横瀬町の根古谷鉱山(根古屋鉱山)探索

埼玉県

探索日:2022年10月15日

この日は埼玉県は横瀬町にある根古谷鉱山(根古屋鉱山)探索と武甲山登山に行ってきました。
今回向かった根古谷鉱山は、メールでやり取りさせていただいている「ろばあと様」から頂いた情報を元にした探索になります。

根古谷鉱山(根古屋鉱山)とは

埼玉県横瀬町の根古屋地区にあるマンガン鉱山です。

情報を頂いた「ろばあと様」が探索した際には、地元の方への聞き込みで「(その方が)子供の頃に、だれかが一人で採掘していた」「沢沿いとその上部の岩盤を掘っていた」との話だったとの事です。
聞き込み元の方が子供だった頃を推測すると、昭和30年よりも以前の可能性が高いようです。

書籍等では『鉱物採集の旅. 1 (東京周辺をたずねて)』の埼玉県飯能市のマンガン鉱山めぐりの記事の中にある地図の中に「根古谷鉱山」として記載されています。

また、『日本のマンガン』には、横瀬町に有ったマンガン鉱山として「根古谷鉱山」の名称と以下の情報が出てきます。

根古谷鉱山
埼玉県秩父郡横瀬村
鉱業権者 浅見好行

ちなみに現在の地名は「根古屋」なのに各種書籍には「根古谷」と記載されているのか不思議だったのですが、古い地図を見ると地名は「根古谷」と記載されています。
今昔マップで見たところ平成10年発行の地図までは「根古谷」と記載されており、「根古屋」に変更されたのは比較的最近の様です。
なのでここでは各種書籍通り当時の名称だったと思われる「根古谷鉱山」として記載します。

根古谷鉱山(根古屋鉱山)鉱山探索

さて、探索ですが今回は横瀬駅からスタートです。

 

横瀬駅を出てしばらく行くと、左手側に二子山(横瀬二子山)が見えます。

二子山の山中にもちょっとした洞窟があり、過去には探索にも行っています。

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根古谷鉱山が有る沢沿いの林道を歩くと、神社らしき建物といくつもの石碑が出てきます。
幾つかを眺めてみると山岳信仰系統の物の様です。武甲山信仰とも関係ありそう。

神社の先の沢沿いにもいくつかの石碑が祀られています。

 

林道は神社までしか繋がっていないので、その先はやぶ漕ぎです。
10月ですがそれなりに草が生えているのと、前日に雨が降ったようで斜面が滑って歩き辛いですが採掘跡を探します。

まずはいただいた情報を元に、神社先の斜面の坑口へ。
それらしい斜面を登ると早速発見します。

 

坑口付近はこんな感じ。

 

中を照らしてみると数メートル先で終わりの様子。
もしかしたら左に折れて続いているかもですが、それほど繋がってはなさそうなので今回は入らず。

 

坑口付近のマンガンズリの様子。

 

坑口の上部にも怪しい場所が有ったので近寄ってみると試掘跡らしき窪み。
先の坑口の真上付近なので、同じ鉱脈を追って掘ってみたのだと思います。

 

坑口と試掘跡が有った斜面はこんな感じ。

 

今度は別の斜面にある試掘跡を探しに行きます。
こちらもいただいた情報を元に、そちらの斜面を眺めると早速発見。

 

斜面を登って坑口前へ。

 

照らすと奥行き2メートル程の試掘跡でした。

 

今度は一度下って沢沿いにある採掘跡を探しに行きます。
沢沿いには当時のものと思われる石組が多数見られます。

 

こちらは両側を石組で固めた水路の様な物。
現在の沢より上部の位置した場所に有ったので、水沢沿いの坑口に流れ込まないように誘導していたものかもです。

 

沢沿いを歩くと早速埋もれた坑口を発見。

 

中を覗き込んでみると水が溜まっていますが、左奥へと続いているようです。 

 

坑口付近のズリ石の様子。

 

ここは坑口付近の岩もマンガンを含んでいそうな感じです。

 

少し沢を登ると2つ目の採掘跡を発見。

 

こちらも埋もれていますが、岩の奥に採掘をしていた穴が見えます。

 

覗き込んでみるとこちらもある程度続いていそう。
奥で水の流れる音が聞こえたので、沢の水が流れ込んでいるようです。

 

この辺りの沢の様子はこんな感じ。
沢沿いにマンガンの露頭があるようで、いくつかの坑口と共に、沢に沿って岩肌を採掘した跡も見られます。

 

その先にはさらに坑口が開いています。

 

中を覗き込んでみましたが、こちらは試掘程度の深さ。
奥行きは無いですが出水が激しく、絶えず水が垂れていました。

 

この坑口前のズリ石の様子。

 

さらに沢を登ると目の前にトンネル状の採掘跡が姿を現します。

 

この採掘跡の全体はこのような様子。

 

多分マンガンの採掘跡だと思うのですが、沢のど真ん中にいきなり出てくるのでびっくりです。
今は沢の水がこのトンネルの中を流れるようになっているので、まるで川廻しの跡のようにも見えます。

 

トンネル状の採掘跡の岩の様子。
マンガンを含んでいそうな黒い石でできています。

 

トンネル状の採掘跡を潜った反対側はこのような様子。

 

トンネルの上側に登ってみます。

上から見ると非常に幅が狭く、乗ったら崩れそうです。

 

トンネル上部から見たマンガン採掘跡の有る沢の様子。
上から見ると沢の斜面はマンガン採掘のためか、結構切り立っています。

このトンネルもマンガンの採掘で沢の形状が変わってしまったので、その影響で水が流れにくくなったから採掘がてらトンネル状に掘ったのかもですね。

 

このトンネルの様子は動画で撮影してみたので、興味が有りましたらどうぞ。

 

 

沢沿いのマンガン採掘跡を一通り探索したので、最後に怪しい斜面の様子を見に行きます。
探索中に気になっていたのですが、一方の斜面に幾つかの怪しい窪みが見られます。

1つ目の窪みはこちら。
坑道が崩落した跡なのかマンガンの露天掘り跡なのか、それとも林業の作業時に掘ったものなのかは分かりませんが、明らかにここだけ人為的に掘られています。

 

この窪みの前には平場があり、わかりにくいのですが小規模な石組も見られます。

 

さらにその平場の石はマンガン採掘跡のズリ石と見られる黒い石が敷き詰められています。

 

斜面を回り込んでもう一か所の窪み。
ここも意図的に掘ったかのような怪しい窪みです。

 

そしてこちらもマンガン採掘時のズリと思われる黒い石が散らばっています。

 

この斜面にはそのような怪しい窪みとズリ石エリアが数か所見られました。

 

最後に沢沿いのズリ捨て場と思われる場所。

 

ズリ石らしき黒い石が大量に捨てられています。

 

というわけで頂いた情報を元に根古谷鉱山探索を終了し、今度は武甲山を登るために登山道方面へ向かいます。

武甲山へ向かう道は両サイドに石灰工場があり、大規模なプラントを眺めながら進みます。

 

途中には以前探索した何かの採掘跡も見られます。

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武甲山の登山道についてからは山頂を目指します。
今回は登山メインではなかったので、登山の写真はあまりとらず。

1時間以上登って登山道にも石灰岩が見えるようになったらまもなく山頂。

 

登山前に根古谷鉱山探索で体力を使っていましたが、1時間20分とハイペースで登頂。

 

この日は全体的に曇りでしたが、秩父市街地方面は雲が無く良い景色を眺める事が出来ました。

 

 

景色は良かったものの武甲山山頂はガスがかかっています。
少しだけ休憩して体が冷える前にさっさと下山します。
下山は来た道とは反対の浦山口駅方面を目指します。

 

下山途中の登山道にはマンガンを含んだと思われる石の露頭も。
石灰岩に沿ってマンガン鉱床が出来る事もあるそうなので、武甲山付近も人知れずマンガン採掘跡が眠っているかもですね。

 

下山もスムーズに進み、無事に浦山口駅に到着。
今回の探索も無事終了です。

 

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