探索日:2023年5月26日
足尾銅山観光坑道探索の後は、備前楯山をぐるっと回って足尾銅山の様々な遺構群を見て回ります。
まずは小滝方面へ向かい、足尾銅山の採掘に使用するダイナマイトを貯蔵していた、宇都野火薬庫跡を探しに行きます。
庚申山碑の所から小滝方面へ進みます。
暫くは川沿いに歩きます。
沢を見下ろすと渓流釣りには良さそうなポイントが見られます。
暫く歩いて宇都野火薬庫跡があると思われる付近から山に入ります。
山に入って直ぐに、広い敷地が出てきます。過去には何か施設が有ったのでしょうか?
このエリアをウロウロしていたら、立派な鹿の角を発見します。
いいお土産が出来ました。
平場エリアから山に入ってみると、レンガ造りの壁を発見。
近づいてみるとかなり立派です。ここが火薬庫でしょうか?
入り口から中へを進んでみます。
レンガの壁の中には潰れた小屋の残骸が。
探索後に確認した資料によると、ここは火薬庫では無く、加工品貯蔵庫とその防火壁の跡の様です。
そのためなのか、倉庫自体は余り頑丈では無かったようですね。
加工品貯蔵庫を後にして道を進んでいくと、石造りの小屋が出てきます。
こちらが火薬庫。位置とサイズ的に第一号庫。
後ろからの様子。
周囲は土堤に囲まれており、通用口と思われるトンネルが掘られています。
正面から。
こじんまりとした感じが良いですね。
お隣に向かうと少し大き目な火薬庫が出てきます。
こちらが第二号庫。
サイズ的には第一号庫の3つ分ぐらいでしょうか。
後ろからの様子。
更にその隣の第三号庫。
こちらは第二号庫と同じ造りになっています。
第三号庫はブルーシートが有ります。
何か資材でも覆っていたのでしょうか。
脇には屋根瓦が積まれています。
第三号庫の屋根は瓦が使われていたようです。
そして最後の第四号庫。
こちらはレンガで作られています。
石造りの火薬庫も良いですが、レンガ造りもまた良いですね。
中にはドアらしき木製の残骸が残されています。
今度は土堤側から。
土堤にはトンネル状の通路が造られています。
ドアはコンクリート製です。
正面から。
ドアが開いているトンネルはこんな感じ。
トンネル自体はしっかりと残っていますが、中は落ち葉が深く堆積していたのでトンネル内には入らず。
トンネルの通路を抜けると、このように火薬庫へと到達できます。
さて今回探索した日本都市計画学会都市計画論文集の『産業遺産としての足尾銅山宇都野火薬庫の特徴』を参考にすると、宇都野火薬庫の各倉庫は以下の用途で有ったようです。
第一号庫
明治45年5月に作られた雷管倉庫
第二号庫
明治45年5月に作られた緩燃導火線と黒色火薬庫
第三号庫
明治45年5月に作られた爆薬倉庫
第四号庫
大正6年2月に作られた爆薬倉庫
加工品貯蔵庫
大正10年2月に作られ、当初は袋詰め作業所だったものを昭和9年7月に建て直し、緩燃導火線の貯蔵となる。
というわけで宇都野火薬庫探索を終了。
また山の中を経由して道に戻り、お次は小滝選鉱所付近を目指します。
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