探索日:2022年3月27日および2022年4月9日
2022年3月27日と4月9日にかけて、飯能市は上名栗の西平にあるマンガン鉱山の西平鉱山を探索しに行ってきました。
西平鉱山とは
西平鉱山とは埼玉県飯能市の上名栗の西平地区にあるマンガン鉱山です。
名栗鉱山として「人見鉱山」「小松鉱山」と共に一体的に採掘を行っていたようです。
人見鉱山の探索記事はこちらから
小松鉱山の探索記事はこちらから
また、その他の飯能市周辺のマンガン鉱山については、こちらのページでもまとめています。
資料としては埼玉県下に於けるマンガン鉱予備調査報告書には以下の記載が有ります。
3月27日の探索
まずは3月27日の探索です。
3月27日の探索では人見鉱山を見つけられず、近くに有ったとされる柏木鉱床も見つけられず、最後の探索地がこの西平鉱山になりました。
付近の山を歩いて最後に西平鉱山が有るとされる沢に向かいます。
沢の入り口付近からマンガンを含んだような黒い石の露頭が目に入り、西平鉱山は比較的容易に見つかるのではと期待を抱きます。
鉱山に向かう山道に入るといきなり斜面が崩落し、道が通行不可になっています。
どうしようかと思ったら近くに踏み跡があり、迂回路を発見しそちらに向かいます。
西平鉱山が有るとされる沢は何年か前に杉の伐採があったようで、斜面に倒木が多数見られます。
もしこの斜面に鉱山跡があったら探索するのが大変そうです。
とりあえず行ける範囲の沢沿いをさかのぼっていきます。
探索途中では明らかなマンガン鉱石が沢に転がっていたりしますが、鉱山跡は見つけられず。
そんなわけで3月27日の探索では西平鉱山は見つけることが出来ずに終了。
4月9日の探索
前回の探索から2週間後の4月9日に、人見鉱山と小松鉱山の探索後、西平鉱山へのリベンジです。
この時点でまだ明確な場所は分からないものの、ツイッターにてフォロワーさんから「沢を詰めて曲がった奥にある」という情報を頂いたのでそれをヒントに向かいます。
探索は小松鉱山の探索を終えてから向かいます。
ちょうど桜の時期で、里山の至る所は見ごろの桜が花をつけていました。
西平鉱山が有ると思われる沢に向かいます。
この沢は3つに分かれているんので、まずは一番ふみ跡の残っている真ん中の沢を攻めてみます。
真ん中の沢をさかのぼっていると所々に、マンガン鉱石と思われる石が転がっています。
今回は行けるかとおもい沢を詰めてみますが、最終的にはこんな場所に突き当たります。
画像では斜面に見えますが、実際には岩場の崖。
とりあえずマンガン鉱石が転がってきたと思われる崖を登ってきます。
こちらも画像ではわかりませんが、少しでも足を滑らせたら20メートルぐらい滑落する岩場です。
岩場にはマンガンと思われる露頭が何か所か出てきますが、残念ながらこちらは採掘場所ではなかった様子。
そのままちょっとした尾根を越えて隣の沢に降りてみます。
沢に降りたのでこちらも最奥まで攻めてみますが、崖に突き当たり終了。
炭焼き窯の跡と思われる石垣はいくつかあるのですが、西平鉱山と思われる場所は見つかりません。
真ん中の沢と隣の沢を攻めたので、最後は残ったもう一つの沢を攻めてみます。
この沢は前回の探索時も探してみましたが、途中でふみ跡が無くなり、この先には鉱山は無いと判断し引き返していました。
ですが西平鉱山がある可能性はもうここしか残っていないので、今回は踏み跡が無くなっても最奥まで詰める勢いで登ります。
沢をしばらく登ると沢沿いの崖に穴が!
中を覗き込んでみると奥に続いてはいませんでしたが、どうやら試掘跡の様子。
今までマンガン鉱山らしき痕跡が無かったので、西平鉱山への期待が高まります。
さらに進むと再び穴!
こちらは自然にできた岩屋の様です。
ただ奥の端の方は人の手で掘ったようにも見られます。
そして穴の先へと沢を登り、最奥の斜面に到達します。
斜面を上部を眺めると、僅かに石組の様な物が見られます。
急な斜面ですが最後の力を振り絞って登っていくと、いくつもの石組が出てきます。
どうやらここが西平鉱山の様です。
石組は斜面を横断するように作られています。
斜面の緩やかな場所から石組の上部にいってみると、これはどうやら鉱山道の跡の様です。
鉱山道から見下ろした斜面はこんな感じ。
かなりの急斜面です。
さて、鉱山道と思われる石組の道を歩いていくと、マンガン鉱石が落ちているのが目に入ります。
そしてネットとかで目にする、西平鉱山の石組とマンガンズリの場所。
マンガンのズリはこんな感じです。
遠くに見える斜面には穴らしきものが。坑口でしょうか。
この穴気になっていたのですが、ちょっと距離が遠かったので、探しに行くのを後回しにしようとしたらそのまま忘れて下山してしまいました・・・。
坑道か窪みか分かりませんが、次回来ることが有ったら確認しないとです。
近くにはロウソク岩とか名付けられてそうなとんがった岩も有ったり。
西平鉱山の遺構の石組エリアを一通り回ったので、一番ズリが有ったこの場所付近を探します。
するとズリの先には窪みがあります。
近寄ってみると埋まりかけていますが穴が有ります。
照らすと奥に続いているようにも見えます。
崩落して埋まりかけていますが、どうやら西平鉱山の坑口跡の様です。
さらに斜面にはマンガンを含んでいると思われる黒い石の露頭も。
周囲を探しますが、他に坑口らしきものは見つからず。
今度は石組の鉱山道の反対側に向かってみます。
踏み跡は消えていますが、石組の道はしっかりと残っているので歩きやすいです。
振り返って、歩いてきた鉱山道の様子。
鉱山道はこんな場所で消えています。
道が消えた場所から斜面を見下ろすとこんな感じ。
そしてその脇にはロープかワイヤーが巻かれていたと思わる松の木が有ります。
鉱山道が急に途切れていることと、ワイヤーが巻かれた跡の残る木が有るということはちょっとした索道が有った可能性が高そうです。(ワイヤーの跡が残った松はまだ細いので、当時の物の可能性は低そうですが・・・)
位置的にもここに索道があると、急な斜面の沢を回り込んでくることなく、まっすぐに下まで鉱石や物資を下すことが出来るそうです。
西平鉱山探索も一通り終わり、そろそろ日も傾いてきたので帰りを意識する時間に。
折角なので索道が有ったと勝手に予想する斜面を探索がてら降りてみる事に。
上手く降りられれば沢沿いを降りるよりもショートカットして早く降りられそうです。
そんなわけで斜面を降りていきましたが、やはり急斜面で結構危ない場面も有ったり。
有る程度下って振り返った様子がこちら。
さらに途中はこんな場所を降りる場面も。
ちょっと気を緩めたら滑落しかねないです。
斜面を下っている途中には鉱山時代の物かは分かりませんが、ある程度古そうな酒瓶も落ちていたり。
何度か危ない場面が有ったり、ルートを間違えて登る事も下る事も出来なくなり積みかけたりしましたが、何とか作業道に合流し無事に下山。
行きには気が付きませんでしたが、3本の小滝も有ったり。
勝手に「西平三本滝」と名付けてみました。
最後は森河原のバス停からバスに乗り帰宅。
そういえば「森河原鉱床」なるマンガン採掘場所も有ったようなので、時間が有ったら森河原エリアも探索しないとです。
というわけでこの日の探索は終了。
名栗鉱山として一体的にマンガンの採掘が行われていた「人見鉱山」「小松鉱山」「西平鉱山」を探索することが出来ました。
情報提供をした頂いた皆さんありがとうございました。
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