探索日:2021年4月10日
朝日沢鉱山探索後は上菱鉱山探索へと向かいます。
実は今回の鉱山、最初は朝日沢鉱山かと思っていたのですが、どうやら上菱鉱山ということで訂正しています。
ちなみに上菱鉱山には何度か訪問しています。
こちらは初回探索。
こちらはレールの残る坑道を見つけた3回目の探索。
さて探索です。
今回は探索に先立って日本地方鉱床誌を読み直したところ、上菱鉱山の項目が有りそこには「仙人岳の北側、標高約550メートル付近に位置する」とあり、今回登った際のGPSログともほぼ一致。
さらに「当初は露頭部の二酸化マンガン鉱を小規模に採掘していたが」「最盛期には月産400トン近くの出荷をし、本地区最大の鉱山で、開山以来の生産量は15000トンに及ぶ」という記載も、実際に露頭部と思われる部分を露天掘りした跡があったり、残されている機材の遺構やズリ山の量などからこの辺りのマンガン鉱山の中でも一番規模が大きい様子が見られます。
上菱鉱山へは一度林道を戻り、こちらの山道から隣の沢筋へと向かいます。
上菱鉱山への山道は最初はしっかりした道なのですが、
途中からは足場だったと思われる木の枠組みが崩れていたりします。
この辺りは崩壊しているとはいえ、脇に道が残っているのでまだまだ普通に歩けます。
そのうちにこんなに細くなったり。
それでも道はまだしっかりしているのですが、幅が狭く落ち葉も積もっているので慎重に歩かないと怖いです。
そして最大の関門はこちら。
完全に足場となる岩が無い状態です。
ここを通る際は下にちょっと見えるトラロープの場所をトラバースします。
ちなみに道の下は崖で沢までは数メートルあります。
トラロープもどこまで信頼できるかわからないので、なるべく体重をかけないようにしなくてはいけません。
難所を越えてからは道が復帰したり、沢筋を歩いたりなのでとりあえず危険な個所はなくなります。
しばらく歩き鉱山はまだかな~と思ってることに坑口が出てきます。
こちらの坑口は残念ながら水没。
しかし形はしっかり残っており奥もそれなりの深さが有りそうです。
この坑口を越えると廃鉱山らしい遺構が遺物が出てきます。
石垣の上には錆びた機器類が残っています。
ポンプらしきもの。
こちらはワイヤーが巻かれていることから巻上機の様です。
そしてタンクらしきもの。
この3つの遺物の配置具合もなかなか良いです。
少し進むと、そこにもいろいろ機器類が残されています。
発動機の様な物
ポンプでしょうか
こちらはコンプレッサーらしきもの
沢にも何かの機器が埋まっています
機器類のある場から少し登って斜面を眺めると、縦に掘られた採掘跡が有ります。
こちらは最初に見つけた坑口の先に位置するので、ここで掘ったのを下に落として先の坑口から搬出していたのかも。
そして川を挟んで反対側を向くと、こちらにも竪に伸びた鉱脈に沿って掘られたと思われる採掘跡があります。
鉱脈に沿って掘った採掘跡。
所々岩が残されて橋のようになっていますが、崩れそうで乗るのが怖いです。
採掘跡だけでなく沢を見渡すと、まだまだ上部にマンガンズリが見られます。
というわけでズリの元を探しに沢を登ってみます。
マンガンズリの上流にはやはり坑口が有りました。
雨に削られたと思われる沢沿いのマンガンズリ。
一番高い所で3~4メートルぐらいあります。
これだけのズリなので、今回見つけられなかった坑口がまだまだありそうな気配です。
沢には木造の人工物も有ったりします。
上菱鉱山の探索が終わった後は、暗くなる前に沢から脱出。
帰りは余裕が有ったので通った道を写真に撮ってみました。
どれも岩肌を掘られて道が作られており、いかにも鉱山道といった感じで良いです。
帰りがけの発見として行きには気が付きませんでしたが、途中で沢沿いに2つの祠を発見。
鉱山の山神様?
山神様にしては鉱山から離れすぎている気もしますが、既にお供え物などもないことから管理されていないようなので、鉱山関連の可能性もありそうですね。
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