探索日:2022年10月9日
この日は久しぶりに群馬県は桐生市方面のマンガン鉱山探索に向かいました。
今回向かうのは地質図幅に掲載されていたマンガン鉱山をいくつか探します。
まず最初は菱町にあったらしいマンガン鉱山へ。
このマンガン鉱山は比較的市街地に近く、アクセスしやすそうです。
さて探索ですが、桐生市には9時頃に到着です。
桐生駅からコンビニなどによりつつ、菱町方面に向かいます。
菱町を歩いていると目的地付近にハイキングコースを発見。今回はこれを利用してマンガン鉱山跡近くまで行ってみることにします。
ハイキングコースということで、道もしっかり整備してありありがたいです。
少し行くと椚林の中を進みます。
普段なら歩きやすそうな道なのですが、数日前の雨でまだ濡れており、足を滑らせそうになるので慎重に歩きます。
ハイキングコースを歩いていると一人のハイカーさんが。
挨拶をすると「どこまで行くの?」と声をかけられたので、マンガン鉱山を探していることを話し何か情報を知っていないか聞いてみます。
朝日澤、岩切など数か所のマンガン鉱山の事を聞きましたが、残念がら既に探索済みの場所。
私が埼玉からわざわざマンガン鉱山を探しに来ているのが珍しいようで、色々と会話が弾みます。
暫くハイカーさんと話した後はマンガン鉱山跡を探して進みます。
山頂近くになると、付近に転がっている岩もマンガンを含んでいそうな黒い石に。
そして頂上。
麓のお寺が作ったと思われる涅槃像が有ります。
ここからは尾根沿いに探索。
尾根沿いに進んでいくと途中に踏み跡が。
そちらに進んでみると、祠が祀られていました。
祠を後にしてマンガン鉱山探しです。
地質図幅の地形を参考に探していたのですが、この時実は尾根の位置を勘違いしており、隣の尾根沿いを探索してしまいます。
尾根沿いを探しても見つからなかったので、今度は沢沿いを探索します。
沢沿いにはイノシシのヌタ場が見られます。
さらに下ると尾根沿いに岩が崩された様な跡を発見。
最初はマンガンの露頭掘りではと思いましたが・・・。
落ちている石を見るとチャートばかりで、マンガンを含んだような黒い石は一つも見つからず。
どうやらマンガン採掘跡では無さそうです。
更に沢沿いを進むと沼地が出てきます。
砂防ダムに水がたまったものかと思いましたが、下流側には砂防ダムは無く完全な沼地。
こんな小規模な沢に沼があるのも珍しいです。
その後も下ると林業用の作業道と思われる道に合流し、民家の裏手に出てしまったので切り返して降りてきた沢を戻ります。
標高差100メートルもないちょっとした沢ですが、登り返すのは結構きついです。
間違えた尾根を探索してしまったので、頂上に戻って再度地図やGPSの現在位置とにらめっこ。
改めて正しい尾根を確認しそちらに向かいます。
向かった尾根はこんな感じ。
尾根沿いは整備されており、右側や緩やかな笹薮で、左側は切り立った崖です。
当初は左側の崖側に鉱山跡が有ると思ってそちらを注視しながら歩きます。
ですが後々、マンガン鉱山跡は右側の緩やかな斜面にある事を後で気づきます。
実はこの写真にもマンガン鉱山跡が写っているのですが、完全に気がつかず先に進んでしまいます。
暫く尾根沿いを進みますがマンガン鉱山らしきものは見つからず。
ここの尾根も間違いかと思い、折り返して尾根を登ります。
戻りつつ歩いているとチャートの露頭があります。
「掘るならこの辺だよな・・・」と思いつつ歩いていると、尾根脇の斜面に窪みが。
上から見た感じ、これはアタリな予感!
下ってみるとやっぱり坑口でした。
坑口が開いていた場所は尾根から数メートル下の場所。
これは普通に尾根を歩いていたら気が付きませんね。
坑口からライトアップするとこんな感じ。
石を投げこむと、それほど深くないものの右下側に掘られている様子。
そして最初の坑口が有った真上にも、さらに坑口が有りました。
猟銃禁止の看板でとりあえずは塞いでいる様です。
こちらは縦に掘り込んでいる様子。
中を照らしてみると、最初の坑口が有った方にと掘られています。
マンガン鉱脈に沿って上下から掘ったようです。
ただ風は流れていないので、貫通はしていなそう。
さらに坑口が無いか周囲を探してみましたが、残念ながら発見できたのは2ヶ所のみ。
これだと鉱山というよりは試掘レベルでしょうか。
坑口周辺のマンガンズリはこんな感じ。
マンガン鉱山のズリ石の中にキラキラ光るものを発見。
手に取ってみると、数ミリの水晶クラスター。
2~3ミリ程度の水晶ですが、しっかりと結晶になっていました。
先にも掲載した尾根沿いの写真ですが、実は右に移っている倒木の脇に坑口が開いていたのでした。
反対から写すとこんな感じ。
さて、今回訪れた鉱山ですが、探索後に調べてみました。
すると『栃木県加蘇・飛駒および菱村地域のマンガン鉱床 珪酸マンガン』の地図に、今回探索した位置付近に光鉱山なる名称が有ります。
この資料から考えると位置的に光鉱山なるマンガン鉱山の可能性が高そうです。
地質図幅にも掲載されていたマンガン鉱山ということで、どこか年代の時点では届け出か調査が行われたものと思われます。
ただこの付近にはいくつもマンガン鉱山や採掘跡が有ったので、まったく別の可能性も有りますが・・・。
それと規模的に試掘程度なので、名前が付いていた程の鉱山かどうかも怪しいです。
(栃木県加蘇・飛駒および菱村地域のマンガン鉱床 珪酸マンガン第5報より)
とりあえず今回の記事では光鉱山ということにしておきます。
お次は一色鉱山と思われるマンガン鉱山の探索に向かいます。
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