足尾銅山の文象沢探索

日光市

探索日:2024年5月30日

この日は仕事の都合でちょっと遅い5月連休の最終日。
せっかくなので少し遠出をして、足尾銅山の文象沢から三吉転峠を通るルートを探索してきました。
まずは文象沢を登って文象楯入坑、六十丈大切坑、太郎坑、3つの堰堤を見に行きます。

JRで桐生駅まで向かい、そこからはわたらせ渓谷鉄道に乗り換え。

 

原向駅で下車して探索開始。

 

庚申川に沿ってしばらく歩くと、小滝小学校と第三中学校跡に到着です。

 

前回小滝エリアを探索した際この付近は軽く見て回っただけなので、今回は少し探索してみます。

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学校跡と思われる石段を登ってみます。

 

石段は折り返して反対側へ。

 

校門の柱と思われる石柱が出てきました。

 

校庭でしょうか。広いフラットなエリアが出てきます。

 

その奥には学校の施設跡と思われる石組や遺構が残ります。

 

沢を挟んだ反対側にも立派な石段が残されていました。

 

石段の上は建物跡と思われる平場です。

 

学校付近の遺構も見て回ったので、文象沢を遡ってみます。

 

少し歩くと早速第一堰堤が見えてきます。

 

真下で見ると結構な高さと斜度。

 

脇を登って堰堤の上部へ。

 

堰堤の上にはせき止められた大量のズリ石。

 

この付近から水晶を含んだ石や、金属を含んだと思われる石が出てきます。

 

第一堰堤の少し奥には大量のズリが捨てられた斜面が出てきます。

 

鉄製レールも落ちていたり。

 

そんな怪しいズリ斜面の上には何が有るのかと登ってみると、上部には立派な鉱山道が。
どうやら当時のトロッコ道の跡との事で、トロッコで運んだズリをここから捨てていたのでしょう。

 

せっかくなのでトロッコ道を少し歩いてみます。
山肌を削って作った鉱山道は雰囲気が良いですね。

 

トロッコ道を歩いていくと文象楯入坑に到着。
幾つものWebサイトや動画で見た場所です。

 

メインの坑口は石で塞がれています。

 

真ん中には山神様が祀られています。

 

そして脇の坑口。

 

上部に隙間が有るので覗いてみます。

 

こんな感じ。少し奥でメインの坑道と繋がっている様子。

 

坑口前ににはトロッコの車輪やレールが落ちています。

 

こちらは索道とか巻き上げ機の基礎でしょうか。

 

脇にはワイヤーも残されています。

 

このワイヤーは一つ上の六十丈大切坑まで繋がっているとの事で、ワイヤーを追いながら登ってみます。

 

斜面脇には試掘跡。手前の穴も奥の穴も数メートルしか掘られておらず。

 

 

沢の先には第二堰堤が見えてきました。

 

こちらは第一堰堤に比べたらかなり小規模。

 

堰堤上部は大分崩壊しています。

 

その先には比較的近年に崩落処理がされたと思われるズリ斜面。

 

ズリ斜面の上部は平場になっています。

 

平場にはトロッコの部品と思われるものが落ちています。

 

平場の脇には崩落していますが六十丈大切坑があります。

 

坑口の様子。
上部の岩が崩落して、本来の坑口よりも上部が開いている様子。
坑口からは冷風が噴き出ているので、どこかと繋がってはいる様です。

 

支保工が残っており坑道自体はまだ残されているようですが、この崩落を越えてあの隙間に入る勇気は無いのでパスします。

 

坑口付近には主なのか大きなカエルが。

 

文象楯入坑から繋がっていたワイヤーは六十丈大切坑平場の上部に繋がっていました。
六十丈大切坑で採掘した鉱石や資材を索道で運んでいたのでしょう。

 

六十丈大切坑を越えてから文象沢は急に険しくなります。

 

ガレ場を越えると見えてきました、第三堰堤。

 

こちらは第二堰堤と違い、破損している個所はなさそうな感じ。

 

第三堰堤を横から撮影。

 

堰堤上部はこんな感じ。
真ん中がへこんでおり、増水時はその部分から水を流すようです。

 

第三堰堤の上部はまたズリが溜まっています。

 

その先の斜面には大規模なズリが。

 

崩れた部分を見るだけでも2メートル以上のズリが積まれています。

 

このズリの上部に坑口が有るのではと思い、ズリ斜面を登ってみましたが結局何も無し。(はるか下の沢から登ってきました)
当時は坑口が有って埋まってしまったのか、他の坑口からトロッコでズリを運んで来ていたのでしょうか。

 

なぞのズリ捨て場から少し進むと、周囲に石組などの遺構が出てきます。

 

対岸には怪しいコンクリートも見えます。

 

近寄ってみると、珍しくコンクリートの台座。

 

コンクリートからはボルトが出ていたので、索道とか巻き上げ機の基礎だったのでしょうか。

 

そしてその脇には太郎坑の坑口が有りました。

 

内部は崩落していそうですが、こちらも強い風が噴き出ていたのでどこかと繋がっている感じ。

 

坑口脇には当時何かを掛けていたと思われる金属。

 

太郎坑の奥の斜面にも何か見えるので行ってみます。

 

真四角の穴。

 

中を照らしたら火薬庫跡と思われる穴でした。
緑青で銅が青くなっており不気味でもありますが綺麗ですね。

 

太郎坑の周囲を見渡すと、斜面に幾つかの穴らしき物が見えます。
急斜面で近寄る事が難しいのですが、この付近は何か所も採掘を行っていたようです。

 

火薬庫近くの沢の上部にもズリらしきものが見えるのですが、急斜面&下部のズリ石で危険すぎて登れませんね。

 

とりあえず目的の太郎坑まで沢沿いに登ったので、次は三吉転峠の有る尾根を目指します。
ここから尾根へはルートが有るわけではないので、地形図とGPSを見比べて登れそうな場所を進んでいきます。

この付近は至る場所で採掘を行っていたようで、狸掘りの様な採掘跡が多数あります。

 

尾根へと進むルート、地形図的には行けそうな場所でしたが、実際はこんな斜面。斜面というか崖ですね。
落ちないように手足を駆使して登っていきます。

 

何とか尾根付近の比較的緩やかなエリアに到達。
この付近も採掘が行われていたようで、至る場所に採掘跡が有ります。

 

尾根沿いには画像では分かりにくいのですが、当時の鉱山道と思われる踏み跡。
方角的にも三吉転峠方面に繋がっていそうなので、これを歩いていきます。

 

踏み跡はやはり鉱山道だったようで、少し行くと塞がれてはいるものの、比較的大きな坑口が出てきました。

 

坑口は石と木が詰められており、坑道内は見えず。

 

さらにその先にはもっと立派な坑口。

 

坑口前には探索日より半年ほど前のおにぎりの袋が落ちていました。
比較的人は来ているようですね。

 

ちょっと離れて撮影した坑口。
岩の斜面にある岩で閉塞された坑口もなかなか良いですね。

 

そんな坑口から先は道らしきものが見当たらなくなったので、尾根を目指して直登してみます。
ですが、このエリアは銅が多く取れたのか多数の穴が開いています。

しかも尾根に近く高い場所で有るため、どれも数メートルの竪坑。
先を確認しながら気を付けて進まないと危険です。

 

枝に隠れた竪坑。

 

底は見えないですね。

 

また竪坑。

 

尾根付近の緩やかな場所にも穴。

 

こちらも採掘跡。

 

そんな感じで藪をこぎつつ、竪坑に気を付けながら尾根に到着。
尾根の岩も銅などの金属を含んでいるのかさび色ですね。

 

尾根付近からの景色はこんな感じ。

 

足尾の赤いダムで有名?な簀子橋堆積場も見下ろすことが出来ます。

 

尾根沿いを進んで三吉転峠の索道跡に無事到達。

 

お次は尾根沿いに歩いて、足尾銅山の索道跡や堆積場跡を見ていきます。

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