探索日:2022年3月22日
中屋敷のマンガン採掘跡の探索後は、飯能市の山王峠付近に有ったとされるマンガン採掘跡を探しに行ってきました。
このマンガン採掘跡は飯能市史資料編Ⅻに記載が有るもので、それには以下のような書かれています。
この資料は上記の文章の前に原市場や石原橋の事が書かれていることから、「山頂近く右側」というのは道の西側を位置しているものと思われます。
なお、飯能市周辺のマンガン鉱山については以下のページにまとめているのでどうぞ。
山王峠のマンガン採掘跡探索
中屋敷から石原橋を越えてしばらく歩いて山王峠に到着です。
山王峠の山頂付近に到着して嫌な予感が・・・。
この峠は近年大規模な工事をしたようで、峠の頂上付近の斜面がこんなようにコンクリートで覆われています。
もしこの辺りにマンガン採掘跡が有ったとしたら、工事により掘削されたかコンクリートで埋められている可能性が非常に高いです。
山王峠の頂上付近の全景こんな感じです。
とりあえずコンクリートの法面脇に、送電線の保守用路があるのでそこから山頂付近に行ってみます。
道としては残っているのですが、実際には写真以上に急で何度も足を取られて滑り落ちそうになります。
取り合えずコンクリの法面脇を登って山頂付近に行きますが、やはりマンガン採掘跡らしきものは見つからず。
さらに探索を続けて尾根沿いに進むと、登山道を整備している人がが居たので話しかけてみます。
その方曰く、この付近でマンガン採掘跡は聞いた事が無いとの事です。
ですが、他のマンガン鉱山跡はご存じで、龍崖山はもちろん、朝日山の三吉稲荷神社の採掘跡、天覧山の洞窟なども子供の頃に入って遊んだ事などを聞かせてくれました。
さて先の人と話した後はマンガン採掘跡を探索です。
坑口は無くなっていても、ズリ跡やマンガンを含む石など何か少しでも残っていればと思い、山王峠付近の斜面を色々と探してみます。
所々で黒っぽい石が落ちているのを見かけますが、残念ながら斜面の岩場の崩落で、マンガン採掘のズリ石では無い様子。
こちらは山王峠付近で交差している送電線。
山王峠のすぐ近くに有る、新飯能変電所から来ているとか。
探索中には良い感じに朽ちた木の橋も有ったり。
山王峠の右側(西側)を探してみましたが何もなかったので、今度は山王峠の旧道跡付近を探してみます。
旧道付近も最初は道が残っていたのですが、途中からは土砂で埋まっています。
土砂を乗り越えた先も、現在の山王峠の切通しにぶつかって消滅。
残念ながら今回の探索では山王峠のマンガン採掘跡を見つける事が出来ませんでした。
今回参考にした「資料編Ⅻ 飯能の自然~地形・地質」は発行日が昭和63年と、約35年も前の資料となっています。
ちなみに現在の山王峠は平成に入ってから工事をして、峠道をまっすぐにしたようなので、その時にマンガン採掘跡は消滅したものと思われます。
コメント