探索日2021年12月11日
この日は茨城県の高取鉱山に水晶や蛍石などの鉱物を採りに行ってきました。
高取鉱山、水晶やトパーズ、蛍石などが採れるとの事で以前から興味を持っていたのですが、駅やバス停から離れた場所に有り、公共交通機関ではとても不便ば所に位置しています。
ツイッターにてそんなようなことをつぶやいたら、なんとフォロワーさんから声をかけていただき案内してもらえることになりました。
高取鉱山とは
まずは今回行く高取鉱山についてですが、高取鉱山は茨城県東茨城郡城里町にある鉱山です。
古くは1590年頃の天正年間に砂錫の発見までさかのぼるそうで、現在もこの地域は錫高野という地名になっています。
高取鉱山は明治以前から銅鉱山として稼行しており、1909年(明治42年)にはタングステン鉱山として日本有数の規模となりました。
当初は高取鉱山単体で経営していましたが、近くに七会鉱山と併合もしています。高取鉱山付近には高取鉱山から続いた鉱脈を採掘していた岩谷鉱山と大正鉱山が有ります。さらには銅を採掘してた錫高野鉱山なる鉱山の記録も有ります。
高取鉱山を経営していた企業は三菱合資会社、荒川鉱業株式会社、千歳鉱業株式会社などの手に渡り、最終的には昭和61年に閉山しています。現在はエコマネジメント株式会社高取事業所として、廃止鉱山の処理を行っているようです。
取れる鉱石には鉄マンガン重石、錫石、黄銅鉱、黄鉄鉱、硫砒鉄鉱、黄錫鉱、白鉄鉱、斑銅鉱、磁硫鉄鉱、方鉛鉱、石英、リチア雲母、黄玉(トパーズ)、蛍石、方解石、電気石、菱マンガン鉱となっています。
細かい場所や行き方はGoogleマップや他の方のブログやWebサイトを参考にしてみてください。
参考資料:日本地方鉱床誌、日本鉱産誌
高取鉱山にはその後も何度か探索に行ったので、そちらの記事も良かったら見てください。
高取鉱山探索と鉱物探し
さて高取鉱山探索と鉱物探しについてです。
当日はフォロワーさんが笠間駅まで迎えに来ていただけるとのことで、笠間駅で合流させてもらい出発です。
高取鉱山は公共交通機関の駅からは遠いので助かります。
笠間駅からはビーフラインなる広域農道をしばらく走り、高取鉱山のある城里町の錫高野に到着。
この場所は地名の通り古くから錫が採れた地域らしいです。
そして高取鉱山へ向かう林道の入り口のゲート。ネットで高取鉱山を調べると良く出てくる場所。
実際に目にするとちょっとテンション上がります。
ちなみにゲートは閉じていますが、車両は通行禁止なものの、立ち入り禁止ではないようで私たちは徒歩でゲートを通過します。
ゲートの裏には朽ち果てているものの、高取鉱山跡の遊歩道案内図もおちています。
ちなみにゲートから今回向かう高取鉱山のズリ跡までは約1時間程かかる距離との事。
歩きながら高取鉱山の石の採れるポイントや逆に何も取れないズリ捨て場、鉱山施設跡などを教えてもらいます。
暫くは沢沿いの林道をあるきます。途中で枯沢の石を探してみますがここでは何も見つからず。
まず最初は蛍石が採れる露頭へ案内してもらいます。
ここは斜面が岩場の崖になっており、そこに蛍石が有るようです。
崖の下の岩場で蛍石らしきものを探しますがそれらしき石は見つからず。
こんな石がゴロゴロしていますが、ここにブラックライトを当てると蛍石などの一部の鉱物は光を放つようで、ブラックライトを用いての採集が基本の様です。
ここではブラックライトお借りして幾つかの蛍石らしき石を拾うことができました。
蛍石エリアで少々採取したあとは、高取鉱山のズリエリアを一通り案内してもらいます。
ここは一面のズリと、竪坑が有ったらしい場所。
今はある程度埋め戻されているようですが、この杭で囲まれたエリアは竪坑が有るそうです。
そして高取鉱山のブログなどでよく見かける坑口跡。
今も管理されているようで、しっかりと封鎖されていました。
さらに別の場所では柵に囲われ斜面が大きく窪んだ跡も。こちらは坑道が崩落して陥没した場所の様です。
崩落しているエリアも管理されているようで、しっかり柵で囲われています。
こちらはとある斜面に空いていた坑口。
この坑口はどこかと繋がっているようで、凄い勢いで風が吹き出していました。
別の場所では試掘抗らしき坑口も。
折角なので坑道内を探索。
この坑道は上部に見える帯状の鉱脈を追って掘っていたようです。
鉄重石とかマンガン重石の鉱脈でしょうか。
結構奥まで続いているのかと思いました、30~40メートルぐらいで突き当り、左に折れて行き止まりに。
普段の坑道探索は一人なのでビビりながら入っているのですが、今回は案内していただいた方もいるので心強いです。
ちなみに坑道内にも若干ながら水晶が落ちていましたが、この試掘抗なら既に何人も人が入っていると思われるので、わざわざ坑道に入って探すほどの物では無いですね。
こちらは上記坑道の坑口の外側。
ズリ捨てエリアのようで、こちらでもいくつか水晶を拾います。
少し場所移動をして、ほぼ埋まっている坑口が有る場所へ。
こちらは入り口は小さいですが、かなり奥まで続いているようで、噂によると高取鉱山本坑まで繋がっているとか・・・。
こんな露天掘り跡も。
上記の坑口等からのズリなのか、この付近も広大なズリエリアとなっており、そこかしこに石英や水晶のなりそこないが落ちています。
最後はとっておきのマル秘ズリエリアを紹介してもらい、そこを掘っていきます。
ここでは最後の最後で、大きなサイズの水晶を発見。
泥で汚れていますが、大物以外にも小さい水晶もチラホラ。
持ち帰って洗ってみるのが楽しみです。
高取鉱山で採集した水晶や蛍石などの鉱物
今回高取鉱山で採取できた主な水晶。
並べてみると一番大きい物だけ、別格サイズですね。
こちらは透明感は無いですが、頭もしっかりしており一番形の良い水晶。
ちなみに高取鉱山の水晶は、表面がザラザラしており、乾くと透明感が無くなるものが多いのでしょうか。
1センチぐらいですが今までの水晶とは違い、透明感のある水晶。
水洗いだけですが、酸などに漬けて錆を落とせばもっときれいになりそうです。
形わるいですが酸化膜か何かで覆われており、光を当てると虹色に輝く水晶。
こちらは1センチにも満たないですが、待望の蛍石。
極小サイズですが、紫色が入っていますね。
こちらは銅の錆だか孔雀石のなりそこないだかの鉱物。
普段は銅の鉱物はあまり意識していなかったのですが、緑色の発色がきれいだったので拾ってきました。
というわけで待望の高取鉱山探索と鉱物採集でした。
今回はズリエリアや坑口の場所だけでなく、蛍石の採れる場所やマル秘のズリエリアなど、色々な場所を教えていただき水晶や蛍石を採取することが出来ました。
高取鉱山は思っていたより広大なエリアで、一人で来ていたら鉱物が採れないズリを探して一日が終わっていたと思います。
今回は案内をしていただき助かりました。ありがとうございます。
次回は公共交通機関と自分の足だけで、高取鉱山へ行ってみようと思います。
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