桐生市の茂倉沢鉱山舟ヶ沢坑再訪

桐生市

探索日:2024年6月10日

忍山鉱山探索後は、茂倉沢鉱山舟ヶ沢坑へ。
今回は某先生を案内しての探索になります。

桐生市の忍山鉱山探索
探索日:2024年6月10日 岡平山神宮脇の採掘跡を探索後は、お会いした方の案内でマンガン鉱山跡地へと向かいました。 案内された場所は住宅地裏手の山。 このお宅の裏手のこの位置に、かつてマン...

 

ちなみに私一人では数年前に探索済み。
前回の茂倉沢鉱山舟ヶ沢坑探索記事はこちら。

桐生市の茂倉沢鉱山舟ヶ沢坑探索
探索日:2021年5月2日 茂倉沢鉱山の坑道を探索後は、同じ茂倉沢鉱山の舟ヶ沢坑を探索しに行きました。 この記事の探索は茂倉沢鉱山の舟ヶ沢坑で、鈴木石や長島石が採集できるいわゆる茂倉沢鉱山(南入抗)はこちらになり...

 

さて探索です。茂倉沢鉱山舟ヶ沢坑へは車道脇の小さな沢から入ります。
鉱山の名称的にこの沢が船ヶ沢なのでしょう。

 

すこし登るとズリ山らしき物が出てきます。
前回のソロ探索時は尾根越えの別ルートだったので前回は気が付きませんでした。

 

杉の木に二丁目のマーキングが。
林業用なのか、非公式ながら仙人ヶ岳の登山道にでもなっているのでしょうか。

 

沢をしばらく登っていくと、石組が出てきます。
平場も有るので鉱山施設跡でしょうか。

 

石組を過ぎた付近から周囲にズリ石が増えてきます。

 

最後の斜面。
ここが割と急で、足元はズリ石が多いので登るのが大変。

 

茂倉沢鉱山舟ヶ沢坑のある岩場に到達。
目指す鉱山はこの岩場の中腹に有ります。

 

前日の雨で岩場は濡れているので、慎重に登っていきます。

 

岩場を登っていると坑口を発見。
こちらは前回の探索では気が付かず。同じ鉱山でも何度か来ると新しい発見が有りますね。

 

坑口の奥は結構繋がっていそうです。

 

この坑道は先生が調査するとの事。

 

坑道内を先生に任せて、私はさらに上部の採掘跡を目指します。

 

坑口脇の岩場には削岩機のロッドか長いタガネらしき物が刺さっています。

 

さて上部へと進みますが、ここからはロッククライミング状態。
濡れた斜面に気を付けつつ、ロープを使いながら慎重に進みます。

 

岩場を登りきると、この鉱山最大の見どころ?の平行に掘られた採掘跡。
竜頭とか残柱などと呼ばれる、岩の柱が無数にあり、ギリシャ時代の神殿の様です。

 

 

採掘跡前には平場も有ります。
ここで作業を行っていたのでしょう。

 

平場の下は崖なので怖いですね。
この採掘跡から鉱石などはどのように降ろしていたのかも気になります。

 

 

採掘跡の外側を眺めたので、今度は内部へ。

 

平行な採掘跡。

 

竜頭(残柱)。
採掘していたマンガン鉱脈を残した部分なので、高品位のマンガン鉱石なのだと思いますが、崩したらアウトなので触らないようにします。

 

採掘場所から、坑口付近を眺めた様子。

 

画像では分かりにくいのですが、場所によっては奥に掘られ、坑道状になっている場所も。

 

いらない石を避けたのか、坑道内には石組も。

 

採掘エリア、北東側(上部側)は比較的平行なのですが、南西側(下部側)は下へと傾斜しています。
場所によっては傾斜がきつく降りるのが怖い場所も有ります。
採掘エリアをたどっていくと、最初に有った一番下部の坑道に繋がっているのだと思います。

 

この水平採掘エリアの探索動画はこちら。

桐生市の茂倉沢鉱山舟ヶ沢坑の水平坑道の動画

 

このエリアのさらに先も採掘跡が有るのですが、今日は濡れていて危険なのでここまでにして岩場を下ります。
今度は最初に有った坑口を探索。

 

岩場を下って最初の坑口へ。

 

こちらは既に先生が一通り探索したとの事で、一緒に坑道内に入ります。

 

少し進むと上部から岩や木材が崩れ落ちてきている場所が有ります。
どうやらこの付近が、先ほどの上部の採掘跡と繋がっている様です。

 

坑道内にはマンガン鉱脈が褶曲している場所も。

 

坑道は思ったより続いています。

 

坑道内には手袋が落ちています。
先行者の落とし物でしょうか。

 

坑道はこんな地形の場所を掘り進んでいます。
見た感じ両側とも黒い石なので、マンガン鉱脈の中を掘っているようですね。

 

埋め戻されてはいますが、下部に掘った跡も残っています。

 

坑道内の石組。

 

採掘エリア下部の坑道という事で、通洞や大切坑的な坑道かと思ったら、意外にもクネクネしたり高低差が有ったり。
どうやら通洞とかでは無く、採掘用坑道だったようで、鉱脈を追って複雑な進み方をしています。

 

さらに奥には上部が掘られたホール状の採掘跡も。

 

そしてホール状のエリアには様々な残置物が。

 

金属製のカッチャ。
柄は腐ってしまったのか見当たらず。

 

鉱石集め用と思われる、金属製のチリトリ状の物。

 

酒の瓶と何らかの金属棒。

 

BREWと読めるので、何らかのお酒瓶の様です。

 

坑道内に残された鉱山稼行当時の遺物。なかなか貴重ですね。

坑道はこちらのホールで終わっていたので戻ります。
戻りがてら、分岐が有ったのでそちらも見てみます。

 

分岐先の坑道。
ここで地質が違うのか、左右の壁面が全く違いますね。

左側は削った様に綺麗な平面。

 

奥には階段があり、坑道は1メートル程下に続いています。

 

しかしその先は、崩落で閉塞。
どうやらこの先も上部の採掘エリアと繋がっていたと思われます。

 

坑道内探索の動画はこちら。

桐生市の茂倉沢鉱山舟ヶ沢坑の下部坑道内の動画です

 

 

茂倉沢鉱山舟ヶ沢坑の探索後に改めて資料を調査したら、『国内鉄鋼原料調査 第1報』に舟ヶ沢坑の坑道図が有りました。

坑道図によると今回我々が入った坑道が4号坑道になるようです。

ちなみに1号坑、2号坑、3号坑の有る場所は今回濡れた斜面で危険なため行きませんでしたが、過去の探索画像からすると以下の場所がそれぞれの坑道に当てはまるようです。

 

というわけで茂倉沢鉱山舟ヶ沢坑の探索は終了です。
茂倉沢鉱山舟ヶ沢坑も2回目の訪問でしたが、新たな発見があり面白かったです。

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