探索日:2021年10月10日
武甲山の登山および石灰鉱山探索とともに、武甲山の麓に位置する何かの金属を採掘していた鉱山跡と思われる穴を探索に行きました。
武甲山の登山と、武甲山周辺の石灰鉱山の様子はこちらから
武甲山麓の金属鉱山跡とは
この金属鉱山跡は、西部秩父線の横瀬駅から生川沿いに進んでいくとみられる採掘坑跡で、生川の両岸に見られます。
横瀬町というと武甲山の石灰鉱山が有名ですが、金属鉱山やマンガン鉱山も多くあったようです。
日本鉱産誌を見ると横瀬町には主に黄銅鉱や黄鉄鉱を採掘していた鉱山が有ったほか、マンガン鉱山が有った記載が見られます。
東京鉱山監督局の資料には、横瀬町には幾つかのマンガンの採掘記録が残ってるので、今回の鉱山跡はこれらのどれかにあてはある可能性が有ります。
武甲山麓の金属鉱山跡への行き方
この金属鉱山跡への行き方は、西部秩父線の横瀬駅から生川沿いに武甲山の登山道方面に行くと有ります。
道沿いに有るので草が生い茂っていない時期なら、歩きながらでも見つかると思います。
細かい鉱山の位置はネット上に書いてしまうと色々と有るので、実際に現地に行って確認してみてください。
武甲山麓の金属鉱山探索
さて探索の方ですが、西部秩父線の横瀬駅からスタートです。
生川沿いに歩いて、武甲山の石灰鉱山プラントを眺めながら進みます。
武甲山付近の石灰鉱山に関しては以下の記事で。
石灰鉱山地帯を過ぎてしばらく歩いていくと、川を挟んだ対岸側の斜面に穴らしきものが見えます。
上の画像の中心部分を拡大するとこんな感じ。
草も生えており見にくいのですが、どうやら穴が開いている様子。
川を渡って対岸に向かってみます。
対岸へは近くの橋を渡り、斜面をやぶ漕ぎして到着。
橋から穴の位置までは斜面で、草も生えており歩くのが大変でしたが、穴の前には平場が作られ広くなっています。
穴を探索する前にこの場所の様子を確認します。
川に降りてみるとここだけ両岸に頑丈な石垣が作られています。
古くはここに橋が有ったのでしょうか?
ここに橋を渡すとちょうど真正面が穴の位置となるので、鉱石搬出用の橋が有ったとしても不思議ではないです。
さて問題の穴の方を確認しに行きます。
穴の方は入り口付近はかなり狭くなっており水没しているようです。
しゃがみこんで穴の中を照らすと、水没は手前だけで奥に続いている様子が見られます。
ちなみに今回の探索から新しく購入したLEDライトThruNiteのTC20を使っています。小型のライトですが広範囲かつ、かなり奥まで照らせるので便利です。
奥に続いているようなので、さらに姿勢を低くして覗き込んでみるとこんな感じ。だいぶ狭いですが左右に少しずつ折れながら、結構奥まで続いているようです。
坑道の内部は岩の焼け方などから、金とが銀とかの金属を掘っていた鉱山っぽい雰囲気がします。石灰を多く含む武甲山近くということもあり、上部には小さいながらも石灰の鍾乳石も見られますね。
ちなみにこの坑口のサイズはこんな感じ。
入り口付近は埋まっているのかもですが、高さがリュック1つ分しかありません。まさに狸掘りの坑道です。
入り口付近の水没の様子。
坑口付近に落ちていたズリ石の様子。マンガン鉱石っぽさも有りますが、鉄とかの金属も含んでいそうです。
1つめの坑道探索後はもう一つの採掘跡へと向かいます。
2つ目の場所は最初の坑口のすぐ近くで、川を挟んだ反対側に有ります。しかも道沿いにあるので、道からでもこんな感じに良く見えます。ちなみにGoogleストリートビューからも眺める事が出来ます。
道路から降りて川を渡り坑口側へ。
ここは一番左に坑口があり、右側も何か所か露天掘りをした跡のような窪みが見られます。
まずは一番左の坑道。
少し高さがあり、わずかながら中から水が流れ出ています。
とりあえず先ほどの坑道と同じようにライトアップ。
こちらもかなり狭いですが、思ったよりも奥に続いている様子。ここからでは突き当りまでしか見えませんが、右側に折れてさらに続いていそうな感じがします。
この坑道も狭いのと、坑口付近の濡れてる斜面を登るのが難しそうなので眺めるだけにします。
ちなみの、この坑道に入っている方のブログが有ったので中の様子はそちらからどうぞ。
さて外部の坑口周囲の様子です。
真ん中上部も坑口かなと思っていましたが、ライトで照らしたらちょっと掘っただけの様子。右側も少しだけ鉱脈を削ってみたという感じでしょうか。
ちなみにこの坑口の脇には、鉄分を多く含んでそうな焼けた岩肌が有ったり。
河床付近にはマンガンのような鉱脈がはっきりと見られたり。
別の場所にも何かの金属を含んでいそうな脈が有ります。ここの部分は、秩父の黒谷にある和銅遺跡の銅を採取していた鉱脈に似ている気も。それなので、もしかしたら銅を掘っていたという可能性が有るかもですね。
和銅遺跡の訪問時は以下の記事から。
そんなわけで、武甲山麓にある2つの金属採掘跡を探索しました。
この辺りの鉱山だとマンガン鉱山が多いのですが、今回見つけた場所は何を採掘していたのか明確な証拠がなく謎の採掘跡でした。
とりあえず目的の鉱山跡を見つけたので、この後は武甲山登山へと進みます。
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