埼玉県内に存在した様々な鉱山を資料を元に調べてまとめてみました。
このページに記載されている内容は、書籍、鉱山関係企業のホームページ、公的な機関の資料に記載がされており、実在していたと思われるものになっています。
なお、同じ鉱山でもその時代や経営者の変更などにより、別名で表記されていることもあります。
地名についてもその時代により異なるので注意してください。
埼玉県の鉱山は秩父地方を中心に、石灰鉱山や銅鉱山が多いほか、飯能市付近のマンガン鉱山や炭鉱などが多い特徴があります。
なお、飯能市周辺のマンガン鉱山については以下のページに別途まとめています。
あ行の鉱山
赤石鉱山(あかいしこうざん)
場所:埼玉県秩父郡横瀬村
マンガン鉱山であったようだが詳細は不明。
浦山ダム脇に赤石トンネルがあるのでこの付近か?
出典:地質調査所報告第202号
吾野鉱山(あがのこうざん)
場所:埼玉県飯能市坂市町分から同市坂石にかけて
石灰岩や各種の採石用の石を採掘している。
出典:西武建材ホームページ
吾野マンガン鉱山(あがのまんがんこうざん)
場所:埼玉県飯能市坂石
マンガンを採掘していた鉱山。
出典:地方鉱床誌関東地方
花桐鉱山(あなぎりこうざん)
場所:埼玉県飯能市南川の花桐地区
地方鉱床誌関東地方の地図のみ名称が出てくるマンガン鉱山。
出典:地方鉱床誌関東地方
安谷川の採掘坑(あんやがわのさいくつこう)
場所:秩父市荒川日野
安谷川に沿った場所にマンガンの試掘坑がある。
出典:ジオパーク秩父のホームページ
飯田炭坑(いいだたんこう)
場所:埼玉県比企郡小川町飯田
亜炭を採掘していた炭鉱で、小川炭鉱とも呼ばれていた。
出典:産総研「寄居地域の地質」
岩井沢鉱山(いわいさわこうざん)
場所:埼玉県飯能市大字北川岩井沢
マンガン鉱山で新鉱物の種山石も発見されている。
出典:埼玉県立自然の博物館ホームページ
岩田鉱山(いわたこうざん)
場所:埼玉県秩父郡野上町(現在の埼玉県秩父郡長瀞町大字本野上)
秩父鉄道野上駅から約2kmに位置した鉱山で、滑石などを採掘していた。
岩田礦工業株式会社の創業者が採掘していた鉱山の可能性もあり。
出典:地方鉱床誌関東地方、岩田礦工業株式会社ホームページ
宇遠鉱山(うとうこうざん)
場所:埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬
1966年に設立された鉱山で武甲山から石灰を採掘している石灰鉱山。
現在は菱光石灰工業株式会社となっている。
出典:菱光石灰工業株式会社ホームページ
宇根鉱山(うねこうざん)
場所:埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬
昭和44年7月に操業が開始された鉱山で武甲山から石灰を採掘している石灰鉱山。
現在は菱光石灰工業株式会社となっている。
出典:菱光石灰工業株式会社ホームページ、岩盤斜面工学小委員会の資料
生川鉱山(うぶかわこうざん)
場所:埼玉県秩父郡横瀬村生川(現在の埼玉県秩父郡横瀬町生川)
昭和15年に操業を開始した石灰鉱山。
現在の菱光石灰工業生川工場と思われる。
出典:地方鉱床誌関東地方
大蔵鉱山(おおくらこうざん)
場所:埼玉県飯能市南川大蔵山付近
正丸峠の南方に位置するマンガン鉱山で、炭マン、バラ輝石、ブラウン鉱などを採掘していた。大蔵鉱山はメインの元山鉱床の他、北鉱床と南鉱床が有った。
出典:地方鉱床誌関東地方
太田部鉱山(おおたぶこうざん)
場所:埼玉県秩父郡吉田町太田部(現在の埼玉県秩父市吉田太田部)
1934年から1940年の7年間稼働していたマンガン鉱山で、酸化マンガン鉱、炭マン、バラ輝石などを採掘していた。
出典:地方鉱床誌関東地方
大宮鉱山(おおみやこうざん)
場所:埼玉県入間郡日高町新堀(現在の埼玉県日高市新堀)
飯能地区では最大のマンガン鉱山で、延長300メートルほどの坑道が有った。
炭マン、バラ輝石、酸化マンガン鉱などを採掘していた。
出典:地方鉱床誌関東地方
か行の鉱山
階谷鉱山(かいやこうざん)
場所:埼玉県秩父郡東秩父村階谷(現在の埼玉県秩父郡東秩父村大字階谷)
小川町駅から西に約8キロの場所に位置した石灰鉱山。昭和42年3月に閉山した。
出典:地方鉱床誌関東地方、秩父鉱業株式会社ホームページ
影森鉱山(かげもりこうざん)
場所:埼玉県秩父市上影森
大正4年また大正6年に浅野セメントの原材料用に開発された石灰鉱山で、武甲山の西側を採掘している。
昭和26年に日本セメントから分離独立し、秩父鉱業株式会社となって今に至っている。
出典:地方鉱床誌関東地方、秩父鉱業株式会社ホームページ、ある石灰石鉱山における斜面崩壊の事例について
金石鉱山(かないしこうざん)
場所:埼玉県秩父郡長瀞町本野上
明治19年頃から荒川左岸沿いに坑道を掘って銅を採掘していた。現在もいくつかの坑口が残っているとの事。
出典:埼玉県立自然の博物館研究報告「埼玉県長瀞地域における自然銅の分布・産状および採鉱記録」
金山鉱山(かなやまこうざん)
場所:埼玉県秩父市黒谷
和銅遺跡の銅精錬所跡付近にある銅の坑道跡で、1500年から1700年ごろに掘られた坑道が残っている。
出典:秩父市和銅保勝会ホームページ
上吉田鉱山(かみよしだこうざん)
場所:埼玉県秩父郡吉田町(現在の埼玉県秩父市吉田)
地方鉱床誌関東地方に名称のみ記載されているマンガン鉱山。
出典:地方鉱床誌関東地方
久通鉱山(くずうこうざん)
場所:埼玉県飯能市南川の上花桐地区
地方鉱床誌関東地方の地図のみ名称が出てくるマンガン鉱山。
出典:地方鉱床誌関東地方
さ行の鉱山
城峰鉱山(じょうみねこうざん)
場所:埼玉県秩父市吉田石間付近
地方鉱床誌関東地方の地図のみ名称が出てくるマンガン鉱山。
付近に標高1038メートルの城峯山(城峰山)があることからこの付近と思われる。
出典:地方鉱床誌関東地方
た行の鉱山
第二大蔵鉱山(だいにおおくらこうざん)
場所:埼玉県飯能市南川大蔵山付近
地方鉱床誌関東地方の地図のみ名称が出てくるマンガン鉱山。
大蔵鉱山よりやや南西にあったもよう。
出典:地方鉱床誌関東地方
高畑鉱山(たかはたこうざん)
場所:埼玉県飯能市高山付近の高畑地区
地方鉱床誌関東地方の地図に名称のみ記載の有るマンガン鉱山。
高山不動尊の近くに高畑という地区があり、地方鉱床誌関東地方の地図ではこの付近とみられる。
出典:地方鉱床誌関東地方
秩父鉱山(ちちぶこうざん)
場所:埼玉県秩父郡大滝村(現在の埼玉県秩父市中津川字小倉沢)
慶長15年(1610年ごろから数百人の作業者を用いての採掘が行われていたとされる鉱山で、その後はいくつかの事業者の手を経て1937年に日窒鉱業開発株式会社の手に渡った。
古くから金や銀を採掘していたほか、亜鉛、鉄、銅、鉛、硫化鉄、マンガンなど多くの種類の鉱物を採掘していた。
出典:地方鉱床誌関東地方
秩父銅鉱山(ちちぶどうこうざん)
場所:埼玉県秩父郡横瀬村(現在の埼玉県秩父郡横瀬町)
秩父鉄道秩父駅の東側約5kmの横瀬川支流地域に位置した鉱山。
黄銅鉱や黄鉄鉱を採掘していた。
出典:地方鉱床誌関東地方
銅の入鉱山跡(どうのいりこうざんあと)
場所:現在の埼玉県秩父郡長瀞町井戸付近
法善寺の裏手にある銅の入と呼ばれる沢沿いに数か所の銅採掘跡があるとの事。
出典:埼玉県立自然の博物館研究報告「埼玉県長瀞地域における自然銅の分布・産状および採鉱記録」
な行の鉱山
中野土山鉱山(なかのつちやまこうざん)
場所:埼玉県入間郡毛呂山町付近
地方鉱床誌関東地方の地図に名称のみ記載の有るマンガン鉱山。
出典:地方鉱床誌関東地方
名栗鉱山(なぐりこうざん)
場所:埼玉県入間郡名栗村人見(現在の埼玉県飯能市上名栗人見)
マンガン鉱山で炭マンなどを採掘していた。
少なくとも1939年には採掘が行われていた。
出典:地方鉱床誌関東地方
名寄鉱山(なよろこうざん?、なよせこうざん?、なよりこうざん?)
場所:埼玉県入間郡名栗村(現在の埼玉県飯能市上名栗)
地方鉱床誌関東地方に名称のみ記載されているマンガン鉱山。
出典:地方鉱床誌関東地方
西浦採銅坑跡(にしうらさいどうこうあと)
場所:埼玉県秩父郡長瀞町井戸付近
荒川沿いの河岸にある銅を採掘していた坑道跡地。近くの天神城山南東麓にも坑道跡が残っているとのこと。
出典:埼玉県立自然の博物館研究報告「埼玉県長瀞地域における自然銅の分布・産状および採鉱記録」
野上鉱山(のがみこうざん)
場所:埼玉県秩父郡野上町藤谷淵(現在の埼玉県秩父郡長瀞町井戸)
秩父鉄道野上駅の東側約1.5kmに位置した鉱山で、銅などを採掘していた。
出典:地方鉱床誌関東地方
野上銅山(のがみどうざん)
場所:埼玉県秩父郡野上村(現在の埼玉県秩父郡長瀞町本野上から長瀞町長瀞付近)
奈良沢沿いの斜面と、やや北に離れた天神入の2か所に坑道が有った。
明治36年に銅を発見し採鉱を始めたとの事。
出典:埼玉県立自然の博物館研究報告「埼玉県長瀞地域における自然銅の分布・産状および採鉱記録」
は行の鉱山
人見鉱山(ひとみこうざん)
場所:埼玉県飯能市上名栗人見
地方鉱床誌関東地方の地図のみ名称が出てくるマンガン鉱山。
もしかしたら名栗鉱山の事かもしれない。
出典:地方鉱床誌関東地方
日野沢鉱山(ひのざわこうざん)
場所:埼玉県秩父郡皆野町日野沢
地方鉱床誌関東地方に名称のみ記載されているマンガン鉱山。
出典:地方鉱床誌関東地方
日平鉱山(ひびらこうざん?)
場所:埼玉県秩父市沸指(現在の埼玉県秩父市浦山付近)
秩父鉄道浦山口駅から南南東に約3kmに位置したマンガン鉱山で、酸化マンガン鉱、炭マン、テフロ石などを採掘していた。
少なくとも1949年には採掘が行われていた。
出典:地方鉱床誌関東地方
武甲鉱山(ぶこうこうざん)
場所:埼玉県秩父郡横瀬町横瀬
昭和24年から採掘を始めた石灰鉱山で、武甲山の石灰を採取している。
出典:地方鉱床誌関東地方、武甲鉱業株式会社ホームページ
ま行の鉱山
三石鉱山(みついしこうざん?)
場所:埼玉県秩父郡吉田町(現在の埼玉県秩父市吉田)
地方鉱床誌関東地方に名称のみ記載されているマンガン鉱山。
出典:地方鉱床誌関東地方
三ツ峰鉱山(みつみねこうざん)
場所:埼玉県秩父郡大滝村大滝(現在の埼玉県秩父市大滝)
秩父鉄道三峰口から西に約10kmの場所に位置した鉱山で、方鉛鉱、閃亜鉛鉱などが採掘された。
出典:地方鉱床誌関東地方
御堂鉱山(みどうこうざん)
場所:埼玉県秩父郡東秩父村大字御堂
昭和29年3月から窯業・建材用や庭石用のけい石の採掘を行っている秩父鉱業株式会社の鉱山。
出典:秩父鉱業株式会社ホームページ
三輪鉱山(みのわこうざん)
場所:埼玉県秩父市上影森
武甲山の西側の標高約450メートル付近を露天掘りにて採掘している石灰鉱山。
大正13年から採掘を行っており、秩父セメントの各工場に輸送している。
出典:地方鉱床誌関東地方、秩父太平洋セメント株式会社ホームページ、、岩盤斜面工学小委員会の資料
妙法鉱山(みょうほうこうざん)
場所:埼玉県秩父郡大滝村川又(現在の埼玉県秩父市大滝川又)
雁坂峠の西北の高地に位置した鉱山で、荒川鉱山とも呼ばれていた。
慶長年間には既に採掘が行われていたとのこと。
磁硫鉄鉱、黄鉄鉱、黄銅鉱などを採掘していた。
出典:地方鉱床誌関東地方、産総研「三峰地域の地質」
武蔵白岩鉱山(むさししらいわこうざん)
場所:埼玉県飯能市上名栗
昭和13年に武蔵の石灰株式会社が開発した露天掘りの石灰鉱山。
後に権者が日本鋼管株式会社、鋼管鉱業株式会社となり、JFEミネラル武蔵野鉱業所となった。
現在は閉山している。
出典:日本鉱業会誌1984年1160号
武蔵野鉱山(むさしのこうざん)
場所:埼玉県飯能市坂市町分から同市坂石にかけて
吾野鉱山と同一の鉱床を採掘していた石灰鉱山。坑道掘りをしており延長450メートル以上有ったとの事。
出典:地方鉱床誌関東地方
武蔵野炭鉱(むさしのたんこう)
場所:埼玉県飯能市阿須891
昭和17年に武蔵野炭鉱として開山し亜炭を採掘している炭鉱。
武蔵野炭鉱鉱業所から日豊鉱業株式会社となり、令和3年現在も採掘中。
出典:日豊鉱業株式会社ホームページ
や行の鉱山
八和田鉱山(やわたこうざん)
場所:埼玉県小川町上横田
昭和29年に開発が始まった鉱山。
入浴用や脱臭用の鉱石製品に用いる鉱石を採掘している。
出典:岩田礦工業株式会社ホームページ
横瀬鉱山(よこぜこうざん)
場所:埼玉県秩父郡横瀬村(現在の埼玉県秩父郡横瀬町)
地方鉱床誌関東地方に名称のみ記載されているマンガン鉱山。
出典:地方鉱床誌関東地方
芳延鉱山(よしのべこうざん)
場所:埼玉県飯能市坂石の芳延地区
地方鉱床誌関東地方の地図のみ名称が出てくるマンガン鉱山。
出典:地方鉱床誌関東地方
ら行の鉱山
両神鉱山(りょうかみこうざん)
場所:埼玉県秩父郡小鹿野町両神小森付近
地方鉱床誌関東地方の地図のみ名称が出てくるマンガン鉱山。
出典:地方鉱床誌関東地方
わ行の鉱山
和銅遺跡(わどういせき)
場所:埼玉県秩父市黒谷1918番地
和銅の露天掘り採掘跡が残る遺跡。
708年に秩父から銅が献上されたと「続日本紀」に記載があることから、700年前後から採掘が行われていた様子。
秩父から銅が採れたことで朝廷は元号を「和銅」と改元したほか、日本で最初の貨幣とされる和同開珎を発行した。
出典:秩父市ホームページ
コメント