探索日:2025年10月7日
この日は某先生と地元の猟師さんと、栃木県佐野市飛駒町の根本山の中腹にある、十二八州鉱山の探索に向かいました。
まずは十二八州鉱山に向かう途中の林道でいくつかの試掘跡と、粘土脈を観察しました。

その後は本命の十二八州鉱山へ。
その前に十二八州鉱山の情報をまとめてみます。
十二八州鉱山(十二鉱山)とは
十二八州鉱山とは栃木県佐野市飛駒町の根本山の中腹にあるマンガンを採掘していた鉱山です。
十二八州鉱山の記録の有る資料には以下の様に記載されています。
こちらの資料では十二八州鉱山は山田郡梅田村所在となっていますが、これは当時の鉱山関係者は桐生市の梅田側の方が多かったとの事で、住所も鉱山事務所の位置かと思われます。
こちらのローマ字記載から十二八州鉱山は「じゅうにやしま」と読むことが分かります。
鉱山保安年報 昭和33年度には十二八州鉱山の労災として以下の記録が残されています。
栃木県加蘇・飛駒および菱村地域のマンガン鉱床 珪酸マンガン 第5報にはこの地域のマンガン鉱山の図が有りますが、十二八州鉱山は図から見ても複数の採掘箇所を持っていたことが分かります。


なお、今回同行していただいた地元の猟師さんのお母さまが、十二八州鉱山の選鉱場で働いていたそうで、猟師さんが子供の頃はまだ鉱山関係の小屋などが残っていたとの事です。
また日満(日満鉱業)という会社名も良く話に出て来たと言っていました。
十二八州鉱山の作業小屋跡
十二八州鉱山へ向かう途中、沢に有る堰堤を越え沢が二股になるところで猟師さんの車が止まります。
降りて話を聞くと、昔はこの付近に十二八州鉱山の作業小屋がずらっと並んでいたとの事。
猟師さんの年齢から察すると、60年ぐらい前かと思われます。。



十二八州鉱山探索
さて、十二八州鉱山探索です。
作業小屋跡の場所から車を少し進め、とある沢の入口へ。
ここからは沢を詰めていきます。

沢の付近の木の根元に、木に取り込まれた栄養ドリンクの瓶が。
これは鉱山時代の物では無いと思いますが、木の成長力は凄いですね。

沢に入るといきなり石組の道らしき物が出てきます。
上記の資料にも有った、鉱石を運ぶソリ道の跡かと思われます。
この石組は沢沿いに所々残り、沢上部の採掘エリア付近までしっかり残っていました。



十二八州鉱山への沢ですが、こんな場所を登っていきます。

ご一緒した猟師さんが子供の頃にこの沢に入った事が有り、その際は沢沿いに有った坑口を見て怖くなって帰ったと話していました。
まずはその猟師さんが見たとされる坑口を探してみます。
しばらく進むと石組が有り、少し窪んだような地形が出てきます。
猟師さんも幼いころの記憶なので定かでは無いとの事ですが、この付近場所が坑口だった可能性が有ります。


さらに沢を登ると、石英脈の中に水晶を発見します。
小さいですが透明感があり綺麗ですね。


さらに沢を詰めていきます。

所々に立派な石組。
ここは作業小屋でも有ったのかもです。

今回は山深い場所なので、所々で猟師さんがクマよけの火薬を鳴らしてくれます。
普段は熊鈴だけなので、心強いです。

さらに少し進むと沢の上部の斜面に穴らしき物が見えます。
見に行くと坑口。

十二八州鉱山の坑口かと思われます。

早速坑道内を確認したら、左に少し進んで数メートルで行き止まり。

坑道内のマンガンズリの様子。

坑口付近のマンガンの露頭。
これを追って掘った物の、余り良いマンガン鉱脈では無かったのでしょう。

坑道内を確認する先生。

さらにこんな斜面の上部に穴らしき物が見えます。
かなり急ですが、見えたからには行かねば。

斜面を回り込んで岩場にたどり着くと、立派な坑口。

早速坑道内を確認しに向かいます。

内部は縦に掘られたマンガン採掘跡。

上部を見てもかなり高く掘られており、ちょっとしたホール状になっています。

そしてその先がまさかの水没坑道。
一段下に坑道が有るのですが、そこが水没しています。

水没坑道の左側は奥に坑道が続いている様です。


そして水没坑道の右側。
マンガン鉱脈が縦に有った様で、凄い深さまで掘られています。
透明度が高いので水中に坑木が見えますが、一番深いのは10mぐらいは有りそう。
そしてそれでもまだ底が見えないので、沢と同じ深さまで掘られているのかと思われます。

透明度が高すぎて青色が綺麗です。
勝手に根本山の青い洞窟と名付けてみました。

そしてこの青の洞窟の水がどこから来ているのかというと、さらに続いた坑道の奥から流れ出ています。

坑道の奥も確認したかったのですが、この水没エリアを越えなくてはいけません。
今回はトレッキングシューズなので、片足濡らせば行けるのですが、万が一水没坑道に落ちたらまずいので今回はここまでにしたいと思います。

ちなみにこの坑道の壁面には幾つかの石英脈が見られます。

この部分とか水晶ガマっぽいのですが・・・。

しかし足元がこれ。
水晶を取るにはこれを跨ぎながら岩を叩かなくてはいけないので、無理は出来ません。

手で獲れる範囲で幾つかの水晶をもぎ取って洗浄したら、1本だけ両錐の水晶が有りました。
小さいですが、両錐の水晶の採取は初めてなのでラッキーでした。

坑道内を確認したので戻って、下で待っていた先生と猟師さんに報告。
みんなで再度坑道内を確認します。
私はさらに斜面を登って、上部の鉱脈をチェック。
水の流れ出ていた坑道の方向に斜面を進んでみると、予想通り露天掘り跡をいくつか発見。
最初はここの露天掘りから始まり、深くなったところで坑道掘りを行ったのだと思います。

水没坑道に水晶脈が有ったので、この坑口下のズリを見ていたら、いくつか水晶を拾うことが出来ました。

さて、この水没坑道ですが、あれだけ深かったので、下部に通洞坑や大切坑的な坑道があると思うのですが、沢沿いにはそれらしき物が見つからず。
それと、水があれだけ溜まっていてさらに水が奥から供給されているのに、坑口からあふれ出ていないのが謎です。
この水没坑道の様子は動画でも撮影したので、Youtubeからどうぞ。
さて水没坑道を後にして、さらに沢の奥へと向かいます。
沢は相変わらず石組の道が続いています。

所々にマンガン鉱石。割ってみると、バラ輝石。
まだこの上部にもマンガン採掘跡が有る事が明らかです。

斜面に石組。
こちらは比較的規模の大きな炭焼き窯跡です。

この付近の沢の様子。

分かりにくいですが、沢沿いに道らしき物が続いています。

猟師さんが見つけた、大きなバラ輝石の鉱石。

バラ輝石のピンク色が綺麗ですね。

沢もだいぶ詰めたところで道とは違う石組が出てきます。

その石組の上部の斜面からズリ石が落ちて来ています。
メインの沢にもマンガンのズリ石が有るのですが、まずはこちらの斜面を見に行きます。

斜面はズリ石かつ濡れているので、何度も足を取られて滑り落ちそうになります。
ただ斜面を登るごとにズリ石の量が増えてきます。

しばらく登ると石組が見えてきました。

立派な石組の脇には坑口が連なっています。

石組も立派です。

一番大きな坑口前には立て札。

営林署の立て札で危険を促しています。

坑口ですが、斜め下に続いています。
この斜面には一人で登ってきてしまったので、無理はせず坑道内のチェックはパス。

採掘跡は上部にもいくつか連なっています。
こちらも坑口だけチェック。

さらに斜面上部にはマンガンズリが落ちているで登ってみます。

上部の岩場には露天掘り跡らしき痕跡。


ここも岩場の尾根を崩した感じです。

その岩場の尾根を回り込むように踏み跡が有ったので追ってみたら、尾根の反対側にも坑口。

坑口からライトで照らしたところ、それほど深くは無さそうです。

さてこのエリアを一通りチェックしたので、再び沢に下ります。
沢に下りると猟師さんが大規模なズリを見つけたとの事でそちらに向かいます。
沢を詰めてちょっとした滝の手前まで向かうと、一面マンガンのズリ。
下の画像の右側斜面が全部ズリ石です。

分かりにくいですが、この斜面が全部小割されたズリ。


ズリはこちら側の斜面上部から落ちて来ているようです。

こちらの鉱脈にも石英脈が有るようで、水晶もチラホラ落ちています。

ズリ斜面を少し登ると、ちょっとした滑滝。

流石にこれは登れないな~と思っていたら、滑滝上部に何か見えます。

ズームして撮影したら、堆積したズリに見えます。
マンガンの採掘エリアはあの上部の様です。ズリの量からもそれなりの採掘跡が有る事が伺えます。

ただしこれ以上は危険なので、登るのは断念。
今回はここで撤退します。
登って来たズリ斜面。
上から見るとかなり急です。

ズリ斜面を下った沢沿いには、怪しい平場が有りました。

ここには瓶や陶器の欠片が落ちていたので、作業小屋でも有ったのかと思われます。

さて、今回の探索では十二八州鉱山の坑道をいくつか見つける事が出来ました。
次回の探索では、今回たどり着けなかった採掘跡を目指したいと思います。
おまけ、猟師さんは沢の最奥から、このバラ輝石の塊を担いで降りてこられました。
下山して改めて確認しても、結構な大きさですね。


コメント