探索日:2023年5月26日
足尾銅山の本山坑の探索後は、足尾銅山の周辺にある遺構類を見て回ります。
この記事は探索日は同日ですが、見て回った順番などは順不同になります。
なおすでに回った坑道跡や遺構などは以下の記事よりどうぞ。
足尾銅山観光坑道探索
足尾銅山の宇都野火薬庫跡探索
足尾銅山の小滝選鉱所と小滝集落跡探索
足尾銅山小滝坑
足尾銅山本山坑
通洞変電所
こちらは発電所から送られてきた電機の圧力を調整し、足尾地域に配分する設備との事。
足尾銅山稼働時には古河鉱業の発電所で発電された電気がここで変圧され、各施設に配分されていたようです。
なお現在も稼働している施設で、今は当時古河鉱業が使用していた発電所を東電が運用し、足尾地域の各家庭に電力を供給しているとの事です。
道路側から。
裏手に回ってみた様子。
備前楯山
足尾銅山の有った山。
この山を中心に通洞抗、小滝坑、本山坑があり、坑道の総延長は1200キロを超えているそうです。
正面の岩には大きな穴と、索道用の柱が残っています。
索道用の柱は有越鉄索塔と呼ばれているそうで、通洞選鉱所で出た廃泥を索道によって堆積場へと運搬していたそうです。
大きな穴は聞いたところによると採掘跡ではなく、地震により採掘地が崩落した場所との事。
幸いにも夜間の崩落で人的被害は無かったとか。
今でも穴の底には削岩機などが埋まってるらしいです。
わたらせ渓谷鉄道と備前楯山。
通洞選鉱所跡
通洞エリアにある選鉱所。
採掘された鉱石の分別を行ったり、鉱石の比重を高めるなどを行っていた場所との事。
入り口はゲートで閉じられ「関係者以外立ち入り禁止」の表示が。
まだ稼働しているようで、敷地内には車が止まっていたり、作業を行っている音が聞こえます。
通洞選鉱所跡は正面からだとゲートで見れないのですが、すぐ脇をわたらせ渓谷鉄道が走っているので、その車窓からなら眺める事が出来ます。
帰りの電車では窓際に陣取って、何枚か画像を撮ってみました。
まずはシックナー。
稼働はしてなさそうですが、いくつかは水が溜まっています。
こちらは鉱所跡らしき建物。
古河橋
ドイツハーコート社製の鋼製のトラス橋。
国の重要文化財で、足尾銅山の遺構でも近代化した当時から残る貴重は橋だそうです。
探索中に会った人に聞いたら、30年ぐらい前まではまだトラックが走っていたとか。
少し前までは遊歩道として歩けたようですが、今は立ち入り禁止に。
橋関係だと、沢をまたぐ吊橋。
当時は配管などを渡していたと思うのですが、今は枠だけが残っています。
そのうち秩父鉱山の無能吊橋みたいになりそうですね。
こちらはわたらせ渓谷鉄道の鉄橋。
既に廃線となっていますが、間藤から本山製錬所へと繋がっていた区間になります。
本山製錬所
足尾銅山の銅鉱石から銅を製錬した工場。
古くは小滝地区にも精錬所が有ったが、後に本山製錬所に統合されたそうです。
足尾鉱毒事件の原因の一つにもなった工場で、精錬所からの排煙、鉱毒ガス、鉱毒水などで周囲の山の木が枯れてしまったり、渡良瀬川流域が汚染された負の面を持つ遺産でもあります。
付近には稼働時の写真も飾られていました。
対岸から眺めた本山製錬所の様子。
建物の他、大きなタンクや、貨物列車が止まったであろうホームらしきものが見えます。
こちらはホッパー的な建物でしょうか。
大きな鉄製の機器。
奥には本山製錬所の大煙突。
過去に本山医局なる病院も有ったようです。
間藤水力発電所
足尾銅山で使用する電気を発電するための水力発電所で、明治23年に作られたとの事。
水は松木川上流と深沢川からの水を使用し、31.8メートルの落差を使用して発電していました。
こちらは発電所に水を落とす鉄管。
川の中には発電所の物と思われる、レンガ造りの基礎や遺構が残されています。
なお、間藤発電所の対岸には、本山小学校が有ったそうでパネルが飾られていました。
足尾銅山の社宅跡
本山エリアにも足尾銅山の社宅が有ったらしく、複数の場所に案内板が有りました。
場所によってはこのような壁も残されていたり。
こちらは社宅を火事から守る壁で、社宅と社宅の間に建てて火事の延焼を防いだそうです。
その他
残りは足尾銅山周辺で見かけた雑多な物。
割と立派な滝
松木川の砂防エリア
砂防エリアから見た足尾銅山付近
キャン沢
わたらせ渓谷鉄道の間藤と本山製錬所間の廃線
山中に有った坑口らしき穴?
通洞付近の川の様子
間藤駅付近に有った、歴史ありそうなレンガ造りの建物
ゴールの間藤駅
帰りはこの電車で桐生駅まで向かいます。
宇都野火薬庫跡付近で拾った鹿の角は、グローブで包んでお土産としてお持ち帰り。
というわけで今回の足尾銅山探索は終了。
家から遠いのでなかなか行くのが難しいのですが、足尾エリアはまだまだ探索したい場所が多いので、機会を見てまた来ようと思います。
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