探索日:2024年10月7日
上菱鉱山探索後は、沢を登り仙人ヶ岳付近の砥石鉱山を目指します。

この鉱山は以前に探索済み。
その時は私も鉱山の知識がまだ乏しく、石の質が違うなとは思いつつもマンガン鉱山かと思っていました。
しかし、今回の探索で珪質泥岩を採掘した砥石鉱山だという事が分かりました。そんなわけで、改めて砥石鉱山としての探索になります。

さて探索です。
先に訪れた上菱鉱山から沢を詰めて登っていきます。
この沢は人がほとんど入っていないようで、倒木なども酷くこのような有様。
近年に人は入っていないものの、沢沿いには所々に石積みが見られます。
炭焼き窯跡も残されています。
石の質も途中まではチャートだったのですが、標高が上がるにつれて泥岩の様な石に代わります。
二つ目の炭焼き窯跡。
尾根が見えて来たあたり、砥石鉱山のズリ山が見えてきます。
ズリ山の脇には平場が有ります。
鉱山施設でも有ったのでしょう。
砥石鉱山のズリ山。
ズリ山の石の様子。
チャートでは無く、泥岩か砂岩といった様子。
ズリ山を越えると坑口が見えてました。
坑口のある岩全体が削り取られているので、露天掘りから良い場所を求めて坑道掘りになったようです。
坑道は斜め下へと掘られています。
まずは先生がチェックに入ります。
坑口付近の石の様子はこのような感じ。
先生の確認が終わった後は私も、坑道内へ。
斜面にズリ石と落ち葉が堆積しているので、慎重に降りていきます。
坑道は少し斜め下に掘った跡、左右に分かれています。
まずは左側2メートル程掘っているだけ。
余り良い砥石が出なかったのでしょう。
今度は右側を確認。
右側は埋もれているものの、先に続いていそうです。
屈んでみると、水が溜まっているものの奥が有りそう。
覗き込んでみましたが、それほど奥は続いておらず数メートル程度の様です。
ちなみに右下に削岩機のロッドの跡が残っていますね。
こちらにもロッドと思われる穴が残されています。
ロッドの跡から機械化された比較的近代の砥石鉱山の様です。
この周辺に機器類の残骸は無かったので、下に位置する上菱鉱山から機器を持ってきたのでしょうか?
もし、マンガン鉱山と砥石鉱山を一体的に採掘していたとしたら、面白い発見かなと思います。
砥石鉱山のズリからサンプルでいくつか貰っていきます。
砥石はどのようなのが良いのか分からず、とりあえず平らな面が出ているのをピックアップ。
砥石鉱山を見た後は、折角なので沢を詰めて尾根に上がり、仙人ヶ岳を目指します。
ついでに女仙人ヶ岳。
仙人ヶ岳は木に囲われていて眺めが悪いのですが、こちらは開けていて桐生方面や足利方面を眺める事が出来ます。
尾根上の登山道を歩いていたら、泥岩とチャートの境目を発見。
画像では分からないのですが、この付近から落ちている石の質が変わります。
仙人ヶ岳の同じ沢筋でマンガンと砥石が採れるのも興味深いです。
地質や地学の知識が有ったら、より楽しめる地質なのでしょう。
おまけで立った猫のシルエットっぽい枯れ木。
さて、仙人ヶ岳を後に、暗くなる前に登って来た沢を下山します。
下山途中で鉱水が湧いている場所を見つけます。
形は悪いですがケイブパールみたいな石も、湧水地点に有ります。
某先生曰く、こういうのも研究すると面白いのだとか。
沢を下って山菱鉱山との合流から、鉱山道を伝って無事に下山。
後日地元の先生から「桐生市の梅田地区に2か所の砥石鉱山が有った記録は把握しているものの、今回の砥石鉱山は初耳で貴重な発見」との話を受け、2か所の砥石鉱山の資料もいただきました。
桐生市のマンガン鉱山の調査が落ち着いたら、桐生市の砥石鉱山も調べてみたいですね。
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