探索日:2023年11月28日
越生町は古武ノ山の採石場跡を探索後は、越生町の津久根にあるというマンガン採掘跡を探しに向かいます。
今回のマンガン鉱山は越生町のサイトに有った『越生探訪地図』なる地図を眺めていたところ、立岩なる岩の説明書きで見つけたものになります。
説明書きには以下の内容が記載されています。
このうちの岡房山のマンガン鉱山は過去に探索済み。
さらに龍ヶ谷の熊穴のマンガン鉱山も少し前に探索しています。
そして今回の津久根の山神下のマンガン採掘跡。
これを見つければ越生町で公式に記録されているマンガン鉱山跡をコンプリートすることになります。
また津久根のマンガン鉱山に関する情報として、別の資料である『埼玉県下に於けるマンガン鉱予備調査報告書』には、埼玉県比企郡梅園村の津久根にマンガン鉱山跡が有ったとの記録が残されています。
これによると現在の生越の梅林付近から津久根にかけてかつて存在した梅園村の津久根地区にマンガン鉱山が有ったとされています。
さらに、高麗にある大宮鉱山の当時の鉱業権者である豊岡金属が採掘を行っていたとの事。
『越生探訪地図』のマンガン採掘跡と『埼玉県下に於けるマンガン鉱予備調査報告書』のマンガン鉱山が同じ場所なのかは不明ですが、少なくとも生越町の津久根地区にマンガン鉱山が有ったことは確かなようです。
さて津久根のマンガン鉱山探索です。
まずは唯一のヒントである、津久根の山神下なる字付近へ向かいます。
とりあえずは無難に林道を進みます。
林道脇には謎のエリアが。
至る所にペットボトルなどが立ててあるので、個人のサバゲーフィールド的な感じでしょうか?
立ち入り禁止の表示があるのでここはスルーしてエリア前の林道を進みます。
途中で林道が無くなってしまったので沢に降りてみます。
沢の石は黒くて怪しいですね・・・。
沢を進むと砂防堰堤が出てきます。
とりあえず堰堤を乗り越えてみましたが、その先は池というか沼地になっており進めません。
この池はよく見ると魚が泳いでいます。そして堰堤脇には釣り糸らしきゴミも落ちています。
釣りを趣味とする私が言うのも何ですが、釣り人はどこにでも現れますね。
堰堤の沼から先は進めないのと、どうやらゴルフ場の敷地内のようなので、沢沿いを進むのをやめて脇の斜面を登ってみます。
斜面沿いは比較的緩やかで、マンガン採掘跡が有りそうな雰囲気では無いです。
所々見られるチャートの岩付近を重点的に見て回りますが、採掘跡やズリ跡は見つかりません。
そんな斜面をウロウロしていると怪しい窪み。
その周囲をチェックすると坑口を発見します!
最初の坑口から斜面を下ると、次々と坑口が出てきます。
さらに斜面を下ると、下部は鉱脈に沿って露天掘りをしています。
ここは斜面に沿って縦にマンガン鉱脈が有ったようで、そこだけ切り取られたように掘られています。
最下部から見た斜面の様子。
ここはマンガン鉱山から出たズリ斜面となっています。
斜面のズリ石の様子。
マンガンの黒い石よりも、チャートの石が多いですね。
そしてマンガン鉱山の下部からは意外なところに出られたり。
地域の人の許可が取れれば、山の中を通らなくても、こちらから容易にアクセスできます。
さて、一番下まで降りたので、再度斜面を登りなおして、マンガン採掘跡を確認していきます。
斜面には1本大木が。
鉱山当時はご神木とかになっていそうな木です。
ここの鉱山は斜面に沿って縦に伸びたマンガン鉱脈に、所々穴をあけて掘っていたようです。
マンガンの採掘跡は沢山有るのですが、どれも深くないですね。
こちらの穴もちょこっと掘っただけ。
坑口共に、露天掘り跡が沢山残っています。
こちらは深そう。
と思いきやそれほど深く無かったり。
こちらの穴は空気抜きっぽい穴。
照らしたら中に比較的広い空間が。
どこかの坑口と繋がっているようです。
さらに登ってまた露天掘り跡。
今度は少し大き目な坑口。
中も少し続いており、入れそうです。
ちょっと入ってみましょう。
奥行きは数メートルですが、穴は黒いマンガン鉱脈に沿って横に伸びています。
こちらは少し奥まで掘っています。
奥は崩落か埋め戻しか分かりませんが、土砂で埋まっていますね。
こちらも土砂で埋まっており、当時のものか空きビンも転がっています。
それほど奥行きは有りませんが、坑道も残っています。
坑道内の壁面の様子。
この黒い部分がマンガン鉱石ですね。
場所によっては隣の坑口と繋がっていたりします。
別の坑口。
こちらも奥行きは無く、すぐに左右に堀跡が進んでいます。
別の場所では斜め下に進む採掘跡も有りました。
ただ、それほど大きなマンガン鉱脈では無かったのか、狸掘りの様な採掘跡が多いです。
縦に開いた堀跡。
奥には少し古そうな瓶が落ちていました。
更に別の坑口。
中はこんな感じ。
採掘跡を斜面上部から見下ろしたところ。
黒いズリ石も少なく、見た目だとマンガン鉱山跡っぽくないですね。
これが最上部の坑口(だったはず)
坑口付近から覗くと、先に続いていそう。
入ってみます。
入って直ぐ左は真下に掘られています。
正面は右側に細くカーブして終わり。
余り続いていませんでした。
斜面を登りながらマンガン採掘跡を探していましたが、最後は尾根まで到達し探索終了。
今回の津久根のマンガン鉱山は事前情報がほぼ無かったのですが、無事に見つける事が出来て良かったです。
この採掘跡は民家も比較的近くに有るので、近所の人に聞きこみすれば当時の情報とかを聞けそうな感じもします。
さて、お次はこの尾根沿いに進んで、大高取山と白石様なる石灰岩の露頭を見に行きたいと思います。
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