探索日:2022年10月22日
この日は秩父市の上吉田方面のマンガン鉱山跡探索に向かいました。
秩父市は前週の根古谷鉱山に続き連続です。
まずは秩父駅まで電車で向かい、そこからは吉田元気村行きのバスに乗りこみます。

バスに乗る事約1時間で終点の吉田元気村に到着。
ここは合角ダムの直ぐ下に位置します。

折角なので合角ダムにも立ち寄ってみます。
合角ダムは少し減水気味。釣りではワカサギ釣りやブラックバス釣りでも有名みたいですね。

さて合角ダムを後にして30分ほど歩き、林道明ヶ平沢戸線の入口へ。
林道が崩れて通行止めなのは事前情報でも把握はしていましたが、目指すマンガン鉱山跡までは行けそうなので先へ進みます。


林道に入ると草刈りをしていた地元の人が居たので挨拶をすると、「徒歩なら石間まで抜けられると思うよ」との事。
この日の予定も石間まで抜ける予定だったので一安心です。
林道に入ってからは熊鈴を2つ付けて、ジャランジャラン鳴らしながら歩きます。
ここからそれほど遠くない小鹿野町の二子山の稜線で、登山者が先週熊に襲われた動画を見たのでちょっとビビり気味。

林道に入ってしばらく行くと怪しい斜面が。

分かりにくいですが、ここの上部は切込の様に岩が削られています。

斜面を登って近づくと、マンガンの試掘跡の様子。
ただ急斜面過ぎてこれ以上は近づけず、手を伸ばして無理やり撮影。

その下にも怪しい穴。

照らしてみるとマンガンを掘った跡の様です。

更に上を見上げると穴らしきものも見えます。

ズームすると坑道の様です。
分かりにくいですが、坑口の下には石も組んであるので、人為的に掘られた穴ですね。
ただここも崖の中腹に有るので近づけず。

こちらはちょっと掘った跡のようです。

試掘跡が有った岩場を林道に沿って回り込んでみると、またまた怪しい場所を発見。

こちらも試掘跡。

その先は斜面がコンクリートに覆われていますが、この辺りも試掘跡が有った可能性は高そうです。

そして法面がコンクリートに覆われた先には、目指していたマンガン鉱山跡と思われる穴が開いています。

近寄ってみるとこんな感じ。

坑口前にはマンガンを含んだと思われる黒いズリ石も多数転がっています。
バラ輝石のなりそこないなのか、ピンク色っぽい石もあります。
さて坑口から中の様子を覗いてみます。

坑道内は登り坂になっており、足元にはズリ石が多数転がっているので、足を取られて登りにくいです。
内部の天井付近はこんな感じ。


奥の壁面の様子。

チャートの隙間に有ったと思われるマンガン鉱脈に沿って掘られています。
奥行きはそれほど有りませんが、坑道内は高さがかなりあります。
坑道の一番奥には比較的新しいプラスチックの杭と、針金の束が落ちていました。

坑道の一番奥から振り返ると、上部にも坑口が開いています。

縦に撮影するとこんな感じ。

下側が林道沿いの坑口で、こう見るとかなりの急斜面になっています。

この坑道内の様子を動画に撮ったので、興味のある方はどうぞ。
坑道内部を確認したので、いったん坑口から外へ出てみます。
坑口の右脇には試掘跡の様な堀跡が有ります。


そして左側には尾根上へと向かう、鉱山道らしき道が見えます。
この道は岩場を削って作ってあるので、林道工事用ではなく鉱山稼働時から有る鉱山道の様です。

鉱山道らしき道を登っていきます。
少し歩くと頭上には先ほどの坑道から見えた上部の坑口が。

更に踏み跡を追って歩いていくと、最初の試掘跡が多数あった岩場の上部へ。
林道が整備されていなかった当時はここから採掘場所へ行っていたようです。

鉱山道の踏み跡はこんな感じ。
今はだれも歩いていないと思いますが、写真でもわかるほどしっかり残っています。

更にその先も尾根に沿って踏み跡が残っており、場所によってはこんな岩場を削って道が有ります。
この先も鉱山道がまだ続いていたのですが、行くのが面倒になり林道へ戻ります。

林道に戻り先へ進みます。
しばらく行くとこんな小さな沢がというか窪み。

沢の下の林道には明らかなマンガン鉱石が。
この上部でもマンガンを掘っていた可能性が高そうです。

更にその先の小さな沢というか窪み。

上を見上げると何かありますね。

拡大してみると坑口の様です。

この辺りでは尾根沿いでも何か所かマンガンの採掘をしていたようです。
先の鉱山道もこちらの採掘跡まで続いているものと思われます。
面倒なので戻って確認しなかったのですが、鉱山道を追って行けば他にも採掘跡にたどり着けたかもです。
さらにその先にの林道沿いにもマンガン鉱石が落ちています。
この上でも採掘が行われていたのかと思いましたが・・・。

崩落した場所の下部に黒い岩が見れるので、崩れたチャートにちょうどマンガンが混じっていたようです。

さて今回見つけたマンガン鉱山ですが一体何鉱山なのでしょうか?
手持ちの資料だと旧上吉田村には「太田部鉱山」「三石鉱山」「城峯鉱山(城峰鉱山)」「上吉田鉱山」「橋倉鉱山」の名称が出てきます。
ただいずれの鉱山も今回の場所とは別の地名の所に位置しているので、この鉱山の名称では無さそうです。
この記事を書いた今現在は名称が不明の為「林道明ヶ平沢戸線脇のマンガン鉱山」としておきます。
この後は崩落しているらしい林道明ヶ平沢戸を越えて、吉田石間方面へと抜けていきます。



コメント