鹿沼市は板荷の上都賀鉱山探索

栃木県

探索日:2024年4月12日

この日は栃木県鹿沼市の板荷にある上都賀鉱山探索に向かいました。

上都賀鉱山は以前探索を試みた鉱山。
その際は害獣除けの柵に阻まれ、山をぐるっと回ってみたもののタイムアップで終了となっています。
今回はそのリベンジ探索になります。

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上都賀鉱山については、日本のマンガン鉱床補遺に以下のように記載されています。

上都賀郡板荷村長の原
小渓谷を斜めに横断して鉱床が走っており、塊状珪岩にかかる小滝をくぐる排水坑レベルまで辛うじて鉱体が下がっていた。
(中略)
板荷鉱山の名で宝坑、鷹坑の二酸化を稼行したのが全盛期だった。筆者(日本のマンガン鉱床補遺の)訪山の時は日新工業株式会社の経営で上都賀鉱山と称していた。

この鉱山、古くは板荷鉱山を名乗り、後に上都賀鉱山となったようです。また、思慮には長原鉱山、長野原鉱山の名称も書かれているので、時期によってはこれらの鉱山を名乗ったのかもです。

ちなみに、近くには別の板荷鉱山も有ったりします。

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日本のマンガン鉱床補遺には以下の坑道図も掲載されています。

坑道図を見ると、尾根付近から沢の下部まで複数の坑口が有るようです。
探索はまず分かりやすい尾根付近の坑口から目指してみたいと思います。

 

さて、上都賀鉱山探索です。
探索は東武日光線の板荷駅からスタート。

 

目指す上都賀鉱山は正面の山のどこかに有るようです。

 

まずは山の近くの道を歩きます。
前回は害獣除けの柵に阻まれて山に入れなかったのですが、今回は柵が無かった沢から入り込んでみます。

 

沢から入ると脇にはコンクリートで舗装された林道があったので、行けるところまでここを歩いてみます。

 

しばらく歩くと沢の水が流れ込んでいるのか、林道が川のようになっています。
ギリギリ濡れない程度ですが、慎重に進んでいきます。

 

林道は途中から廃道化。
倒木が多く、乗り越えて進みます。

 

その先は林道が無くなってしまったので、尾根まで直登します。

 

所々急な場所も有るのですが、標高が低い山なので一気に登ります。

 

尾根に到達すると踏み跡が。

 

ケルンが有ったり、踏み跡脇いテープが巻かれているので、ここを歩く人はそれなりに居るようです。

 

尾根からは尾根沿いに山を登ります。
岩場も有ったりで結構大変。

 

少し登ると見晴らしの良い場所に。
低山ですが景色は良いですね。

 

尾根沿いにはズリ石なのか黒い部分が混じる石が転がっています。

 

画像ではわかりにくいのですが、人為的に削ったっぽい場所も有ったり。

 

さらに進むと岩場地帯。
その岩場の下部に穴らしき物が見えます。

 

坑口っぽいですね。

 

近づくと露天掘り跡のような坑口。

 

左側は下部へ繋がっている様子。

 

左側も少しだけ掘られています。

 

穴の有った岩場を確認しつつ、少し斜面を下ると坑口。

 

中を覗いてみると少し続いているようです。

 

奥はマンガン鉱脈に沿ってか、上部や下部に向かって掘られています。

 

坑道内には捨てられたケミカルライト。
この程度の明かりで役に立ったのでしょうか。

 

こちらは下部に続く穴。
覗き込んでみると、少なくとも一段下のレベルの採掘エリアが有るようです。

 

坑道の奥行きはこれ位。
それ程深くはないですね。

坑道図から見ると、先ほどの露天掘り跡とこの坑口が継石坑の様子。

 

さらに斜面を下りながら調べていくと、岩の周りには幾つかの採掘跡が見られます。

坑道かと思ったら、試掘程度の深さの穴。

 

試掘の穴。

 

竪坑っぽい採掘跡。

 

このエリアの斜面に落ちていた、二酸化マンガンっぽいズリ石。

 

 

そのまま沢沿いに降りていき、板荷の集落が見えてきたころに砂防堰堤。

 

堰堤の付近には大量のズリ石が出てきます。

 

ズリ石の付近を見て回ると石組を発見。

 

その石組の奥には坑口が開いています。

 

坑口から覗いてみると、水没してはいるものの立派な坑道。
結構奥まで続いているようです。

 

位置と坑道の長さから、大切坑道だと思います。

 

今度はここが大切坑道と仮定して、この沢沿いを登って他の坑口を探します。
ちなみにこれから登るのは、尾根から下ってきた沢とは別の沢になります。

沢を少し登ると再び石組が出てきます。

 

画像だとわかりにくいのですが、沢の両側から中央に向かって石組が続いています。

 

その中央部に坑口が有ったと思われるのですが、残念ながら崩落。
位置的に排水坑でしょうか。

 

崩落地点を上から見た様子。

 

さらに斜面を登っていくと複数の採掘跡。

 

岩場に沿ってちょこちょこ穴が出てきます。

 

ここは坑口と思われる採掘跡。
図面の鷹坑とかでしょうか。

 

その後も斜面上には複数の採掘跡。

 

そしてこちらが確認できた中では一番最上部の坑口。
宝坑ですかね。

 

坑口脇には立派な石英脈も。
探せば水晶とか有るかもです。

 

坑道の中の様子。
斜めに有ったと思われる、マンガン鉱脈を掘っていたようです。

 

下部側の採掘跡。
余り深くは掘って無いです。

 

坑道内のズリ石。

 

坑口側。

 

この坑道の上部にも露天掘りの様な物がすこし有りましたが、大きく掘った場所は見当たらず。

 

一通り上都賀鉱山を見たのでそのまま尾根へと登ります。

途中には良い感じに割れた岩。
神社とかに有れば、何かの謂れが付いて祀られそう。

 

尾根に到着。
ついでに近くのピークである次石山へと足を延ばします。

 

次石山。
標高472.9メートルとの事。

 

杉に囲まれていて展望は良くないのですが、頂上には祠が有りました。

 

 

本日の探索予定は上都賀鉱山だけなのですが、まだ時間が有る事と山菜取りに丁度良さそうな時期なので、古賀志山方面に向かってみます。

適当な踏み跡を下って、古賀志山側へ。
振り返ると先ほどまでいた次石山が見えます。

 

歩いていると脇の山林に怪しい石が置かれています。

 

近づいて確認したら形的に金精様を祀っているようです。

 

目指す古賀志山が見えてきました。

 

時期的に桜も綺麗です。

 

そして古賀志山の山菜エリアへ。
少しウロウロしていると早速タラの芽を発見。

 

いい感じの物をいくつか頂きます。

 

タラの芽エリアを物色した跡は、コシアブラエリアへ。

 

コシアブラは少し時期が早かったようで、まだあまり出ていません。
結構な範囲を見て回ってもこれだけ。昨年は袋いっぱいに取れたので、タイミング悪かったです。

 

山菜エリアを一通り回ったので、ついでだから古賀志山登山。
鎖場などを攻めて赤岩山方面へ向かいます。

 

古賀志山から見る景色は最高ですね。

 

赤岩山へ到達。

 

以前は北ノ峯方面へ行った事が有るので、今回は林道背中当線方面に下ります。

 

途中でパラグライダだかハンググライダーだかの滑走場を眺めたり。
ここから下界に向かって飛ぶのは気持ちよさそうですね。

 

下る途中で穴っぽい場所を見つけて見に行ったけど違ったり。

 

そして風来神社に下山し、北鹿沼駅を目指します。

 

この付近名産の鹿沼土と古賀志山。

 

古賀志山からしばらく歩いて、北鹿沼駅にゴール。

 

この日は結構な距離を歩きましたが、上都賀鉱山の探索と、タラの芽&コシアブラの山菜取りも堪能出来て楽しめました。

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