日光市の男鹿鉱山探索

日光市

探索日:2021年5月23日

 

この日は越路鉱山探索後と男鹿鉱山をセットで探索したので、越路鉱山探索後に歩いて少し離れた男鹿鉱山探索に向かいます。

日光市の越路鉱山探索
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男鹿鉱山とは

男鹿鉱山は栃木県日光市の中三依にある大面地区から、南方に1kmの国道の西側の田代山周辺に位置している。主な鉱石には黄銅鉱や黄鉄鉱がある。

男鹿鉱山には一番抗、二番坑、三番坑(大正坑)及び、通洞抗があり、それぞれの坑道の延長は、一番抗が約90メートル、二番坑が約80メートル、三番抗が約230メートル、通洞抗が約50メートルとなっている。通洞抗においては50メートルの時点で放棄したとの事。

 

鉱山の歴史としては大正時代から採掘が行われていたらしく、昭和10年から同11年までは男鹿鉱山会社として稼行し、銅鉱石を足尾鉱山、日立鉱山、細倉鉱山に売却をしていた。

昭和12年に1月に鉱業権が玉成鉱業株式会社に移譲され、選鉱設備などを備えて採掘を行い、合計で235トンの鉱石を日立鉱山に売却した。

しかし昭和13年9月の暴風雨により鉱山内外の崩壊が甚だしく、運搬用の道路が壊滅したことと、当時の採掘状況が振るわなかったことから同年10月に休山したとある。なお、日本鉱産誌では1955年(昭和30年)時点で、室田口吉太郎(牟田口かも)なる人物が探鉱中であると記載されている。

※昭和13年は8月30日から9月1日にかけて台風の被害があり、栃木県では死者8名を出したとの事。降水量は宇都宮で162.5mm、足尾で429.6mm、日光で431.8mmの猛烈な雨が降った記録が栃木県のWebサイトの「過去における主な災害一覧」に有る。

 

採掘は手掘で富鉱帯を採掘し、石油を用いた発動機にて比重による選鉱を行う設備が有ったらしいが、現在はそれらの設備は取り外されている。また、山深いことから冬季は積雪が深く、雨季には雨により山道の崩壊が多く発生し、鉱石の搬出に困難を伴っていた。

参考資料:「日本地方鉱床誌関東地方」「日本鉱産誌 I-b 主として金属原料となる鉱石」「塩原図幅地質説明書」

 

 

男鹿鉱山の場所や行き方

男鹿鉱山は栃木県日光市中三依付近の田代山西側の山中に位置します。

最寄りの駅は野岩鉄道の中三依温泉駅で、国道121号を上三依塩原温泉口駅の方に向かい、途中左手にある平沢に沿った林道にを2km程入った山の中です。

細かい鉱山の位置はネット上に書いてしまうと色々と有るので、実際に現地に行って確認してみてください。

ちなみに鉱山の周囲は人家おろか登山道すらもないので注意が必要です。

 

男鹿鉱山の探索

男鹿鉱山には越路鉱山の探索後に向かいました。

越路鉱山からは8キロぐらい離れているので、男鹿鉱山の入り口の沢までは1時間半近くかかる見込みです。

 

移動途中は所々で男鹿川を眺めながら歩きます。

たまにはこういう雰囲気の川で渓流釣りでもしたいです。

 

野岩鉄道の鉄橋と新緑の山も良い感じです。

 

歩いている道は一部区間で、国道121号、352号、400号が重複しており、おにぎりマークが3つも連なる場所もあります。

 

そんなわけで1時間以上歩いて、男鹿鉱山が有る平沢の入り口の林道に到着です。

 

平沢を入った直ぐはしっかりした道で、車も入っているようです。

 

しかし途中からはこんな道に。

これでも歩く場所が有るので、まだましな部類。

 

沢沿いをちょっと歩くと、明らかな平場が出てきます。

この程度の沢にしては比較的大規模な平場です。

建物の遺構などは見当たりませんでしたが、鉱山関係の施設が有ったのでしょうか。

 

平場を後にしてさらに沢を登ります。

この日は雨の後だったので水が多いようですが、普段はも水が少ない様子。

そのため釣り人が入った様子もなくゴミも有りません。

さらに登山道というわけでもないので、道らしきものが全くなく、沢沿いとはいえ登っていくのがとても大変です。

この先に鉱山が有ったとしたらどこかに鉱山道が有るはずなのですが、それも見当たりません。

 

岩がゴロゴロしているエリアは、足元を確認しながらいかないと岩が動いたりと危険があります。

 

岩盤エリアは足元が滑るので怖いです。

沢が狭まっている所は岩に張り付いて登っていきます。

 

そんな感じで登っていくと、岩場に穴が!

鉱山跡かと思いましたがただの窪み。

ただ綺麗な長方形で窪んでいるので、鉱山の試掘跡かもしれません。

 

さらに登っていくと斜面に穴が。

これは奥が続いているので、鉱山の坑口の様です。

ただ、画像ではわかりにくいのですが、結構な絶壁の上にあります。

岩が濡れているのと大量の落ち葉で滑落が怖いので、登るのは断念。

坑口をズームで撮るとこんな感じ。

金属を含む岩っぽい所を掘っているようです。

 

最初の坑口から50メートルぐらい先にも、さらに2つの坑口が開いています。

これは近くまで行けそうなので、斜面を登ってみます。

 

近寄ってみると二つの坑口のうち右側は試掘のみ。

左側の坑口は奥まで続いていそうです。

 

覗き込んでみます。

 

こちらは坑道として奥まで続いている様子。

手前には崩れた支保工と思われる木材や、何らかの鉄板も落ちています。

もしかしたら、過去にはこの鉄板で坑口を塞いでいたのかもです。

 

そしてこの坑口から沢を挟んだ反対側の場所には、建物の土台とみられる石積みが有ります。

 

石積みの規模や形から炭焼き小屋ではなさそう。

幾つかの石積みが並んでいることから鉱山関連施設の建物跡かなと思います。

 

さらにこの上流にも鉱山跡があるらしいので登ってみます。

少し登るとこのような場所が有りましたが、こちらは採掘跡ではなくただの窪み。

 

その後も少し先に進んでみますが沢は険しくなる一方で、体力と時間も怪しくなってきたので、余裕をもって早めに下ることに。

 

下り途中で登っているときには気が付かなかったのですが、所々で沢沿いに石積みが残っているのを発見。

一部は鉱山道の基礎のようにも思える箇所もあります。

 

男鹿鉱山ということもありなぜか左右が半分だけの雄鹿の頭骨も落ちていました。

鹿の角だけだったら欲しかったのですが、角だけを取ることが出来なかったのでそのまま置いてきました。

 

 

大分古そうではありますが、熊の爪痕の様な傷も。

 

そして無事に国道へと到達し、最寄りの中三依温泉駅へと向かいます。

駅へ向かう途中の国道も男鹿川に沿っているので、いい雰囲気の渓相を眺めながら歩けます。

途中には対岸に怪しい穴が有る場所も。

そういえば今回は時間が無く断念しましたが、この付近の川沿いに中三依鉱山なる鉱山跡が有るそうなので、もしかしたら採掘跡かもです。

 

今回のゴールの中三依温泉駅に到着。

 

中三依温泉駅では次の電車までしばらく時間が有ったので、ここにもあった駅ノートを眺めます。

パラパラと捲っていたらカラーで目立つページあるので、開いてみると洞窟や鉱山探検で有名なか~み~さんの記入が有りました。

絵のインパクトが強いですね。

 

そんなわけで今回の探索は終了です。

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