探索日:2022年2月23日
天覧山のマンガン鉱山跡と思われる洞窟探索後は、ツイッターにてフォロワーさんに教えてもらった日高市は高麗本郷付近の井尻谷(イジリヤツ)にある謎の穴を探しに行きます。
高麗本郷というと以前に探索した高麗本郷のマンガン採掘跡も比較的近くに位置しています。
ちなみに、今回紹介するマンガン鉱山以外の日高市や飯能市周辺のマンガン鉱山は、以下のページでもまとめているので良かったらご覧ください。
さて、井尻のマンガン採掘跡探索です。
向かった先は高麗本郷から小瀬名方面に抜けるイジリヤツ沿いの登山道です。
イジリヤツの名称は山と高原地図の奥秩父・武蔵版に載っており、どうやら井尻に有るヤツ(谷間)という意味の様です。
井尻谷の登山道に入り少し進むと、登山道脇に早速穴が出てきます。
その周囲にもいくつかの穴が有ります。
どうやら現在登山道となっている尾根に沿って掘られている様子。
画像だとわかりにくいですが、登山道沿いの斜面に、いくつかの穴が開いています。
現在はほぼ埋まっており、隙間程度しか開いていませんが、こんな感じの穴がちらほら。
この杉の木の根元に有るのが一番大きな穴。
この穴は人が入れるほどなので、少し潜って中を見てみます。
奥はこんな感じで岩盤まで到達しており、さらにそこからは横に掘っている様子。
もしかしたら中で横の穴に繋がっているのかもです。
他の穴も覗き込んでみますが、大半は生活ごみと思われるものが押し込められてます。
最初の穴エリアから少し離れたところにも、登山道の斜面沿いに穴が見られます。
穴沿いに落ちていた石はこんな感じ。
ちょっと明確にマンガン鉱石だとはわかりにくい石ばかり。
少し離れたところに有った沢沿いの石はこんな感じ、チャートやマンガンを含んでいるのか黒い石が見られます。
ちなみに、マンガンを掘ったと思われる穴が有るのは、見た限り高麗本郷付近のみでした。
少し進むと登山道脇の木に、こんな案内が張られていました。
黒尾根という名前、いかにも尾根沿いに黒い石が有りますという雰囲気ですね。
井尻谷歩いていると沢沿いに、石組が有る場所も見られます。
昔はここで畑や水田などを作っていたのかもですね。
こちらは分かりにくいですが、石を組んで作られた貯水槽の様な物。
井尻谷沿いを一通り探索したので、登山道を先に向かいます。
このまま登山道を登ると、小瀬名を抜けて権現堂方面に抜けられるようです。
権現堂まで行くと、中野土山鉱山なるマンガン鉱山や、権現堂鉱床なるこれまたマンガンを採掘していた場所が有るようなので、事前準備無しですがそちらも探索してみようと思います。
イジリヤツからのこの登山道、踏み跡はしっかりあるのですが、人気が無いのか誰も人とすれ違わず。
小瀬名付近まで来るとさらに道もしっかりし、他の登山道とも合流するので登山者の数も増えてきます。
こちらは登山道脇に有った廃墟。
見た感じ、昔は茶屋でもやっていたような感じです。
廃墟はトタンが外れていたところが有ったので、そこからちょっと中を覗き込んでみます。
廃墟の中も人が住んでいた建物というより、登山客相手に飲食を提供していた店の様な作りです。
そのまま立派な切通しを抜けて北向地蔵に到着。
北向き地蔵の周辺には先に書いた幾つかのマンガン採掘跡が有ったそうなので探索しますが、それらしいものは見つからず。
探索途中で比較的年配の山作業をしていた方が居たので声をかけてみます。
すると、その方は中野土山鉱山の中野地区と土山地区の坑道の場所を知っているとの事。
地図上でおおよその位置と、坑道の数を教えてもらいました。
その方から情報を仕入れ、鉱山が有ったと思われる場所を探索しましたが、この日は何も見つからずタイムアップ。
また時間を改めて、探索に来たいと思います。
さて今回探索したイジリヤツのマンガン採掘跡。
家に帰ってからもう少し情報は無いかと手持ちの資料を探ってみます。
すると「埼玉県下に於けるマンガン鉱予備調査報告書」に、以下の画像の様な高麗の井尻にて酸化マンガンを採掘していたとの記録が。
今回の場所がこの資料にある採掘場所だったかは分かりませんが、この近辺でマンガンが採掘されていたことは確かなようです。
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