桐生市の一色鉱山探索

桐生市

探索日:2022年10月9日

桐生市の光鉱山と思われるマンガン鉱山探索後は、一色鉱山と思われるマンガン鉱山を探索に向かいます。

桐生市の光鉱山と思われるマンガン鉱山探索
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一色鉱山とは

一色鉱山とは現在の群馬県桐生市菱町五丁目付近の山中に位置するマンガン鉱山です。
参考資料として『群馬県地下資源調査報告書』には以下の記載が有ります。

一色鉱山
桐生駅北東直距6Km。
桐生駅から引田集落までトラックで5km、それから現場まで徒歩で2kmである。
(中略)
鉱石は黒色酸化マンガン鉱を主体とし、下部に栗色しま状の炭マンが一部認められる。
品位は酸化マンガン70~80%、マンガン30~45%である。
本鉱山は栗原順一の経営にかかり、目下既知鉱床の酸化鉱残鉱採取と、同時に下部炭酸マンガン鉱を開発すべく、立入坑道を掘進中で、月産10トンていどの出鉱であるが、今後の開発は図のように下部の断層に沿って𨫤先を確認することが今後最大の問題であろう。

また一色鉱山かは不明なのですが、地質図幅には茂倉沢鉱山の下部にマンガンの鉱山マークが記載されています。
ここは上記の一色鉱山の説明に有る、引田地区から沢沿いに登ると到達する位置にある鉱山であることから、一色鉱山の可能性が高そうなので今回はここを一色鉱山として記載します。

 

ただ懸念として別の資料である『日本のマンガン鉱床』や『日本鉱産誌』では、一色鉱山はマンガンを約2600トンほど産出したとの記載が有ります。
今回訪れた一色鉱山と思われる採掘跡から、それだけの量のマンガン鉱石が採掘したようにも見えないので、別の鉱山の可能性も有りそうなのはご承知おきください。

 

一色鉱山探索

さて一色鉱山の探索です。
光鉱山と思われるマンガン鉱山探索後は、尾根上のハイキングコースを歩き、仙人ヶ岳方面へと向かいます。

 

このコースは至る所に、簡易的なクマよけの鐘が有ります。
それほど熊が出る可能性の高い場所の様です。

 

暫く歩くと標高303メートルの金狐山なる展望台に到着。

 

ここからは桐生市市街が一望できます。

 

さらに進んで雨降山。
この先からハイキングコースを外れて、北側の急斜面を下ります。

 

斜面はこんな感じの場所。
写真ではわかりにくいですが、実際の現地ではもっと急に感じます。
しかも斜面も湿っているので、足を滑らさないように木々を掴みながら進みます。

 

斜面から尾根付近を見上げるとこんな感じ。

 

斜面が急なので所々に走るイノシシの物と思われる獣道を利用して進みます。
獣道ので道沿いににはイノシシが掘ったと思われる窪みだかネグラだかも見受けられます。

 

そんな斜面をウロウロすること30分ほどで、怪しい平場を発見します。
一帯が急斜面なのにここだけ広く平らになっています。

 

そして正面み見える露頭。
平らに切り取られているようにも感じます。

 

これはもしやと思い近寄ってみると、ほぼ埋まっていますが坑口を発見。
若干隙間が有るようですが、狭すぎて確認できず。

 

更にその先にも怪しいエリアが。

 

進んでみると斜め下に掘り込まれた坑口を発見。

 

坑口の中はこんな感じ。
狭いですが奥に見えるチャートに沿ったマンガン鉱脈を掘っているようです。

 

その先にも埋もれた坑口を発見。

 

こちらも小規模な採掘跡の様です。

 

斜面に沿ってさらに進むと岩盤を崩した様な跡が見られます。
どうやらチャートに沿ったマンガン鉱脈を露天掘りで掘っていたようです。

 

斜面を登って露天掘り跡と思われる場所を上部から眺めた様子。
だいぶ土砂で埋まっています。

 

露天掘りの上部にも埋まっていますが、チャートの隙間を掘った跡が有ります。

 

露天掘り跡の先はこんな急斜面。
足を滑らしたら真下まで滑落必至。

 

ここの採掘跡はこんな感じ。
マンガン鉱脈に沿って露天掘り跡から坑内掘りへと斜めに繋がっています。

 

 

この鉱山跡から下を見下ろすとこんな斜面。
標高も400メートル以上の場所なのですが、当時の採掘者はどうやってここまで来ていたのでしょうか。

 

そんな斜面を1段下がってみると、これまたほとんど埋もれていますが、新たな坑口を発見。

 

覗き込んでみるとかなり狭い狸掘りの様な掘り方ですが奥へ続いている様子。

 

はいつくばって覗き込んでみると、右手奥へと繋がっています。

この坑道は先に紹介した『群馬県地下資源調査報告書』に「下部炭酸マンガン鉱を開発すべく、立入坑道を掘進中」と記載の有った坑道でしょうか。
この坑道は上部2つの坑道とは違い、人が入って行くための通路的な坑道なので記載の情報とも合致しています。
坑口が埋もれていなければ入って確認したいですが、25センチ四方程度しか開いていないので入れず。

 

坑口が有ったのはこんな旧斜面。
採掘作業するのもかなり大変そうですね。

 

幾つかの坑口と露天掘り跡を見つけたので、他にも無いかと周囲をウロウロしていると、画像ではわからないのですが、僅かながら踏み跡の残る鉱山道らしきものを発見。
どうやら当時の人たちはこの道をたどってこの鉱山まで来ていたようです。

この鉱山道をたどってみたいとも思いましたが、ここを進むと山の反対斜面に降りてしまうので今回はパス。
再び急斜面を登って尾根上へと戻りハイキングコースへ復帰します。

 

ハイキングコースに戻ってからは仙人ヶ岳方面へと向かいます。

 

この辺りは展望がよいです。
山に植林されているのは数年前の大火事で山が全部焼けてしまったからだそうです。

 

尾根沿いを進んで大窪なるピークを通過。

 

そしてその次は前仙人ヶ岳へ。

 

そろそろ時間が無くなってきたので、前仙人ヶ岳付近のこの辺りからエスケープ。
眼下に広がる植林跡の作業道を使って下山します。
ちなみにこの辺りにも黒川鉱山の坑口や採掘場所がいくつも有ったようですが、植林の害獣除けネットで囲われて入れず。
植林作業で潰されてしまった可能性も高そうですが、機会が有ったら探索してみたいです。

 

害獣除けのネットに沿って進んで作業道に到達。
ここからは作業道を歩いて下山する予定ですが、目の前に作業道を貫くように崖崩れの跡が・・・
この先進めるのでしょうか。

 

お次は崖崩れ跡を突破し、黒川鉱山か菱鉱山の物と思われる火薬を跡の探索に向かいます。

菱鉱山の火薬庫と思われる遺構探索
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