吉見町の金堀穴探索

吉見町

探索日:2024年2月15日

岩殿鉱山を探索後は、吉見観音の裏手にあるという金堀穴を探しに向かいます。

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金堀穴とは

金堀穴とは吉見観音の裏手にある、何かの金属を採掘した跡とされる穴です。
噂によると岩殿鉱山とも吉見観音の地下で繋がっているというような話もあるようです。

金堀穴に関しては「吉見町史 下巻」に以下の記載があります。

吉見観音の近辺には金堀穴・岩殿鉱山という跡があって、それぞれの由来がある。
金堀穴は、観音の境内を北の方へ通り抜けて、真裏に有る道路を横切り、急こう配を生い茂る雑木や篠に取りすがって降りる。少し進むとだんだら坂の杉林で、中ほどには清水の流れる小渓もあり、昔はさわがにが沢山取れたので、遠足で訪れた小学生たちは、大抵ここまで来たものである。この坂の中程に大きな洞窟が開口している。地元では「金堀穴」と呼んでいるが、これが「権穴」だと一般的には勘違いされている。
間口二・三メートル幅だが、次第に降りる奥行きの深さは分からない。左右上下とも広くなり、絶えず冷たいしずくがたれて、黒い岩屑がざくざくと足元が悪く、地元の人でさえもほとんどよりつかない。石を投げこむと蝙蝠が羽音高く何匹も飛び出して驚いた、とはなす古老もいる。

洞窟近くに、小高い岩塊があり、切り崩してみると全部岩屑を積み上げたものである。この間近に深い古井戸も有り、急斜面を平らにした様子もあり、穴掘人夫の仮の小屋跡とも考えられる。
穴その物はとうてい人の住めるところではないので「権」が人目を忍んで住んでいたはずないが、そんな伝説が生まれても不思議ではない。

ちなみに所々に出てくる「権」や「権穴」とは、昔に権なる盗賊がおり、権が隠れ住んでいた穴が権穴とされています。
ちなみに権穴らしき場所は、この金堀穴の探索後に見つけています。

 

金掘穴探索

さて金堀穴の探索です。
まずは吉見観音の裏手の道を歩いてみます。

道自体はしっかりとしているのですが、途中にはこんな倒木も。

どうも直近に倒れた様です。

 

そんな道を歩いてみましたが、金堀穴の方へ行ける場所が有りません。
しかたが無いので、藪漕ぎをして探索します。

 

藪に入ってしばらく歩くと斜面が出てきます。
この辺りまでは吉見町史の内容に沿っているので、そのまま進んでみます。

 

暫く斜面を進むと、穴らしき怪しい場所を発見。

 

近寄ると穴が出てきました。
位置の状況的に、ここが金堀穴だと思われます。

 

露頭から掘り込んだ形でしょうか。
普段マンガンの鉱山跡ばかりを探索しているので、こういう掘り方は少し新鮮です。

 

坑口付近からの様子。

 

坑口付近は岩が脆そうでちょっと怖いですね。

 

坑道内を確認すると入る事は可能なようです。

 

とりあえず金堀穴の中を探索。

 

入って直ぐに左側に坑道が有ったようですが、狸掘りなのか埋まってしまったのか。

 

近寄ってみたら水が溜まってしまっています。

 

正面には鉱脈なのか、岩に黒い筋が見えます。

 

右側も坑道が続いていた様子。

 

周囲の岩盤の様子。

 

この辺りは礫岩の層なのか、黒い石の様な物が含まれています。

 

ズリ石と思われる足元に落ちていた石。
錆が出ていて金属を多く含んでいるようです。

 

右手側にも坑道が続いていますが、こちらも狭いですね。

 

こちらにも穴が有りますが、水が溜まっている様子。

 

こちらにも穴。

 

一通り軽く見たので、改めて動画を撮りつつ再確認・・・
と思ったら天井付近で蠢くものが。

カマドウマなら余裕なのですが、蠢いていたのは大ゲジの群れ。
害は無いとはわかっているのですが、未だにこいつらには慣れないので、早々に撤退です。

 

大ゲジに恐れをなして金堀穴から撤退。
せっかくなので周囲を探索すると、斜め下に穴らしきものが有るのを見つけます。

 

斜面を下ってみると、こちらも坑口の様子。

 

近寄ってみます。

 

坑口付近から覗いてみましたが、土砂で埋まっていますね。

 

こちらは金堀穴付近に落ちていたズリ石。
茶色い部分は銅とかの金属でしょうか。

 

というわけで金堀穴の探索終了。
この穴がなんの穴かは不明でしたが、明らかに人の手によって掘られた穴であるのは間違いなさそうです。
埋まっていたものの、金堀穴の坑道が吉見観音方面に伸びていたので、岩殿鉱山と繋がっていたというのはまんざら嘘では無さそう。
もしかしたら岩殿鉱山の鉱区なのかもですね。

お次は、吉見町史にも出て来た権穴を探しに向かいます。

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