桐生市の穴切鉱山探索

桐生市

探索日:2021年5月29日

鷹林寺裏のマンガン鉱山跡の探索後は桐生川を挟んで反対側付近にある、穴切鉱山跡を探索しに行きました。

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穴切鉱山とは

穴切鉱山とは桐生市梅田四丁目の穴切地区を流れる穴切川沿いに有る鉱山跡です。ここでは主にマンガンを採掘していたものと思われます。

ちなみに穴切鉱山も正式名称なのかは不明です。なお「穴切」は「あなぎれ」と読むらしいです。

 

手持ちの資料によるとこの付近に「倉ノ沢鉱山」および「倉ノ沢第一鉱山」なるマンガン鉱山が有ったとの記録が有ります。

特に「倉ノ沢第一鉱山」は位置的にも近いようで、日本鉱産誌には栃木県飛駒村(桐生および足利)と記載があります。

上記の資料で「(桐生および足利)」と有りますが、栃木県飛駒村は、昭和43年に群馬県側の一部が越県して桐生市に合併した経緯があります。今回マンガン鉱山跡が有った付近はちょうどその越県合併範囲に位置しており、「(桐生および足利)」という記載も近いものがあります。

「倉ノ沢」という地名については桐生市地名考によると、桐生市梅田町四丁目に合併した飛駒村入飛駒に位置していると記載があります。

さらに倉ノ沢の説明にも「は岩壁。岩壁のある土砂崩れして急傾斜している高戸山西側の沢。」とあり、今回鉱山跡を見つけた場所も高戸山の西側の沢なので内容がかなり一致します。

そのため穴切鉱山は「倉ノ沢第一鉱山」もしくはそれに付随したマンガン鉱山跡なのではと思っています。

※追記:倉ノ沢鉱山は別にある事を確認し探索済み。

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とりあえずこの記事では通称の「穴切鉱山」で表記します。

参考:「日本鉱産誌Ⅰ-C」「趣味の鉱石トレジャーハンター」「桐生市地名考」

穴切鉱山の場所や行き方

穴切鉱山の場所や行き方は桐生市のおりひめバスの中居橋バス停で下車し、林道穴切線をひたすら道なりに行くとあります。

細かい鉱山の位置はネット上に書いてしまうと色々と有るので、実際に現地に行って確認してみてください。

 

穴切鉱山の探索

穴切鉱山にはこの場所から川沿いの林道に入って向かいます。

 

穴切林道は所々しっかりとした石垣が見られ、いかにも元鉱山道路という感じ。

路面の足場には組まれた丸太が見えるところも有ります。

川沿いの部分もしっかり岩が組まれており、川沿いなのに崩落しているエリアも有りません。

このように林道自体の道はしっかりしているので、ある程度のところなら車でも入っていけそうです。

 

林道は川沿いを進むので、渓相を眺めながら歩くことができます。

 

しばらく歩くと川を挟んだ対岸に怪しい溝が出てきます。

沢を渡って対岸に向かい近寄ると、マンガンの採掘跡です。

岩肌に沿ってマンガン鉱脈が有ったようで、縦に岩が掘られています。

 

坑口付近が枝や枯葉で埋まっていましたが坑道の様です。

上部の鉱脈を掘って下部に落とし、ここから搬出していたのだと思います。

ここのマンガン採掘跡は余り取れなかったのか小規模なようです。

軽く眺めた後はさらに林道を進んで先に向かいます。

 

またしばらく歩くと対岸の岩肌に穴か窪みが。

近くまで行ってみると採掘跡ではなく窪み。

窪みには祠が祭られていました。

 

さらに先に進むと川沿いの石積みに1か所だけコンクリートで覆われた部分が。

じつはこの部分塞がれた坑口跡との事。

参考:か~み~の地球が遊び場!! 穴切鉱山~マサカノ再訪…✕✕✕~

 

真上から見るとこんな感じ。

ほぼ水に浸かってしまっていので、トレッキングシューズでは覗けないので今回はパス。

こんな川沿いに坑口を作って、増水時に浸水とかは無かったのでしょうか。

気になりますね。

 

 

林道を先に進むと崩落しかけた木の橋が出てきます。

橋の先は平場が有りますが、この橋を渡るのは自殺行為なので眺めるだけで先に進みます。

 

 

木橋からちょっと行くと比較的最近に木を伐採したと思われるエリアが出てきます。

 

そのエリアの道沿いに怪しい窪み。

 

穴っぽいですね。

 

中を覗き込んでみると、かなり水が溜まっていますが奥へと続く坑道。今回の目的の穴切鉱山の坑道の様です。

ちなみにこの坑道はどこかと繋がっているようで、クーラーの強風設定ぐらいの強い冷風が噴出しています。

余りの温度差でスマホのカメラも曇るほど。

カメラの曇りが取れて再度撮影。

探索日も暑い日だったので、坑道から噴き出す冷風で体を冷却。

暑い日は坑道で涼むのも良いですね。

 

さて、落ち着いてからは坑道付近を探索します。

すると先ほどの坑口よりも上部に、マンガン鉱山のものと思われる黒いズリ石が広い範囲に落ちています。

 

先の坑道がマンガン鉱石の搬出用の坑口だとすると、上部に採掘していた跡が有るはず!

そんな仮説を立てて坑道の上部へと登ってみます。

ちょうど伐採が行われてエリアで見通しは良いのですが、この斜面と下草で登るのも一苦労。

 

ちょっと斜面を登ると思った通り採掘跡が見つかります。

奥には入りませんでしたが、こんな坑道になってる穴も有ります。

穴をいくつか見つけた後はさらに斜面を先に進みます。

怪しい岩が有ったので回り込んでみると、やはりこちらも採掘跡が有ります。

ここは深そうです。

下部に向かって掘られているので、下の坑道と繋がっていそうです。

 

さらに斜面を探索。

場所によっては岩山なので、滑落しないよう慎重にトラバースします。

岩山エリアには露天掘りしたような跡も見られます。

 

前方にも穴のような窪みが見えるので、崖を先に進みます。

ちなみにここに見えてる石はズリではなく、この上部の崖から崩れてきた石です。

滑落だけでなく落石にも注意です。

窪地っい部分はやはり採掘跡。

ここも下部に向かって掘っています。

このエリアは採掘跡が多数で、埋没してしまったのかもですが、小規模な穴も多数あります。

 

この辺りの露頭の様子。

左側の黒い部分はマンガン鉱石っぽいです。

白い石英の様な鉱脈もあるので、探せば水晶も取れそうです。

ここは比較的広く人が入れそうな坑道。

 

大分高い場所まで登ってきました。

この右手に少し見える岩山付近に多数のマンガン採掘跡が見られます。

斜面はこんな感じで、至る所に穴が。

 

小一時間かけて上部の斜面探索終了。

この付近の岩にはマンガン鉱脈が多数あったようで、至る所に穴が有りました。

穴の内部は下部などにも掘られていたので、中では繋がっているものと思います。

 

穴切鉱山を探索し終わったので、次の鉱山探しに向かいます。

ちなみに下山途中に鉱山道っぽい林道を見つけたので、そちらに向かって探索です。

 

 

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