を前提に行動します。

 

小中駅を出ると、目の前に吊橋が有ったので行ってみます。

 

渡良瀬川も水量が有って良い感じです。
この辺りなら駅近なので、電車での渓流釣りも良さそうですね。

 

こちらはわたらせ渓谷鉄道の鉄橋。
この付近も釣りには良さそう。

 

山の方へと向かいます。
予想ルートだと、正面にある山々の尾根を歩いていくはずです。

 

小中川を渡る橋から覗いてみると面白い物が有りました。
これは小中川砂防堰堤の魚道との事。
橋から見ると高低差は分かりにくいのですが、魚道の高低差は約12.5メートルも有るそうです。

 

川から離れて林道を進みます。
林道はしっかり整備されていて歩きやすいです。

 

林道を歩いていると、平日にこんな場所にいるのが珍しいようで、木を切っていた年配の方から声をかけれます。
せっかくなのでマンガン鉱山の情報収集。
この地域は昔からマンガン採掘が産業の一つだったようで、色々な地域のマンガン鉱山の事を教えてくれました。
ちなみにこれから向かう、昭和鉱山奥山鉱床は分からないとの事。残念。

さて駅から約1時間歩いたところで、尾根付近まできたので尾根に取り付きます。
コンクリートで補強された法面にちょうど良い階段が有ったのでここを利用することに。

 

階段を登って尾根に取り付きます。

 

先ほど歩いていた林道の沢入に抜けるトンネルが見えます。
あちらに向かうと昭和鉱山沢入鉱床が有ります。

 

トンネルより先の尾根沿いにも多数のマンガン鉱山が有ったようなので、今度はこちらも行ってみたいです。

 

尾根に到達してからは、ひたすら尾根伝いを歩きます。

 

歩き始めて直ぐの尾根にマンガンのズリ石が。

 

尾根下を見ると露天掘り跡が有ります。
ここは昭和鉱山沢入鉱床の上部に位置する場所ですね。

この採掘跡はまた別の記事でまとめるので、まずは奥山鉱床を目指します。

 

尾根沿いは視界が開けているので景色が良いです。
雪をかぶった山は多分赤城山。

 

景色を眺めつつひたすら尾根を歩きます。

 

とある場所では林業用と思われる、金属ワイヤーが出てきました。

 

複数のワイヤーが有ったので、この辺りは大規模に伐採したのでしょうか。

 

この尾根は旧黒保根村と勢多東村の境だったためか、所々に杭が打たれています。

 

尾根は動物も利用しているようで、鹿と思われる踏み跡も残っています。

 

あれ?またマンガンズリが落ちていますね。

ここも周囲を見たらマンガンを掘った跡が有りました。
このマンガン採掘跡も別の記事にてまとめます。

 

尾根を1時間以上歩いて、最後の登りを進みます。

 

そして地形図と見比べ、程よい斜面の場所を見つけ、沢まで一気に下ります。

 

時折崖みたいな場所も有りましたが、何とか沢まで到達。
なんだか、奥の方がズリ斜面のように見えますね。

 

早速向かってみると、やはりズリ石。

 

どうやら目的の昭和鉱山沢入鉱床に到達したようです。
しかし、小中駅から既に3時間経過、帰る時間も考慮すると探索時間は30分余りしか有りません。
次回はまた先生と一緒に来ると思うので、細かい場所をともかく全体を大まかに確認します。

 

まずはメインと思われるズリ斜面の様子。

 

 

採掘跡の様子。

 

下部は露天掘りか、坑口が崩落した跡と思われる陥没。

 

上部は坑口。
坑口のすぐ奥で埋まっていたはず。

 

さらにその上部にも坑口。こちらもすぐに埋まっていました。

 

鉱山跡に高確率で落ちている湯飲みシリーズ。
今回は鶴と松のデザインで、割れも無く完全版。

 

斜面の奥には崖を削った何かの施設跡。

 

コンクリートが僅かながら残っています。

 

鉄骨の残るコンクリートの基礎らしき物。
索道の跡でしょうか。

 

落ち葉で分かりにくいのですが、基礎らしきものは隣り合って2つ有ります。

 

今度は裏側に回ってみます。
すると沢沿いに多量のズリ石が。

 

上部の岩山を見てみると、平行に複数の坑口らしき穴が見えます。

 

昭和鉱山沢入鉱床はこの岩山を表と裏側から採掘していたようです。

 

さらにこの先にも昭和鉱山笹鉱床が有るらしいのですが、今回はそこまで行く時間が無いので次回に回します。

 

今度は沢に沿いながら戻ります。
沢沿いにはコンクリートで補強された石積みが有ります。

 

その上部にも鉄筋の残る何かのコンクリート基礎が有りました。

 

最後にズリ石エリアを軽く眺めたところでタイムアップ。
30分だと一通り写真を撮るだけで終わってしまいますね。

 

斜面を登って尾根に戻ります。
下った時は楽だったのですが、沢からの登りはきついですね。

 

しばし登って尾根に到達。
とりあえず一安心。再び尾根沿いに戻ります。

 

尾根沿いを歩いていると、またまた足元にマンガンのズリ石が落ちています。

 

こちらはだいぶ小割されています。

 

というか来るときはこんなの見かけなかったですね・・・。
どうやら途中で下る尾根を間違えた様です。
地図とGPSを確認したら、やはり違う尾根をくだりかけていました。
間違っても以前探索したエリアに降りるルートでは有りましたが、危なかったです。

 

今度は定期的にGPSを確認しながら下ります。

下る途中には松ぼっくりが無限に落ちてるマツボックリランドが有ったり。

 

タラの芽を見つけたけど、時期が早かったり。

 

そんなこんなで無事に舗装林道に到達。
行きは尾根伝いにだらだらと登りが続きましたが、帰りは下りなのでスムーズでした。

 

林道からは集落沿いの道を歩きます。

 

余裕を持って電車の30分前に小中駅に到着し無事に帰宅。

 

そろ探索でしたが、無事に昭和鉱山奥山鉱床を見つける事が出来ました。
次回は某先生を案内して、再度昭和鉱山奥山鉱床を確認しなおしたいと思います。

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