探索日:2022年5月15日
この日は栃木県足利市の小俣付近の鉱山探索に向かいます。
まずは小俣にある桐生鉱山の探索です。
桐生鉱山とは
桐生鉱山とは当時の栃木県足利郡小俣町森出に有った小規模マンガン鉱山です。
手持ちの資料である『日本のマンガン鉱床』には以下の記載が有ります。
また『日本のマンガン鉱床』の続編である『日本のマンガン鉱床 補遺 後編』には桐生鉱山の経営者として「日満鉱業」の名前が記載されています。
栃木県の足利市に位置しているのに「桐生鉱山」の名称だとちょっとややこしいですね。
桐生鉱山探索
さて桐生鉱山の探索です。
この日はJR両毛線の小俣駅からスタートになります。
小俣駅からは小俣川沿いに北へと向かいます。
1時間程あるいたところで森出地区に到着。
森出には足利市ふるさと学習・資料館なる建物が有ります。
ふるさと資料館なら地域のマンガン鉱山の情報も手に入るかと期待しましたが、到着した時間が早くまだ開館前で残念。
ふるさと資料館には入れませんでしたが、資料館の建物はどうやら過去に学校として使われていた物の様子。
当時から同じ位置に有ったかは分かりませんが、参考文献に有った森出の小学校と一致します。
参考文献には小学校の裏手に有ったとの事なので、学校の裏に回ってみます。
学校の裏山はつい最近に治山工事が行われた様子。
土砂崩れ防止と見られる金属の柱とフェンスも真新しいです。
そしてその真下に怪しい穴が。
とりあえず的な感じで単管パイプとトラロープで柵が作られています。
怪しい穴に近寄ってみます。
簡易的な柵は在りますが、明確に立ち入り禁止の表示は無いので、柵の裏側に回り込んでみます。
穴を覗き込むと坑口です。
まさかの学校真裏に坑口が。
参考文献どおりに学校の裏の低い位置に坑口が有ったので、桐生鉱山に間違いなさそうです。
普通こういう文献に載ってる「〇〇の裏手に位置する」といった表記は曖昧で、実際には1キロぐらい離れていることも多いのですが、今回の桐生鉱山は珍しく文献通りでした。
坑口から中を照らすと、左にカーブして奥に続いているようです。
坑道内は薬品か何かの瓶らしきものが散乱しているのであまり入りたくないです。
廃坑道内は危険物や産廃などが捨てられていることが多いので、入るときは気を付けないとです。
とりあえず坑口周辺をチェックします。
こちらは坑口脇の岩の様子。層状のチャートですかね。
坑口付近には一応マンガンズリらしき石が落ちていますが、坑道が有る割にはかなり少ないです。
立派な坑口が有るにも関わらずズリ石が少ないということは、これは上部に採掘エリアが有ったパターンではと思い坑口付近の斜面を登ってみます。
斜面を登るとマンガンの採掘ズリと思われる石が増えてきます。
そして予想通り、上部にも坑口を発見。
周囲には坑口以外にも、複数の採掘跡が見られます。
ちょっと複雑に掘り込まれたエリア。
こちらは下部に繋がっていそうな感じです。
この付近は本当に学校の真裏。
さらに周囲にも複数の民家があるので、あまり目立たないように探索します。
この辺りは下部に向かって掘り込まれている採掘跡が多数。
多分ですが露頭から掘り込んで、内部で最初に見つけた坑口と繋がっているものと思われます。
さらに斜面を登ると比較的小さな坑口や、露天掘りのようになっています。
この辺りの露頭の岩は黒く、マンガンの様な鉱物を含んでいる様子が分かります。
ペンキの跡は治山工事の目印ですかね。
この辺りが最も高い位置のようで、これ以上先は採掘したような痕跡は見られず。
桐生鉱山は上部の露頭から採掘していった様子。
最初に見つけた坑口は最下部に有り周囲に採掘カスのズリ石も殆ど見当たらなかったので、大切坑的な感じで排水やズリ出しに用いられていた坑道ではないかと思います。
今思えば最初の坑道内を探索して、内部で他の坑道に繋がっていたかを確認すればよかったとちょっと後悔、
さて、とりあえずあっさり桐生鉱山が見つかったので、この周囲にも何かないか探索してみます。
桐生鉱山の有った沢をひたすら登っていくと謎の建物が。
木造のコテージ風の建造物。
だいぶ古そうな感じですが、廃墟はそれほど興味がないのと、人の敷地ないだとまずいのでこの距離で撮影。
とりあえず沢沿いの林道付近を軽く探索してみましたが、他にはめぼしいものが無かったので桐生鉱山を後にして先に進みます。
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