探索日:2023年1月14日
この日は群馬県は桐生市方面のマンガン鉱山跡の探索に向かいました。

備考では有りますが、今回の鉱山が位置する、桐生市と旧黒保根村の鉱山一覧は以下の記事にもまとめています。

今回目指すは正面に見える仙人ヶ岳付近の黒川沿いに複数ある、マンガン鉱山跡になります。

ちなみに今回訪問した、菱鉱山桃の木坑は2023年の11月にも訪問しています。

さて、今回の探索ですが、桐生駅から1時間程歩いて黒川ダムに到着。

黒川ダムはダムと言っても砂防ダムなのですが、砂防ダムには珍しく漁業権が設定されているそうです。
過去には鯉やヘラブナやワカサギなどが放流されていたそうです。

ただ現状は干上がっておりこんな有り様。

堰堤際の水が溜まっている場所を見に行ってみましたが、魚は一匹も居ません。

黒川ダムを越えてしばらく歩くと山の斜面にズリ石と見られる、石が崩れている場所が見えてきます。
あそこが今回目指す、菱鉱山の桃の木坑の様です。

ちなみに目指す菱鉱山桃の木抗とは、日本のマンガン鉱床に記載されている鉱山です。
場所は当時の栃木県足利郡菱村のあり、鉱業権者は渡辺松雄氏と九州鉱業なる会社で、40%程度のマンガンを含んだ鉱石を採掘していたとの事です。
日本のマンガン鉱床には鉱山の名称と共に、⑬番の位置で「菱鉱山桃の木坑」と記されています。

さて、目指す斜面に向かうには黒川を越えていきます。
この辺りになると黒川の水も少なく、沢をまたいで渡れます。

沢を渡った先には以前探索した火薬庫と見られる小屋跡が2つ残されています。

以前の探索の様子はこちらから。

探索後に調べたら以下のサイトが出て来て、この火薬庫と思われる建物はダイナマイトを保管していた倉庫跡という事が判明。
しかもここの沢が「モモノキ沢」である事も分かります。

人が来ているのか、鹿などの獣道なのかは分かりませんが、しっかりふみ跡が残っていたのでそこを利用して登ります。



普段小規模のマンガン鉱山しか探索していないので、レールを目にすることは殆ど無いのですが、その分これだけしっかりレールが残っているとテンション上がります。

ズリ捨て場の先端はこんな感じ。
トロッコ止めなどは見当たらないのですが、現役当時は有ったのでしょうか?

ズリ捨て場を上から見下ろした様子。
ここのズリはマンガン鉱山特有の黒いズリ石では無いのですが、地質が違うのでしょうか。

レールがカーブしている部分。

レールの大きさはこんなサイズ。

ズリ捨て場からレールは山の斜面の方へとカーブして続きます。


その先の坑口が有ったと思われる斜面。
今は土砂と落ち葉で完全に埋まっています。

落ち葉をどかして地面を探ったら坑口らしき隙間が出てきました。
ですが、ほぼ土砂で埋まっており、中を覗くことが出来ず。

火薬庫を2つも設置しトロッコを使うほどだったので、このエリアでは比較的規模が大きなマンガン鉱山だったとは思うのですが、坑道の規模や様子が確認できないのは残念ですね。
レールが残っていた平場全体はこのような感じ。
結構広さがあるので、採掘当時は建物なども有ったのでしょう。

レールの脇には鉄製のパイプも落ちていました。

坑口付近のマンガンを含んだような石。
この付近は以外にもマンガンっぽい石が少ないです。

さて平場エリアを一通り確認したので、さらに上に位置する怪しい斜面を見に行きます。

登ると結構な急斜面。
さらに落ち葉が溜まっており足元が滑りやすいので、滑落しないように慎重に登ります。

斜面にはこんな感じで、マンガンを含んだ黒い石がゴロゴロ。
このエリアも怪しいですね。

斜面を登ると露頭を露天掘りで掘ったような跡がいくつか残っています。


ここは奥に続いていそうな感じ。

ここも掘っていそうな感じなのですが、落ち葉が堆積しており、万が一穴などが有ったら怖いので上から確認のみ。

この隙間もマンガンを採掘した跡っぽいですね。

足元にはマンガンズリらしき黒い石がゴロゴロしています。

下部に僅かに先ほどのレールの有った平場が見えますが、こんな斜面でもマンガンを採掘していたようです。

露天掘りをしていた様子の見られた斜面から下った後は、モモノキ沢沿いも探索してみます。
こちらは沢沿いに少し登ってみましたが、マンガン採掘跡らしきものは見つからず。
先に滝が出て来たところで引き返しました。

というわけで菱鉱山桃の木坑の探索は終了です。
この後に黒川を挟んで対岸に有るとされる菱鉱山唐沢坑も探してみたのですが、それらしい場所は残念ながら見つからず。
お次は黒川鉱山の各坑道跡を探しに行きます。



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