探索日:2021年5月15日
秩父市の金山鉱山跡探索後は、秩父鉄道に乗って少し移動し長瀞駅へ。
ここからは長瀞付近を中心に、埼玉県立自然の博物館研究報告である「埼玉県長瀞地域における自然銅の分布・産状および採鉱記録(PDFファイル)」を元に、いくつかの銅採掘跡を探索します。
ちなみに場所を特定する情報は、上記報告書にいくつか出てくる内容と上記報告書にちょこっと載ってるこの地図のみ。
(埼玉県長瀞地域における自然銅の分布・産状および採鉱記録より引用)
地図も結構荒く細かい場所が特定できませんが、事前にネットでいくつかの地図と照らし合わせておおよその位置を特定して向かいます。
探索中は位置が分からず大変なのですが、その分坑口を見つけるとかなりテンションが上がります。
まず最初は野上銅山(野上鉱山)のいくつかの坑口を探しに行きます。
最初は野上銅山上みの坑を探しに山に入りますが見つからず。
(天神入坑探索後、別方向から山に入ったら見つかったので上みの坑はこちらの記事で)
そこで今度は山の反対側に向かい、野上銅山の天神入坑を探しに行きます。
探索の方は長瀞駅から開始。
5月中頃の観光には良い時期なのですが、新型コロナウイルスの影響で駅前も閑散としています。
列車を降りて駅前で準備などをしていると、私の乗った列車に遅れること少し、先ほど和銅黒谷駅に来ていた石灰運搬トロッコもやってきました。
折角の長瀞なのですが宝登山や岩畳には目もくれず、長瀞エリア最初の目的地である、野上銅山を探しに山へ向かいます。
凡そ目星をつけた沢を登っていきますが鉱山らしいところは見つけられず。
廃墟化している手作り風の小屋なども見受けられますが、廃墟は余り興味ないのでスルー。
沢をしばらく登っていると何かの構造物。
最初は釣り堀跡か鉱山の沈殿槽かと思いましたが、どちらもちょっと作りが違います。
この構造物現地では謎でしたが、帰宅して調べたらどうやら長瀞名物阿佐美冷蔵の天然かき氷を作るためのプールだそうです。
さてこの沢を上部まで登ってみましたが、鉱山が有る雰囲気ではないので下っていきます。
沢沿いの道を下っている途中に、行きには気が付かなかった怪しい崖を発見。
よく見ると崖の真ん中に怪しい層が走っています。
怪しい層の地質は先に見た、秩父市の和銅採掘遺跡の露天掘り部分の地質に似ていますね。
地層の部分に近寄ってみると、なんか人為的に穿ったような部分も有ります。
近くに落ちていた石には銅っぽい成分も含まれています。
そして、この崖の付近の沢だけ石積みで補強されています。
ここでは大規模な採掘跡は見当たりませんでした、試掘的に露頭部分を採掘していたのかもです。
地層を後にしてさらに下っていくと途中の斜面に怪しい石垣を発見。
作業用と見られる道も有るのでここから登ってみます。
結果としてこの斜面は外れ。
しばらく登ってもそれらしきものは無いので、尾根の反対側に降りて沢沿いを探っていきます。
沢沿いを歩いていくと岩が見え、その下に怪しい空洞が。
近づいてみると、人為的に四角く掘られた穴。
どうやら目指していた野上銅山の天神入坑の様です。
この坑道も中はカマドウマ天国だったので中には入らず。
時期的な物も有るかと思いますが、秩父と長瀞の穴はカマドウマが多すぎます。
この坑道が採掘してたとみられる部分はこんな感じの地層になっています。
先ほどの崖の地層の地質と似ていますね。
坑口を後にしさらに進むと岩の下にこんな隙間が。
ここも坑口かと思って近づいてみましたが、ここは坑道を掘らず表から銅を含んでいた層を掘っていたようです。
そんなわけで野上銅山の天神入坑を発見。
さらに別の坑口が無いかと沢を登っていくと、最初に発見できなかった野上銅山の上みの坑を発見します。
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