探索日:2021年5月9日
大蔵第二鉱山探索後は吾野マンガン鉱山へと向かいます。
今回紹介するマンガン鉱山以外の飯能市周辺のマンガン鉱山は、以下のページでもまとめているので良かったらご覧ください。
吾野鉱山というと吾野駅脇に有り、古くは石灰で現在は砕石を採石している現役の吾野鉱山の方が一般的です。
(こちらの吾野鉱山はこの後探索しに行きます。)
しかし、今回の目的は過去にマンガンを採掘していた吾野鉱山を探します。
吾野マンガン鉱山について
今回探索する吾野マンガン鉱山はどんな場所なのか。
吾野のマンガン鉱山については、意外にも多くの本や資料に記載が有ります。
日本地方鉱床誌関東地方
吾野鉱山は手持ちの本である「日本地方鉱床誌関東地方」の地図にも表示があります。
山師入門
もう一つの手持ちの本である「山師入門」にも以下のような具体的な記載が有ります。
場所が特定できる具体的な部分は塗りつぶしています。
日本鉱産誌I-c
日本鉱産誌I-cでは鉄鉱鉱床の欄に以下の記載があります。
飯能市史 資料編Ⅻ「飯能の自然-地形・地質」
飯能市が公式に出している書籍である飯能市史にも説明が有り、十六舞もしくは十六面と呼ばれていた記録があります。
埼玉県下に於けるマンガン鉱予備調査報告書
上記の飯能市史で十六舞と呼ばれていたことを踏まえてのこの資料。こちらでは吾野鉱山ではなく「十六舞」で記載があります。
PCCのサイト
さらにPCC(パイオニアケイビングクラブ)のサイトにも、「吾野の坑道穴第一洞」及び「吾野の坑道穴第二洞」として探索記録が有り、以下のように記載されています。
日本のマンガン鉱床
2022年3月19日の追記になりますが、この吾野鉱山の探索記事を書いたのちに手に入れた資料「日本のマンガン鉱床」には図とともに吾野鉱山の事が以下のように記載されています。
鉱床の図には坑道の記号の他、鉱山施設と思われる建物が有ったことも記載されています。
これらの情報を元に吾野マンガン鉱山を探しに行きます。
吾野マンガン鉱山探索
久通鉱山探索後は国道299号まで降りてきて、吾野駅方面へと向かいます。
途中にはこんな謎のトンネルが有ったり。(国道の反対側にあり交通量が多く渡れず断念。)
歩道脇には本物かは分かりませんが、鍾乳石らしき石も置いて有ったりします。
しばらく歩いていくとこんな金網で斜面が保護された場所が出てきます。
ここは「山師入門」の記載内容とPCCの探索記録の内容が一致する場所です。
(Googleのアレで場所はすぐに分かると思いますが、一応モザイクで)
脇には危険を促す看板も有ります。
金網付近を観察しながら歩いていると、金網の崖に数か所の穴が有るのが確認できます。
金網が二重に張られているので、スマホだと穴にピントが合わせられず・・・。
金網エリアからは入ることは不可能。
ですが回り込むと入れるそうなので、登れそうな場所から山へと回り込みます。
国道沿いで車がバンバン走っているので、車が途切れるタイミングを狙って素早く山へと滑りこみます。
国道から見えないように藪の中に入り、しばらく行くとこのような立派な平場が出てきます。
そして平場に敷かれている石はマンガン鉱石のズリ石です。
これはこの先の穴はマンガン鉱山確定ですね。
さらに進むと石垣が有ったり
マンガンを試掘したと思われる痕跡も出てきます。
さらに歩いていくと正面に坑口を発見!
斜面の上部を見上げると、良い感じに坑口がいくつも開いています。
坑口が有る位置はこんな感じ。
金網の外の足元には国道を見下ろすことができ、車やバイクがビュンビュン走っています。
しかし金網を隔てるとこんな坑口がいくつもあるとは誰も思わないと思います。
この吾野マンガン鉱山は、金網の場所から掘られた坑道が山の方へと2本ほど下部を走っています。
そして私がいる側から何か所も掘って、下部の坑道へと繋げている感じ。
これは側面を掘って採れた鉱石を下部の坑道に落として、そこから国道の方へと搬出していたのかと思われます。
側面からはいくつも穴が掘られており、中および下部で全部繋がっています。
下部の坑道へと繋がる穴。
下部の坑道は狭いのゴミがやたら多いので奥にはいかず。
それにしても人が来ない場所なのにビン類がやたら多いです。
これも下部の坑道に繋がる穴。
それぞれの坑口は中でこのように繋がっています。
少し上部の一番広いフロアへ入ってみるとこんなものが落ちています。
ジュース等の缶やペットボトル、フライパン、キンチョールのスプレー缶、魚の貯金箱の様な物。
物はそれぞれ古いのですが、どうやらこの場所で一時的に生活していた人が居た様子が有ります。
下部の坑道の奥の方にやたら瓶などが捨ててあったのは、ここにいた人が捨てたものかもです。
とりあえず今はだれもいないようなので、坑道の中を探索します。
こちらは数メートルではありますが、奥の方まで掘られています。
ここは奥へと繋がっています。
奥側から見るとこんな感じ。
右側の光が漏れている場所が上部の写真の位置です。
こちらは真下に向かって掘られている穴。
上記の写真の下に掘られている穴は、この写真の右下の坑口に繋がっている様子。
坑道に入った際に入り口を振り返って見るこの風景がたまらないです。
この吾野マンガン鉱山はこの位置からの写真が映えますね。
吾野マンガン鉱山を一通り探索したので、帰ろうとしていたら骨が・・・・
鹿とかイノシシの物だと思いたいです。
この吾野マンガン鉱山の様子を動画で撮ったので、興味のある方はどうぞ。
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