奥多摩町の白丸鉱山探索

奥多摩町

探索日:2023年12月25日

奥多摩工業 氷川工場の探索後は、普段は白丸ダムに沈んでいる白丸鉱山を探索しに行きました。

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白丸鉱山とは

白丸鉱山とは東京都西多摩郡奥多摩町白丸付近の多摩川沿いにあるマンガン鉱山です。
多摩石や東京石などの新鉱物や、珍しい鉱物が採取できる場所で、鉱物ファンの方たちには聖地的な扱いの場所の様です。

更に珍しい鉱物が採れる露頭は普段は白丸ダムに沈んでいますが、5年に1度ぐらいのペースでダム工事や浚渫なのでダムの水が抜かれる時があり、その時のみ顔を出す場所でもあります。その時に鉱物ファンの方たちはこぞって集まり、『赤壁』と呼ばれる非常に硬い露頭を叩いて鉱物を取るのだとか。

白丸鉱山は飯能地域や奥多摩地域で数多くのマンガン鉱山を開発した、吉田良吉氏により採掘された鉱山です。
鉱床は多摩川を挟んで両側に有ったそうで、最盛期には月に400トンものマンガン鉱石を生産しました。

吉田良吉氏は埼玉県の飯能地域で日電鉱山、奥多摩地域では白丸鉱山、吉田鉱山、鋸山鉱山、川乗鉱山、簾川鉱山などを開発しています。
(参考資料:日本のマンガン鉱床、多摩の歩み「奥多摩の鉱業」)

白丸鉱山探索

さて、白丸鉱山の探索ですが、奥多摩からは青梅街道を歩いて白丸ダム方面に進みます。
歩いている途中には落石防止の金網の向こう側に、謎の遺構も見られたりします。

 

白丸トンネルも潜ります。

 

その先の数馬峡橋で多摩川を渡り対岸へ。
橋から下を覗き込むと事前情報通り、白丸ダムの水が減水している様子が分かります。

 

橋を渡って目についた旧道らしき道を進んでみます。

 

最初はしっかりした道だったのですが、途中からは作業道となり最後は道が消えてしまいます。
どうやら白丸鉱山への正規のルートではなかったようです。

 

戻るのもなんなので行けそうな場所を進んでみたら、眼下に正規のルートを発見。

 

斜面を下って正規のルートに到達します。

 

正規のルートはしっかりと整備されており歩きやすいです。

 

正規のルートは白丸ダムの巡視路となっているようです。

 

そのまま巡視路を歩きます。
今は減水した川しか見られませんが、白丸ダム満水時は湖畔の良い遊歩道になるのでしょう。

 

道の脇にはカヌー置き場も。
白丸ダムはカヌーのフィールドにもなっているようです。

 

減水したダムを眺めながらさらに歩きます。

 

白丸ダムも見えてきました。
白丸鉱山は後回しにして、いったんダムを見に行ってみます。

 

普段は水が溜まっているダムも、減水しているとこんな感じなのですね。

 

普段はダムの堤体を歩いて渡れるようですが、今は工事中で通行止めだそうです。

 

ダム付近も立入禁止で、この角度でしかダムを見る事が出来ず。

 

さて、ダムを確認したので、白丸鉱山の探索です。
露頭で東京石や多摩石が取れた露頭は後にして、まずは露頭上部に存在した白丸鉱山の旧坑を探しに向かいます。

手持ちのいくつかの資料に白丸鉱山の旧坑を示す図が有るのですが、大まかな位置しか分からず。

こちらは白丸ダムが出来る前の資料。
多摩川沿いとその上部の斜面にあるマンガン鉱脈と2つの坑口の様子が書かれています。

 

こちらはダムが出来た後の図。
どちらも坑口が2つ書かれているのですが、向きが逆なので特定しにくいです。

 

さて、資料と国土地理院の地図を参考に、それらしい場所を探してみます。
最初の場所では石組なのか自然にできたのかは分かりませんが、怪しい石が積まれている場所が有りました。

 

若干ながら人の踏み跡の様な物があったので、付近の沢を登ってみます。

 

沢には黒い石が所々に落ちているのですが、マンガンっぽくはないですね・・・。

 

沢をしばらく登ると沢沿いに石組を発見。

 

比較的しっかり作られており、この付近に白丸鉱山の旧坑が有るのではとテンションが上がります。

 

しかし付近では何も見つけられず。
さらにそのうち沢の石は石灰岩へと変わってしまいます。

 

更に沢を進み、こんな枯れた滝のような場所も乗り越えます。

 

結構登ってきましたがズリも見つからず、マンガン鉱山の雰囲気は無いですね。

 

さらに進むとパイプを発見しますが、これはかなり近年に設置されたものの様です、

 

パイプは山の上まで続いてるようですが、マンガン鉱山とは関係なさそう。
後で地図を確認したら、この上に霊園が有るようなので、そこの排水用かと思われます。

 

沢を30分ぐらい登りましたが、白丸鉱山の旧坑に関連するものは見つからず。

 

ここは諦めて登ってきた沢を下ります。

 

途中で別の沢筋も探してみましたが、残念ながら今回は白丸鉱山の旧坑は発見に至らず。

 

しかたが無いので白丸鉱山の有名な露頭へと行ってみます。

 

手ごろな場所から下って、普段はダムに沈んでいる場所へと降り立ちます。

 

減水しているダムを見るのも有る意味新鮮ですね。

 

今回はダムの浚渫では無く、ダム本体の工事のようなので、巨大なクレーンも設定されています。
引きで画像を撮っても入り切りません。

 

ダムを見た後は白丸鉱山の有名露頭へ。

 

白丸鉱山で検索するとよく見る露頭です。

 

特にこの右側の岩が有名ポイントの様で『赤壁』とも呼ばれているようです。
ただこの時はダムのヘドロなどで汚れており、赤い部分はあまり見られず。

 

せっかく来たので露頭の様子も見てみます。
白丸ダムの減水以後鉱物ファンの方が多数来ているようで、露頭が何か所も削られています。

ここはマンガンらしい黒い鉱物が見られます。

 

この辺りも広範囲削られています。

 

所々に見られる白い鉱脈に珍しい鉱物が含まれることが多いそうです。

 

この付近も赤いチャートに黒い部分が多く含まれています。

 

鉱物素人の私にはマンガン鉱物はさっぱり分かりませんね。
ちなみに白丸鉱山に来たものの石は一度も叩かず。
鉱物ファンの人からは減水した白丸鉱山に何しに来たのかと言われそうですね。

 

足元には既に来た人たちが小割りしたと思われる破片が沢山落ちています。

 

この辺りは黒い部分や白い部分が見られるので、珍しい鉱物が含まれているのかもです。
せっかくなのでお土産代わりに2~3個拾っていきます。

 

一通り露頭を眺めたので、白丸鉱山を後にします。
最後に露頭の上部からの様子も見ていきます。

 

帰りは川沿いを歩いてみます。
この付近は普段は白丸ダムの底に沈んでいるエリアです。

途中には橋の遺構らしきものが有ったり。

 

白丸ダムエリアを過ぎても多摩川沿いを歩ける遊歩道が有るので進んでみます。
この遊歩道は「数馬峡遊歩道」と言うそうです。

 

道はしっかりしており柵も有るのですが、なかなか凄い場所に作られています。

 

川沿いの遊歩道では有るのですが、川から標高差がありなかなか川の様子を眺める事が出来ません。

 

最後はトンネルを潜り、集落へ出ます。

 

集落に出てからは都道と思われる道を歩き、奥多摩駅付近の町中に戻ります。

 

ちなみに正面に有る山にはマンガン鉱山の奥多摩鉱山が有ります。

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無事に奥多摩駅に到着。

 

東京アドベンチャーラインこと青梅線に乗って帰途へ。

 

ちなみに白丸鉱山に行ったことをTwitter(X)でつぶやいたら、色々な方にリツイートされて2万近く表示されてびっくりしたり。

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