探索日:2022年4月30日
日野沢鉱山元山鉱床(本坑)探索後は、元山鉱床の近くに有ったとされる、日野沢鉱山若浜鉱床を探しに向かいます。
日野沢鉱山若浜鉱床とは
日野沢鉱山若浜鉱床は埼玉県皆野町の日野沢地区に位置したマンガン鉱山で、日野沢鉱山の元山鉱床を本坑として一体的にマンガン採掘が行われていた鉱山の様です。
日野沢鉱山若浜鉱床については『埼玉県地下資源報告書』に以下のように記載が有ります。
日野沢鉱山若浜鉱床は日野沢鉱山元山鉱床(本坑)の採掘後に、新鉱床として新たに開発が行われた鉱床の様です。
なお、日野沢鉱山については元山鉱床探索の記事に詳しく詳細が書いてい有るのでどうぞ。
日野沢鉱山若浜鉱床探索
さて日野沢鉱山若浜鉱床探索です。
情報を元に若浜地区方面へと向かいます。
若浜地区方面に来た際にコメントとメールでやり取りさせてもらっている「ろばあと様」から、藤原地区にも「カナ穴」なる試掘跡があるとの情報を頂いていたので、それが若浜鉱床の一部ではと思い、まずはそちらに向かってみます。
藤原地区までは舗装はされているものの林道に近い山道を2キロほど歩きます。
道を歩いていると斜面に穴らしきものを発見します。
穴は沢の反対側にあるので、降りられそうな場所から沢降りて対岸へと向かいます。
道から見えた穴らしき場所に到着。
中を覗き込んでみたら残念ながら穴では無く、岩の窪みでした。
窪みを後にしてしばらく歩くと藤原安産堂に到着。
安産堂というだけあって安産の神様の様で、赤ちゃんが無事に生まれたらよだれかけを奉納するようです。
さて藤原地区に到着したので周囲を探索します。
安産堂の周囲には数件の昔ながらの民家が有り、住人の方もまだいる様子。
お邪魔にならないように探します。
集落の外れに行くと、古くは畑だったのか多数石組が見られます。
こちらは国土地理院の地図では破線の道なのですが、大雨のためか路面が崩壊して歩くのは難しそうです。
藤原地区をしばらくウロウロしましたが、今回は残念ながら試掘抗を見つける事は出来ず。
成果がないまま藤原地区から戻る際に地元の方を発見。
声をかけてみると以下の情報を貰うことが出来ました。
さらには
という有力情報もいただけました。
どうやら位置的にこれが日野沢鉱山若浜鉱床の可能性が高そうです。
情報を頂いた地元の方にお礼を言って早速その場所に向かいます。
藤原地区を降りて目印の〇〇を探しますが見当たらないアクシデント。
さらに「山の方」と言っていましたが、見た感じ東西南北全方向山なのですが・・・
頂いたヒントでは方角すらわからない状況でしたが、まずは周囲を見渡し状況を観察。
すると1か所山に向かっているふみ跡が有ったので進んでみます。
暫く山を登りますが、残念ながら祠に続く道でハズレ・・・。
再度道まで降りて今度は逆方向の山に入ってみます。
山を入って沢付近へ進んでみると、斜面に石組を発見!
そこから上を見ると、坑口らしきものが2つ見られます。
しかも石組の斜面はズリ石と思われる、黒い石で覆われています。
早速ズリ石斜面を登ると左側の窪みに坑口を発見!
どうやらここが日野沢鉱山若浜鉱床の様です。
坑口付近の様子。
ライトアップ。
坑口付近は鉱山時代の物か、丸太が並べられています。
坑口から入って直ぐの場所は上に向かって高く掘られており、ホール状になっています。
坑口から入って直ぐに分岐が有るので、左側を見てみます。
こちらはほぼ水平に近い状態でマンガン鉱脈が有ったようで、ほぼ平行に近い形え横に掘っています。
いったん坑口方面に戻り、今度は分岐の右側の坑道へ進みます。
少し奥へ。
少し進むと斜め上にマンガンを掘ったと思われる穴が見られます。
かなり高い場所まで掘っているのか、奥では蝙蝠が舞う様子も。
その奥には地底湖らしきものが見えます。
ライトアップ!
地底湖というほどでは有りませんが、水が溜まっており水没しています。
日野沢鉱山若浜鉱床は元山鉱床より小規模な採掘だったようで、坑道内は元山鉱床に比べるとシンプルです。
一通り坑道内を探索したので戻ります
坑口付近を振り返るとこんな感じ。
坑口脇の様子。
こちらも露頭部分を掘ったような跡が見られます。
坑口から外に出て左上に有った窪みも見に行きます。
こちらは坑口ではなく試掘跡の様です。
日野沢鉱山若浜鉱床の様子。
左側の穴が坑口で、右上が試掘跡。
斜面のズリ石の様子。
ズリ石斜面の石組。
沢にも石組堰堤が有りました。
最後に日野沢鉱山若浜鉱床の全体の様子。
坑道内の様子は動画でも撮影したので、興味のある方はどうぞ。
というわけで日野沢鉱山若浜鉱床の探索も終了です。
この後もバスの時間が合わなかったので、1時間近く歩いて皆野駅に向かい本日の探索も無事終える事が出来ました。
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