桐生市は朝日沢鉱山の再探索

桐生市

探索日:2023年10月2日

この日は某先生と共に、桐生市のマンガン鉱山の合同調査。
今回は桐生市は菱町の朝日沢沿いにある、朝日沢鉱山(もしくは横沢鉱山)と上菱鉱山の探索に向かいます。

ここは2年前にも訪問済み。過去の探索の様子はこちらから。

桐生市の朝日沢鉱山探索
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さて、今回向かう鉱山は、朝日沢の林道沿いにある鉱山で、朝日沢鉱山と呼ばれているようです。
地元の方が調べたとされる手持ちの資料に地図と共に『横沢鉱山』の名称で記載されているのですが、他の資料を見ても『横沢鉱山』の名称がどこにも出てこないので、今回は朝日沢鉱山とします。

さて現地に向かう途中で地元の人が歩いていたので、声をかけて情報収集。
すると、以下のいくつかの情報を貰うことが出来ました。

  • 鉱山稼働当時の朝日沢は、朝8時ごろに鉱石運び出しの馬車が列を成していた。
  • 沢の上流に作業小屋があり、鉱山で働いていた朝鮮の人が住んでいた。
  • この方が子供の頃(60年ぐらい前?)は黒川鉱山は稼働しており、ダイナマイトなどを見せてもらった。
  • 黒川鉱山は12時頃に発破作業をしていた。
  • だいぶ前にピンクのマンガン鉱石を採りに来る人があり、何度か山菱鉱山に案内したことが有る。
  • 10数年前までは山菱鉱山の関係者がおり、鉱山廻りや山神様の手入れをしていた。
  • 近くにマンガン鉱山の発破師(本人もしくはその子供?)が住んでいる。
  • 近くにマンガン鉱山当時を知っている90代の方が存命している。
  • 林道工事の際に重機を持ち込んでXXXXXXX(公にできない情報なので伏字で)

などなど非常に興味深い情報が多数。
やはり情報が現地の人に聞くのが一番ですね。

 

さて探索ですが今回は先生がオフロードでも走れる車を用意してくださったので、普段は徒歩にて登る林道をグングン進んでいきます。

普段は30分ぐらいかけて歩く道も、車だとあっと言う間で楽ですね。

 

ある程度進んだら落石で林道が塞がれていたので、そこからは徒歩にて登ります。
途中には林道が沢によってさえぎられている場所も有ります。

 

途中で先生によるマンガン鉱石についてのレクチャーを受けながら、朝日沢の鉱山跡に到着。

 

ここは林道脇に塞がれた坑口が残されています。
塞がれた石積みが苔むしているのも良いですね。

 

この坑口を石積みの隙間から覗いてみるとこんな感じになっています。

 

坑道内部はかなりしっかり残っており、所々に支保工か枕木と思われる木も落ちています。

 

そして坑口の脇の様子はこんな感じ。

 

斜面全体がズリに覆われています。

 

塞がれた坑口からズリを搬出して、ここに捨てていた様子です。
この坑口は大切坑的な役割が有ったのだと思います。
そうなると、マンガン鉱山の状態からこの上部に別の坑口や採掘跡が有るはずです。

というわけで早速調査へ。
林道に荷物を置いて、スマホとLEDライトを持って斜面を登ります。

斜面もこのようにマンガンのズリ石だらけ。間違いなくこの上部に採掘跡が有るはずです。

 

そんな斜面を登ると直ぐに石組を発見。

 

石組の上はちょっとした平場になっています。

 

そしてマンガンズリはさらに上部から落ちて来ています。

 

さらに斜面を登ると怪しい場所を発見。

 

近寄るとマンガンの採掘跡らしき穴が。

 

結構深そうな感じ。

 

中を照らしてみると、斜めに掘られながら下部へと進んでいるようです。

斜度はそれほどでもないのですが、入り口付近に落ち葉が堆積しておりこれ以上は危ないので、入り口を眺めるだけにしておきます。

 

 

その少し先の斜面にも、露天掘り後らしき縦に掘られた窪みが見られます。

 

下に回り込んでみるとこんな様子。

所々石組などが有るので、間違いなくマンガンの露天掘り後ですね。

 

さて最初の坑口があった斜面方向に戻ると、埋もれかけた穴を発見。

 

中を覗いてみましたが、奥行き2~3メートル足らず。

 

 

その先の斜面にも怪しい切れ込みが有ります。

 

近寄ってみると、かなり大きな採掘跡。

 

画像じゃわかりにくいのですが、かなりのスケールが有ります。

 

ここも縦に掘り込まれています。
落ちないようにギリギリまで近づき、採掘跡を覗き込んでみます。
覗いてみた感じ、奥は坑道になって続いていそうです。

 

こちらの穴の上に回ってみます。

 

 

ここにまっすぐにマンガン鉱脈が有ったのでしょう。
石切り場跡の様に、岩場が綺麗に切り取られています。

 

したの切れ込みの延長線上に有った採掘跡。

 

こちらも下に掘り込まれている様なのですが、手前の落ち葉の堆積が怖いので近づけず。

 

上から見下ろすとこんな感じ。

 

さらに斜面をウロウロしてみると、きれいな坑口を見つけます。

 

中を照らしたら、奥行きは無し。
ただ、土砂がなだれ込んでいるようにもみえるので、上部からのズリなどで埋まったのかもです。

 

斜面を大分登って尾根付近に到達。
尾根付近の岩場にも怪しい道らしきものが有るので、進んでみます。

 

道の先には岩場なのに切り崩したような広いスペースが出来ています。

 

平場っぽくなっている場所には、黒いマンガンズリらしき石がゴロゴロ。

 

そして、あの岩の裏当たりに穴が有りそうな感じです。

 

まずは平場をウロウロすると、鉱山当時の物と思われるガラス瓶。

 

錆びて朽ちたバケツの様な物も落ちています。

 

岩場には怪しい隙間と坑木らしき物が。

 

岩の隙間を照らしたら、マンガンの採掘跡でした。

 

そして怪しい岩の裏へ回り込んでみます。

 

岩の裏も思った通りで、坑道が続いていました。

 

 

坑道内にも瓶が。

 

茶色い瓶には「KAGOME」の記載と六芒星らしきマーク。
調べたら現在もケチャップなどで有名なカゴメの瓶らしいです。

 

坑道は奥までみませんでしたが、それほど繋がっていない様子。

 

そしてこちらも坑道内で下部に掘り込まれていました。
もしかしたら下層があるかもしれませんね。

 

この坑道の様子は動画でも撮影したので良かったらこちらから。

桐生市の朝日沢鉱山(横沢鉱山?)上部の露天掘りと坑道探索動画

 

これで一通りの斜面を探索し終えたので下山します。

今回いくつものマンガン採掘跡が有った場所の全景。

 

下山中の斜面ではエネルギーアップなるゼリーのゴミを発見。
賞味期限は2023年11月1日まで。

鉱山探索者か林業関係者が捨てたのかは分かりませんが、比較的近年にも人が来ているようですね。

 

下山中にもたまたま穴を発見。

 

殆ど埋まっていたので、隙間からスマホを突っ込んで撮影。

たぬき掘りの様な狭い堀跡が残っていました。

 

 

いったん沢まで下山後は、以前見つけていた坑口を確認しに行ってみます。

 

こちらの坑口もほぼ埋まりかけていますが、まだ残っていました。

 

こちらも隙間からスマホを突っ込んで撮影。

 

最後はちょっと石探し。
石英脈に小さな水晶が出来ている石が有りました。

 

というわけで朝日沢鉱山(横沢鉱山)と思われる鉱山探索終了。

この坑口の上部にあれだけの採掘跡が有ったのは新しい発見でした。
さらにこの坑口が大切坑のような役割だとしたら、尾根上部からここまで縦に繋がっているはずです。
思っていたより大規模に採掘していた場所なのかもです。

 

 

朝日沢鉱山から下山し上菱鉱山に向かう途中、沢を挟んで反対側の斜面に怪しい平場を発見します。
木々の隙間で分かりにくいのですが、よく見ると岩を削ったような跡も見えます。

もしかしたらマンガン採掘跡でしょうか?

 

さらにそこに向かう斜面には、岩を削った様な跡とはっきりと残る踏み跡が・・・

とても怪しい場所なので、次回訪問した際には調査したいと思います。

さて、お次は上菱鉱山に向かいます。

桐生市の上菱鉱山合同探索
探索日:2023年10月2日 朝日沢鉱山(横沢鉱山?)を探索後は、上菱鉱山の探索へ向かいます。 今回も某先生とのマンガン鉱山調査の一環として向かいます。 上菱鉱山にいくのは多分今回で3回目になります。朝日沢の奥地なので...

 

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