探索日:2022年3月5日
釜戸鉱山探索後は毛呂山町に有ったとされる、中野土山鉱山の探索に向かいました。
また毛呂山町や飯能市周辺のマンガン鉱山については、以下のページでまとめています。
中野土山鉱山とは
中野土山鉱山とは、毛呂山町の中野地区と土山地区に有ったマンガン鉱山です。
手持ちの資料である「日本のマンガン鉱山」に記載があり、以下のような内容が載っています。
「日本のマンガン鉱山」によると、土山地区の鉱床は地蔵堂の裏で二酸化マンガンを採掘し、中野地区の鉱床は千枚珪岩と粘板岩の隙間にマンガン鉱床が有ったとされています。
ネットで検索しても自分のサイトを含めて数件しかヒットしないので、謎の鉱山ですが資料に記載があるので確実に存在はしていた思われます。
土山鉱床探索
さて中野土山鉱山の土山鉱床探索です。
中野土山鉱山探索は今回が2回目。
前回は「日本のマンガン鉱山」の情報と図を元に探索していましたがまったく見つからず。
よくよく図を見ると地名の位置や道が大雑把で、現在の国土地理院の地図と比較してもだいぶ違っています。
さらには図にある「地蔵堂」の事を「北向き地蔵」かと思っていましたが、その脇の「土山」「中野」の位置関係からして異なっている様子。
別のお地蔵様なのか地蔵堂が移転して、現在の「北向き地蔵」の位置に移ったのか・・・。
当初はこの違いに惑わされ大変な思いをしました。
ただ前回の探索時に地元の方から中野土山鉱山おおよその位置を聞いたので、その情報を参考に探索したいと思います。
ちなみに地元の方からいただいた情報は以下。
釜戸鉱山を探した後は武蔵横手付近の道から中野地区と土山地区方面に向かいます。
向かう途中には「五常の滝」なる滝が有ったので見物してみます。
ちなみに料金は大人200円。
今回は料金を払ったら係の人から「今の時期は水が少なく、滝に見ごたえが無いから」と言われ、お詫びの品なのか袋いっぱいの葉野菜を貰いました。
五常の滝。
高さはそれなりに有るのですが、確かに水が余り流れておらず残念な感じ。
水が多い時期なら雰囲気も良さそうです。
滝を見物した後は土山鉱山が有ったとされる場所へ。
地元の人に教わった、林道の目印となる場所から山に入ります。
山と言ってもこんな感じの道なき場所なので、藪をかき分け倒木を乗り越え進みます。
山に入ってしばらく周囲を探索していると、こんな感じの場所を発見。
一見変哲もない場所なのですが・・・
よく見ると拳大ぐらいの小さい穴がいくつか開いています。
最初は動物の巣穴かと思いましたが、怪しい気がしたので無理やり覗き込んでみます。
ライトとスマホを突っ込んで中を見てみると、奥に大きな空洞が有ります。
何とか撮影を試みますが、いかんせん穴が小さすぎます。
そこでその辺に有った棒を使って急遽ディギング。
拳大の穴を何とか20×30センチぐらいまで拡張します。
拡張した穴から再びライトとスマホを突っ込んで撮影すると、奥には明らかに坑道らしき穴が続いています。
スマホでは限界なので、30センチぐらいの自撮り棒にアクションカムを付けて撮影をしています。
自撮り棒とアクションカムでもかなり厳しい穴のサイズでしたが、穴が続いている様子と奥に棒が何本も積んである様子が撮影出来ました。
動画で撮影した様子はこちら。
ちなみにこの記事書く際に改めて動画を見て画像を作成していたら、ライトで奥が照らされた際に何か動物の目が光っているのが見えますね。
この坑道跡、現在は動物の住処になっているようです。
ちなみにこの埋没坑道が有るのはこんな場所です。
この奥に岩が続いているので、ここを掘っていたようです。
ちなみにこの埋没坑道の周辺にはマンガンらしきズリが落ちていなかったので、ここが例の金の採掘を試みていた坑道の可能性も高そうです。
(ズリ自体も埋まっていた可能性も有りますが)
さて1つ目の坑道を無事に見つけたので、もう一か所あったとされる坑道もしくは採掘跡を探しに行ってみたいと思います。
先ほどの坑道は本当にたまたま見つける事ができましたが、もう1か所も同様に崩落していたら見つけるのは難しいと思います。
とりあえず山の中をウロウロします。
2か所目の場所は地元の人からも場所を聞いていなかったので、ひたすら山の中を歩きまわります。
沢沿いと尾根沿いおよび歩ける程度の斜度の斜面をひたすら歩いて潰していく「一人ローラー作戦状態」
そんな感じでちょっとした尾根沿いを歩いていると、怪しい窪みを発見します。
この画像だとわかりにくいですが、意図的に掘られた跡が有ります。
尾根に登って上部から眺めた様子。
窪みの下部に回り込んで尾根側を見上げた様子。
さらに尾根沿いにはここだけ石がゴロゴロしています。
足元に落ちている石を見ると、明らかにマンガンを含んだ石です。
場所によってはズリ石と思われる石も落ちています。
どうやらここは尾根沿いに有ったマンガン鉱石の露頭を露天掘りした跡の様です。
一応周囲も探索してみましたが、この付近に坑道らしい穴は見当たらず。
ここが地元の人が言っていた2か所ある採掘跡の一つかは分かりませんが、土山エリアで2つ目の採掘跡を見つける事が出来ました。
2つ目を見つけた後もさらにマンガン採掘跡が無いか山の中をウロウロします。
とある場所で坑道らしきものを見つけますが、残念ながら岩が窪んでいただけでした。
探索途中でこの辺りでは珍しい、綺麗に結晶化した水晶も発見。
大きさは3ミリぐらいで非常に小さいですが、透明感があり先端もしっかり残っている綺麗な水晶でした。
そのほかにも炭焼き窯跡とみられる石積みも発見。
そのまま北向き地蔵。
このお地蔵様は栃木県栃木市にある岩船から譲り受けたから、岩舟方面の北側を向いているそうです。
岩舟付近の鉱山跡もこの後に探索しているので、いずれ記事にしようと思います。
探索には山の中のやぶ漕ぎだけではなく、登山道からも探索しています。
登山道の脇にはあたご君なる木の置物も。
実はこのあたご君の作者と思われる方と後日の探索でたまたま知り合い、色々な話をさせてもらうことが有りました。
さて、ちなみに中野土山鉱山を探すにあたって、2日間山の中を探索したログがこちら。
1日目
2日目
2日間の行動を合わせたもの。
先に「一人ローラー作戦」と書きましたが、今回の探索はまさに山の中をしらみつぶしに歩いて見つける事が出来た採掘跡でした。
次は中野土山鉱山の中野地区の鉱床を探しに向かいます。
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