桐生市は黒保根地区の熊の沢と沢入林道探索

桐生市

探索日:2024年3月11日

この日は某先生と桐生市は黒保根地区にある、昭和鉱山奥山鉱床を探しに向かいます。
前回は昭和鉱山奥山鉱床が有るエリアを下見したので、今回は是非とも発見したいところです。

遠くの男体山と思われる山には雪がかぶっています。
この先向かう黒保根地区には雪が無いと良いのですが・・・。

 

先生の車に乗る事約3時間で、旧黒保根村の上田沢の奥地に到着。
事前調査の結果からこの林道の奥地に奥山鉱床がある可能性が高いので、今回はこの林道を進みます。

 

林道の脇には良い感じの渓流が流れています。
渓流釣りにも良さそうな淵が連続しています。

 

林道に入ると直ぐの斜面に怪しい道らしきものが見えますが、まずはメインの林道を進みたいと思います。

 

メインの林道は荒れてはいるものの、幅も広く比較的しっかりと作られています。

 

沢の対岸には怪しい石組も見られます。
鉱山が有ったとすれば沢沿いに鉱山道が有ったはず。

 

更に林道を進みます。

 

途中で鹿の骨が落ちていたり。
自然死なのか、猟師が解体した後なのか。

 

ふと眼下の渓流を見てみると、巨大なパイプ製のスリットダムが。

 

名前は熊の沢ダムとの事。
普通の砂防ダムなのに名前が付いているのは珍しいです。
ダムの名前が熊の沢ダムということは、この沢の名前も「熊の沢」なのでしょう。

 

ちなみに林道はこのダムの所で終点。
やけに道幅も広くしっかりした林道だと思ったら、このダム建設用に作った林道だったのですね。

ダムの先も進めるか確認をしたところ、かなり古いトラロープがかけられているのを見つけます。
ただ斜面の状況やロープの痛み状況から進むのは危険と判断して戻る事に。
ロープがかけて有るという事は、沢登りの人や渓流釣りの人はさらに先の沢にも入って行くようです。

 

歩いてきた林道を戻るがてら、最初に見つけた怪しい道らしきものも確認してみます。

 

少し進むと断崖絶壁を削ってあり、人為的に作られた道となっています。
ちょっと鉱山道っぽいので期待が持てます。

 

怪しい道を進むと先は植林地帯。

 

さらに道は続くので進んでみます。

 

途中に祠が有りましたが、道の方向が目指しているエリアからどんどん離れるので戻る事に。

 

切り立った斜面を削って有り、道自体は良い感じの山道です。

 

林道から戻ってからは、車に乗って移動し別の場所からアプローチを考えます。
移動途中で炭焼きをしている年配の方が居たので、情報収集がてら話しかけてみます。

話していると以下のかなり有力な情報を教えてもらえました。

  • 我々が昭和鉱山奥山鉱床が位置すると予想した場所はあっている。
  • パイプのダムの沢の先に奥山鉱床があるが、沢の両側は切り立っていて行くのは無理だと思う。
  • 当時もあの付近は通行に難儀したと聞いた。
  • 昭和鉱山奥山鉱床鉱石の運び手を担った方がまだ存命している。(お名前とご自宅を伺いました)
  • 鉱石は木ソリで運んだ。木のソリは男性一人がソリ道を降ろしていた。
  • 林道の入り口付近の橋のたもとに貯鉱場があり、そこからは4トントラックで運んでいた。
  • 我々が前回行った沢の奥には銅を掘っていた場所があり、いくつもの採掘跡がある。
  • 上記の銅採掘跡は、足尾銅山から繋がっている鉱床だという話だが、あまり銅は採掘されなかった。
  • もし、昭和鉱山奥山鉱床に行くなら別の場所から山越えで行く方が安全だと思う。

 

地元の方からの情報をいただけたので、地図を確認しながら尾根越えで行けそうな場所を探し、そちらに向かいます。

 

移動して今度は沢入林道へと入ります。
車で行ける場所まで向かい、そこからは徒歩で尾根上を目指します。

 

こちらも広く作られた良い林道です。
ここもやはり何かの作業用に整備されたのでしょうか。

 

しっかりした林道なので歩きやすくて良いですね。

 

林道には時折二酸化マンガンが落ちています。

 

こちらは先生が見つけて割ったマンガン鉱石。

 

後日資料を見たら、林道付近にも昭和鉱山関連と思われるマンガン鉱床が存在したとの記録が有りました。
機会が取れたらこの付近も探してみたいですね。

 

され林道をしばらく歩き、林道の終点付近から沢へと入ります。
地形図を見ると方角と斜度的にここを上がるのがベストな感じです。

 

細い沢を登り、砂防堰堤を巻いていきます。

 

途中からはこんな枯沢をひたすら登ります。

 

沢の石を見ながら登っていくと、時折石英脈の入った石が有り、場所によっては小さいながら水晶も見られます。

 

あと一部マンガンが多い場所が有ったり。
実はこれ、後の探索で発見するのですが、この枯沢沿いにもマンガンの採掘跡が存在していました。
そのマンガン採掘跡に関しては別の記事にて。

 

さてひたすら枯沢と斜面を登ります。
画像ではわからないのですがかなりの斜度。場所によっては手足を使って四つん這いでないと登れないほど。

 

上から見下ろすとこんな感じ。
下の方に斜面を登る某先生が写っています。

 

斜面を登り始めて数十分。
やっと尾根が見えてきました。

 

尾根に到着。

 

近くの防獣ネットに絡まって死んでしまったと思われる鹿の頭骨が。
これにちなんでこの場所を「鹿頭峠」と勝手に呼ぶことに。

 

この地点で丁度標高900メートル。

 

登ってきた斜面はこんな斜度。
急すぎて下部が見えません。

 

そして尾根の反対は北側になるため、まだまだ雪が残っています。

 

雪は数センチほどなので、行ける場所まで様子を見に行ってみます。

 

斜面を下りつつ数百メートル進んでみますが、崖に阻まれ断念。

 

雪が無ければ降りられそうなのですが、こんなところで滑落したら洒落にならないので撤退です。

 

今回は昭和鉱山奥山鉱床のかなり近い場所まで行けたと思うので、次回は雪が解けた時期にリベンジしたいと思います。

 

 

さて、帰途の車に乗っていると、対岸の斜面に何かを発見。
車を止めてもらうと2匹のカモシカ。

 

親子かつがいでしょうか。

 

逃げずにしばらくこちらを見ていました。

 

この後は近くに位置する昭和鉱山沢入鉱床の以前見つけた坑道の探索に向かいます。

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