群馬県川場村の鉱石山でガーネット採集

川場村

探索日:2024年10月11日

この日は群馬県川場村の鉱石山(川場鉱山)にガーネットの採集に向かいました。

鉱石山(川場鉱山)とは

鉱石山とは群馬県川場村の中央付近に位置する、標高1205メートルの山です。
鉱石山の由来はかつて鉱石山にて、川場鉱山の名称で研磨用の素材として柘榴石(ガーネット)が採掘されていた事に由来します。

この地に柘榴石が有る事を発見した人は星野茂助なる人物で、後に木榑茂平氏が大正8年から発掘を始めたとされています。
昭和13年に川場鉱山の鉱区鉱業権を理研コランダムが取得し、沼田に理研コランダムの研磨剤工場を建てました。
初代工場長は木榑茂平氏となっています。

採掘については昔ながらの方法が行われ、ダイナマイトを利用せず露頭を手掘りで採掘。採掘した柘榴石を麻袋に詰めて、木馬を用いて谷合の搬出路を人力で降ろしていたそうです。
なお、鉱石を積んだ木馬の重さは1トン半にも及びました。
木馬で降ろされた鉱石は初期は馬車、後にトラックとなり沼田の理研コランダムの工場に運ばれています。
採掘に関しては削岩機の導入や索道も計画されたようですが、削岩機は余り利用価値が無く、索道も計画のみだった様です。

年間の採掘量は1千トン前後で、雪の解けた4月から雪の降りだす12月まで採掘が行われました。

後に人口研磨剤が主流となり、川場鉱山は昭和45年に閉山しました。

(参考資料:理研コランダム株式会社沿革・歴史、理研コランダムOB会記念文集)

 

鉱石山(川場鉱山)探索

さて、鉱石山(川場鉱山)の探索です。
まずは電車で沼田駅まで行き、そこからバスに乗り換えます。

 

バスに乗って川場村の上界戸バス停で下車。
時期によってはもっと奥の「世田谷区民健康村 ふじやまビレジ」まで行くバスも有るようです。
これに乗ると距離にして2キロ程近くなります。

 

バスを降りて良い雰囲気の里山を歩いていきます。

 

川も良い感じで、渓流釣りも楽しめそうな渓相。

 

しばらく歩いて「世田谷区民健康村 ふじやまビレジ」。
入浴道具らしき物を持って入って行く人が居たので、日帰り温泉も有るのでしょうか。

 

その先は川場スキー場の駐車場。

ここから川場スキー場まで大分距離が有るようですが、シーズン中はここまで車が止まるのでしょう。
私の趣味の一つにスノーボードが有るのですが、川場スキー場は来たことが無いので機会が有ったら滑りに来たいです。
駐車場脇には公衆トイレも有りました。

 

駐車場の反対側にはペンションらしき建物。


ウインターシーズン時はレンタルスキーショップになるとの事。

鉱石山への登山道はこの建物に脇に有ります。

 

登山道に入ると、謎の廃墟群。
建物自体はまだ新しそうですが、もったいないですね。

 

登山道も最初は林道ぐらいの広さで、車も十分に入って行くことが可能です。

 

暫く進むと林道と登山道の分岐。

 

ここには簡易トイレですが、4つも供えられています。
鉱石山は登山道として、世田谷区民健康村および世田谷区が整備しているとの事。ありがたいですね。

 

そしてトイレの分岐からは本格的な登山道。
画像では分かりにくいのですが、最初の直線が結構斜度も有り結構きつい。

 

登山道には手書きの案内標識も。

 

足場板で作られた橋も有ります。

 

登山道の最初は小さな沢沿いを歩きますが、途中からは斜面を歩きます。

 

休憩所まで1Kmの標識が出てきます。

 

そしてこの付近から登山道脇にも柘榴石のような石が出てきます。

 

このあたりはズリ石ですね。

 

そして廃レール。
この付近は既に川場鉱山の採掘エリアの様です。

 

その先にはトロッコの枠組み。

 

トロッコが有る場所からは、登山道に廃レールが伸びています。

 

レールはしばらく登山道と共に続き、少し先で消失。
レールが無くなった付近で、斜面からズリを捨てていたようです。

 

ズリ捨て場付近でも綺麗では無いですが柘榴石がゴロゴロ。

 

ズリ捨て場に向かう途中には、結晶化した石灰だか大理石だかも落ちています。
川場鉱山はスカルン鉱床だったとの事で石灰でしょうか、相変わらず鉱物の知識が無く、何の石だか分からず。

 

川場鉱山の遺構を発見しましたが、まずはいったん鉱石山の頂上を目指します。

 

休憩所なる少し広い場所も有ったり。

 

ここでは少しだけ麓の様子を眺める事が出来ます。

 

登山道を進んで尾根付近。
尾根付近は露天掘りをしたと思われる場所が残されています。

 

下を見ると、鉱山の遺構が有った場所付近。

状況からこの付近を川場鉱山として露天掘りをしていたようです。
このエリアは後ほど確認します。

 

尾根の頂上付近にも仮設トイレ。
あまり綺麗では無さそうですが、トイレが有るのはありがたいですね。

 

トイレに先には鉱石山頂上の標識。登頂成功です。

 

鉱石山の頂上で少し休憩後は、再び川場鉱山へ戻って周囲を探索します。
登山道からそれて、それらしい場所へ。

 

付近の石には、綺麗な結晶の柘榴石が見られます。


 

こちらは柘榴石では無いですが、黒い何かの結晶。

 

斜面をウロウロしていたら、ネットで見かける川場鉱山の象徴の露頭。

 

露頭付近の様子。

 

この露頭付近はメインの採掘エリアのようで、柘榴石がゴロゴロ。

 

結構大きな結晶も落ちています。

 

こんな柘榴石も。

 

ズリ斜面からは、2センチ程のほぼ完全な結晶の柘榴石。

 

川場鉱山のズリから柘榴石を拾う様子。
ズリにはそこら中に柘榴石が落ちています。

鉱石山(川場鉱山)でガーネット拾い

 

ズリ斜面を掘り返した場所も有ります。
掘れば良いのが取れるのかもですが、面倒なので私は表面採集にしておきます。

 

露天掘りエリアには川場鉱山当時の物と思われる石組も残されています。

 

川場鉱山付近やズリ捨て場斜面をウロウロしつつ、小一時間柘榴石採集をしたので程よい時間で下山します。

帰りは正面に赤城山を眺める良い風景が続いていました。

 

来た時と同じく、上界戸バス停から沼田駅に戻り、本日の川場鉱山での柘榴石(ガーネット)採集は終了です。

 

川場鉱山で採取した鉱物

さて、川場鉱山で採取した鉱物類です。
まずは柘榴石(ガーネット)。

小さい結晶の集まりですが、綺麗です。

 

そして2センチほどの単結晶。

 

それと、小さいながらも水晶も採る事が出来ました。

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