探索日:2023年12月12日
この日はいつもお世話になっており某先生と、桐生市の黒川鉱山の合同調査に向かいました。
私自身は黒川鉱山には何度か探索に行っているのですが、某先生は黒川鉱山の上部に有る坑道には行ったことが無いとの事で、今回はガイド役としての参加になります。
まずは集合地点へ向かいますが、この日は朝から生憎の雨。
ただ、天気予報では1~2時間後には止む予報なので、時間調整がてら某先生のお宅にお邪魔します。
某先生のお宅、写真は取れないのですが、玄関から凄い石の鉱物が鎮座しています。
素人の私でも明らかに凄いというのが分かります。そこらの博物館以上。
鉱物も見たかったのですが、今回は先生のお宅のリビングに置いてあった資料を見させてもらいます。
今回見させてもらった資料は、関東各地の鉱山情報が掲載されている資料。
これから向かう桐生市近辺の鉱山も詳しく載っています。
今日は限りある時間でこの資料をひたすら写メらせてもらいました。
そんな感じで先生のお宅で資料を物色後は、桐生市方面へと向かいます。
途中で寄ったコンビニでは、群馬人のソウルフード鳥めしを模したおにぎりが有ったので購入です。
黒川鉱山に到着したころには目論見通り、雨は止んでおり探索が可能そうなので鉱山方面に向かいます。
今回は先生の提案で林道を歩かずに、沢を降りてみます。
沢を歩くと今まで気が付かなかった石積みを発見。
石の組み方から、かなり古そう。多分鉱山が稼働していた時期のものでしょう。
更に歩いて黒川鉱山付近では、圧縮空気用と思われる鉄のパイプも落ちています。
結構口径が大きいですね。
砂防堰堤を越えて黒川鉱山へ向かいます。
今回は上部坑道を目指すため、下部の大滝坑道はスルーします。
かすかに残る踏み跡を伝って急斜面を登ります。
雨後なので慎重に進みます。
沢底に坑口が見えます。滑り落ちたらヤバい高さです。
この付近は過去の図を見ると鉱山道が有ったようです。
なんとなく岩が削られて道のようにも見えます。
急斜面を越えるとズリエリアが出てきます。
ズリエリアを越えて平場に到達。
このズリエリアのズリ石はこんな感じ。
余りマンガンの鉱石らしき黒い石は無いですね。
ズリの平場を進むと坑口が出てきます。
こちらは以前にも訪れた、黒川鉱山の大滝鉱床一坑と思われる坑口です。
中を覗くとこんな感じ。
水が溜まっています。
奥は突き当りのようにも見えますが、坑道が曲がって先に繋がっている様です。
山の斜面に平場を作るほどのズリ石があるので、この坑道もかなり奥まで掘られていると思います。
このズリの平場を上から眺めるとこんな感じで、結構広いです。
平場から眺めた山の斜面の様子。
坑道図を見ると、この斜面のどこかにも坑口が有るようなのですが、それらしいのは見当たりませんね。
既に発見している坑口は、こちらの斜面にあるので、これからここを進んでいきます。
先ほどの平場から少し登り、こんな藪を越えていきます。
するとその先に坑口が出てきます。
こちらは以前にも訪れた、黒川鉱山の大滝鉱床二坑と思われる坑口です。
こちらはマンガン鉱脈に沿って縦に掘られています。
露天掘りから坑道掘りへと変わった感じです。
ここは奥にも掘られているのですが・・・。
下部にもかなり深く掘られています。
石を落とすと10秒ぐらいはガラガラと音を立てて落ちていきます。
少なくとも先ほど見た、一坑までは続いているのでしょう。
ちなみに黒川鉱山の資料を見ると、上部の露天掘り付近から一番下部の大滝抗まで約120メートルの高さが繋がっているらしいです。
二坑のマンガン鉱脈の様子。
先生曰く資料としてはかなり良い二酸化マンガンとの事。
先生はモコモコした良い部分を見つけて採取していました。
二酸化マンガン採取後は、さらに上部にあるマンガン坑道を目指します。
丸太橋を越えて斜面を登ります。
さらにこんな崖にへばりつき、崖にある坑口を目指します。
岩場が濡れており怖い場面も有りましたが、無事に坑口に到達。
こちらは坑口付近になぜか1本だけレールが落ちています。
そしてこの坑道内には何かの全身骨格が落ちています。
以前はビビッて入れませんでしたが、今回は先生もいるので心強いです。
問題の骨格に近づいてみます。
どうやらこれは雌の鹿の様です。
弱って坑道に逃げ込みそのままここで命を落とした様ですね。
骨格確認後はいよいよマンガン坑道探索・・・・と思ったら10メートル有るか無いかで行き止まり。
ドリルかロッドの穴が有るので比較的近年に掘ったものの様ですが、残念ながらマンガン鉱脈まで到達しなかったのでしょう。
この坑道の探索動画はYoutubeにもアップしているので、よろしかったらどうぞ。
今回入った坑口は下の方の穴。
上にも一つ坑口が有るのが見えますが、こちらは断崖絶壁で到達できずに以前断念した坑口です。
以前に入れなかった坑道内を確認できたので、さらに周囲を探索します。
斜面を登り尾根に到達すると、褶曲したチャートと思われる岩が有りました。
この付近は眺めも良いですね。
景色を眺めながらマンガン鉱山跡を探します。
資料によるとこの斜面に3つの坑口が有るそうです。
ちなみに一番下部の緑の丸の坑口が、先ほど入った鹿の骨のある坑道。その上の緑丸が確認済みの断崖絶壁の坑口。
さらに赤丸の部分が未確認ながら、坑口の可能性が有る場所になります。
いつかは探索してみたいですが、急すぎてたどり着くのが難しそうです。
一通り斜面を探索したのですが、新たなマンガン鉱山跡は見つからないので下ります。
下ってからは大滝坑付近でマンガン採集。
先生が良い層状のマンガンを採取していました。
私の方も石を割って、お土産に持って帰ります。
ついでに大滝坑の水抜き。
以前も水抜きに挑戦したのですが、枯葉で直ぐに水路が埋まってしまいますね。
大滝坑でお土産採取後は、同じく黒川鉱山の大合付坑に向かいます。
大合付坑へと林道を歩いていくと、林道に不穏な車が。
放置車両なのかバックに失敗したのか分かりませんが、不自然な形で軽自動車が止まっています。
人は載っていないようでしたが、窓は開いていたり、周囲に食べ物や日用品真新しいゴミが散らばっていたりとかなり怪しい。
何か事件性が有るとアレなので、遠巻きに眺めるだけにして脇を進みます。
だいぶ林道を進むと脇にマンガンのズリ石が出てきます。
さらに進み藪の中に突っ込むと、埋もれつつある坑口が出てきます。
近づきたいのですが、周囲の木が全てこんなトゲ付きの木なので、かなり困難。
トゲの木をなぎ倒しながら少しずつ進みます。
そして何とか坑口前に到達したので、スマホを突っ込んで大合付坑を撮影。
坑口は埋もれかかっていますが、坑道はまだしっかり残っているようです。
この坑道の上部にもマンガンのズリ石が落ちていたので、さらに上を探してみますが、ひどい藪に覆われており断念。
図面でももう一つ坑口が有るようなので、そのうちリベンジしたいですね。
黒川鉱山には後1つ穴城坑が有るのですが、今回は向かわずに下山。
とりあえず、黒川鉱山の主な鉱床に先生を案内できたので良かったです。
この後は帰る予定でしたが、先生に無理を言って以前から気になっていた大茂付近の大茂の山光館の廃墟探索 へと向かいます。
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