長瀞町の荒川沿いにある金石銅鉱山探索

埼玉県

探索日:2021年5月15日と2023年2月3日

 

金石銅鉱山とは

金石銅鉱山とは埼玉県秩父郡長瀞町本野上の荒川沿いの崖に有る銅の採掘跡です。

坑口は3つありそれぞれは中で繋がっているが、そのうちの一つは20メートル近く先まで坑道が続いている。地元の人の話だとさらに続いており、当時の郵便局下付近まで掘られていたようだが詳細は不明との事。

金石銅鉱山はどの時代から採掘が行われていたかは不明だが、明治19年に新谷六三郎なる人物が職人3名を連れてきて銅を採掘した記録が残っている。大正4年にも武蔵鉱山が採掘のために地元の住人と運搬路確保に契約を交わした土地の借用書が残っているとの事で、この時は本格的に採掘が行われていた様子。

参考:『埼玉県長瀞地域における自然銅の分布・産状および採鉱記録』『長瀞町誌長瀞の自然』

 

金石銅鉱山への探索は2021年5月15日と2023年2月3日の2回行っています。
まずは2021年5月15日の探索になります。

 

2021年5月15日の探索

野上銅山の上みの坑探索後は、荒川沿いにある金石銅鉱山を探しにいきます。

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今回も埼玉県立自然の博物館研究報告である「埼玉県長瀞地域における自然銅の分布・産状および採鉱記録(PDFファイル)」を元に探索します。

 

 

 

金石銅鉱山探索

金石銅鉱山の探索ですが、まずは荒川にかかる金石水管橋から川の様子を観察。

 

この辺りは川沿いにキャンプ場もあり、川にも人が多いです。
幸い金石銅鉱山はキャンプ場とは反対の岸際なので、人目を気にせず探索できそうです。

 

金石水管橋脇から河原へ降ります。
長瀞の岩畳からは離れていますが、観光名所だけあって川の雰囲気も良いですね。

 

川の景色を眺めながら川沿いを歩いていきます。
最初は歩きやすかったのですが、途中からこんな岩場を越えていきます。

 

岩場と格闘しながらしばらく進むと、川沿いの崖にそれっぽい地層も見え始めます。

 

そして、金石銅鉱山の坑口を発見。
荒川沿いとの事でまだ存在しているか不安でしたが、しっかりと残っていました。

 

坑口の上部はこんな感じの崖なので、上から岩が崩れてくるのが怖いです。

 

ちなみに対岸はこんな感じで派手に崩れてました。

 

さて金石銅鉱山の坑道の方はと言いますと、入って直ぐに分岐しています。

 

右側の坑道は見た感じ10メートルぐらいは繋がっています。
ただ荒川の増水で入り込んだとみられる泥が堆積しており、トレッキングシューズでは入れず。

 

左側も坑道が有るようですが、こちらも崩落か川からの土砂が入ったかで埋まっているようです。

ちなみにこの左側の奥も昔は繋がっており、別の坑口が有ったらしいです。
ただ今回は他の坑口に気が付かず。

 

 

坑道の中から坑口側を見るとこんな感じ。
草が生えていなければ、荒川の流れを眺める事が出来ると思うのですが残念。

 

この坑道は石灰だかなんだかのの成分も多いようで、壁面に色々な鍾乳石の様な物が生成されていました。
横に沢山のヒダヒダ。

 

こちらは縦のヒダヒダ。

 

もう少し成長すればつらら状の鍾乳石になりそう。

 

石英の鉱脈も見られました。

 

坑道の中では銅らしき成分は見つけられませんでしたが、坑口の外に有った石には銅っぽい錆の浮かんだ石が落ちていました。

 

金石銅鉱山後は坑口の外で川を眺めながら休憩。
ここは長瀞のライン下りやラフティングのコースになっているようで、結構の数の舟やゴムボートが下っていきます。

 

今回の探索ではメインとみられる坑道を発見することができましたが、実はその奥にも坑道が繋がっておりいくつかの坑口が有る事を知らなかったので、次回来ることが有ればそれらの坑口も探したいと思います。

 

この後は古沢の銅採掘跡を探しに行きます

長瀞町の古沢銅採掘坑跡探索
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2023年2月23日の探索

埼玉県立自然の博物館の見学後はせっかくなので近くに有る金石の銅採掘跡を再訪しました。

今回は冬の探索なので川も草が生えておらず歩きやすいです。

 

ですが、銅採掘跡に向かうにはこんな岩場を越えていかねばなりません。

 

そして坑口に到着。

 

まずは前回見つけられなかった他の坑口を探します。
するとすぐ隣に坑口らしきものが有りましたが、残念ながら上部からの落石により崩落。

 

坑口の上部の崖はこんな感じで崩れています。
この崖の上に有る家も崩れそうで怖いですね。

 

といっても現存している坑口上部もこんな状態なので、いつ崩れるかはわからないのですが・・・。

 

さて現存坑口戻って中を探索。
この銅採掘跡は3つの坑口があり、中で1つに繋がっていたとの事。
先ほど坑口が潰れていたのは確認したので、中で繋がっている場所を探してみます。

坑道内はメインのまっすぐの坑道の他に、左側にも坑道があるのでそちらを確認してみます。

 

左側の坑道は崩落や川の増水時に流れ込んだゴミなどで埋もれています。

 

それでも隙間を覗くと奥に続いている様子が見られます。
ただ人が通れるような広さでは無いので、覗くだけしかできず。

 

左の坑道は確認できたので今度はメインの坑道。
こちらも見える範囲では余り続いていないように見えますが、数百メートルは続いていたとの記録もあるようです。

 

坑道内部は川の増水時に流れ込んだと見られる泥ですが、行けるところまで行ってみようと思います。

 

まずは慎重に数メートル進みます。
メイン坑道は狭いながらもある程度は続いているようです。
それと、少し先で右側に分岐らしきものが見えます。

 

さらにちょっと進みます。
やはり右側に分岐もしくは広くなってるエリアが有るようです。

 

所がこの付近でトレッキングシューズが泥に埋まってしまい、動くのが困難に。
この先は長靴が無いと対応が難しそうなのでここで退却です。

 

次いでなので坑内の様子。
石灰岩が水の影響を受けて鍾乳洞の様になっています。

 

これは木の根が溶けた石灰に取り込まれてる様子。

 

坑道内は比較的近年にも採掘が行われたようで、削岩機のロッドの跡らしき穴も残っています。

 

こちらは染み出た動画青く錆びて綺麗です。

 

ここは銅の鉱脈が有った場所の様です。
真ん中の金属を含むと思われる層があり、その脇には錆びてエメラルドグリーンになった銅が残っています。

 

というわけで金石の銅採掘跡探索は終了です。

 

この後は銅の入り沢で前回見つけられなかった坑道の探索に向かいます。

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