探索日:2023年10月2日
朝日沢鉱山(横沢鉱山?)を探索後は、上菱鉱山の探索へ向かいます。
今回も某先生とのマンガン鉱山調査の一環として向かいます。
上菱鉱山にいくのは多分今回で3回目になります。朝日沢の奥地なのですが、何気に何度か行っていますね。
1回目の探索の様子はこちら。
2回目の探索はこちらになります。
今回は某先生との合同探索かつ、上菱鉱山の坑道図を手に入れたので、図面を元に新たな坑道などを探したいと思います。
さて探索の様子です。
朝日沢鉱山から少し下り、上菱鉱山への山道へと入ります。
上菱鉱山への道は当時の鉱山道と思われる場所を歩きます。
崖の岩場を削っての道なので、結構スリリングな場所もあります。
場所によっては当時の橋と思われる残骸も残っています。
ここなどは完全に足場が無くなっています。
でも一応トラロープと怪しい黒ロープが張ってあります。
古いロープなので、余り信用できませんが、体重をかけないようにして渡ります。
上菱鉱山近くになると沢にはマンガン鉱石がちらほら出てきます。
割ってみたらバラ輝石。
さらに進むと、沢には鉱山当時の遺物が出てきます。
こちらは鉱石を運んでいたと思われるバケットらしき物。
こちらは何かのパイプ。
更にズリ石も山も出てきます。
そして石積みと坑口。
坑口から覗きこんだ坑道の様子。水がたまっていて入れません。
ちなみにこの坑道は、この先の露天掘り跡に繋がっているようです。
位置的に大切坑的な役割で、ズリ出しや水抜きに使われていたのだと思います。
持ってきた図面と照らし合わせてみるも、正直どの坑口か分からず・・・。
坑口から先に進むと、巻き上げ機、ポンプ、タンクと3種の神器が鎮座しています。
積まれた3つのタンク。
巻上機。
ポンプ。
その先にはコンプレッサーなどの機械類が有ります。
沢水で流されたのか、機械類の土台が無くなりつつあります。
あと数回大水が出たら崩れてしまいそうですね。
沢には転げ落ちてしまったと思われる何かの機械も落ちています。
タンクや機械類の様子。
それにしても山の中にこんな機械を持ち込んだのは凄いですね。
パーツごとに分けたとしても、それぞれかなりの重労働だったと思います。
機械類の脇にはエアー式の削岩機も落ちていました。
削岩機は足尾鉱山で触ったことが有りますが、固定されていないものを実際に持ってみるとかなりの重量が有りますね。
機械類を見た後は、坑口探索。
まずは機械類の脇に有る露天掘り跡。
石を落としてみたら数秒間転がって行ったので結構深そう。
ここに入った人のブログを見た事が有るのですが、この中はかなり広く掘り込まれているようです。
そしてこのマンガン鉱脈は縦に掘られていたようで、上部にも採掘跡が有ります。
縦に掘られているという事は、その上部にも採掘跡が有るはず!
ということで斜面を登ってみると、斜面の上にも採掘跡を発見。
ここはやや水平に近く掘られています。
その脇には坑口も。
入ってみます。
余り深くなく、正面は上部から崩れたと思われる土砂が堆積。
脇の方にも掘られています。
奥の方は、先ほどあった水平の採掘跡と繋がっていました。
更に斜面を見ると露天掘り跡があり、さらに上部にも怪しそうな場所が有るので登っていきます。
斜面をちょっと登ると新たな坑口を発見。
坑口付近には、鉱山当時の物と思われる、やかんと瓶が落ちています。
奥は結構続いていそうです。
少し進むと手作りっぽいザルらしきものが置いてあります。
鉱山当時に使用されていたザルの様です。
これで鉱石を運んでいたのでしょうか。
さらに奥には軌道跡が出てきました。
鉄製で錆びてはいますが、しっかりと残っています。
レールが引いて有るとなると、それなりの量の鉱石を搬出した坑道なのでしょうか。
この坑道、かなり斜面の上部に有るのですが、レールを運び込むだけでもかなりの労力を要したと思います。
レールの先は崩落したのか、岩が堆積しています。
岩が堆積している場所は乗り越えられそうなので、慎重に先に進んでみます。
岩を乗り越えると坑道はまだ続いています。
こちらは枕木の後は残っていますが、レールは撤去されたのか残されていません。
そしてその先は唐突に竪坑が出てきます。
それ程深くは無いけど、落ちたら這い上がるのは無理そうです。
竪坑を慎重に覗き込んでみると、下部は水没しています。
水の底には多数の坑木が沈んでいるので、ここには足場か橋でもかけられていたのでしょうか。
そして水没の奥にも坑道らしきものが見えます。
もしかしたら一段下の坑道に繋がっていたのかもしれませんね。
竪坑の上部はにも採掘跡が残されています。
もしかしたら奥に続いているかもです。
竪坑の先にも坑道が続いていそうな感じです。
この坑道内の様子はYoutubeにもアップしているので良かったらどうぞ。
坑道も一通り探索したので外へ。
入るときに気が付かなかったのですが、坑口の脇にはワイヤーが残されています。
もしかしたら当時は索道でもあったのでしょうか。
一応ワイヤーをたどって上部も見に行ってみましたが、採掘跡などは見つけられず斜面を下ります。
斜面を沢まで下り、今度は沢を挟んだ反対側の様子を見てみます。
沢の反対側の採掘跡付近には、索道のバケットらしきものが埋まっています。
これがバケットなら上菱鉱山には索道が有ったことを意味しますね。
こちらが沢を挟んだ対岸の採掘跡。
こちらも縦にマンガン鉱脈が有ったようで、斜面にまっすぐ採掘跡が残されています。
ただこちらは余り鉱脈が無かったのか、余り深くは掘られていないですね。
今回はこれで上菱鉱山の調査は終了。
まだ沢の上部には幾つかの採掘跡が残されているのは把握しているのですが、そちらの調査は次回に持ち越し。
帰りも切り立った鉱山道を慎重に歩いて山を下ります。
ここの鉱山道は上菱鉱山の一番のバエスポットかも。
鉱山探索後は某先生お勧めの蕎麦屋でごちそうになりました。
というわけで今回の合同調査は終了。
また次回も先生と日程を合わせて桐生市のマンガン鉱山を調査したいと思います。
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