探索日:2021年6月13日
この日は鉱山探索では初めてとなる埼玉県は越生町に向かいました。
今回紹介するマンガン鉱山以外の越生町を始め飯能市周辺のマンガン鉱山は、以下のページでもまとめているので良かったらご覧ください。
笹郷地区にあるマンガン鉱山跡とは
越生町の笹郷地区にあるマンガン鉱山跡は、インターネットで情報収集中にたまたま見つけた鉱山。
詳しい資料などが無いため、鉱山名所や詳細は分かりませんが、地質や現地に落ちていた石の様子から、チャートに含まれていたマンガン鉱脈を採掘していたようです。
辛うじて近い情報が載っていたのが越生町が発行していた書籍『生越の自然2008』。これには、この地域のマンガン採掘坑の説明として坑口の写真とともに、以下の文が掲載されていました。
笹郷地区にあるマンガン鉱山跡への行き方
笹郷地区のマンガン鉱山跡への行き方は、生越駅から川越観光自動車のバスの乗り、終点の黒山で下車。その後は道なりに笹郷地区へ向かい、途中から顔振峠方面の登山道に入り、さらに登山道から外れて沢筋をしばらく登ると到着です。
細かい鉱山の位置はネット上に書いてしまうと色々と有るので、実際に現地に行って確認してみてください。
笹郷地区にあるマンガン鉱山跡
さてマンガン鉱山跡探索ですが、まずは生越駅からスタートし黒山方面に向かうバスに乗り込みます。バス乗車時は年配のハイカーさんなどがたくさん乗っていましたが、皆さん途中で降りてしまい終点の黒山は私一人になってしまいます。
さて終点の黒山です。鉱山探索に向かう前にまずは、黒山三滝を見物です。ここは天狗滝、男滝、女滝の3つの滝があり、合わせて「黒山三滝」と呼んでいるそうです。
最初に現れる天狗滝。
そして男滝と女滝。
黒山三滝を見た後はマンガン鉱山跡へと向かいます。その途中には渋沢平九郎自決の地が有ります。
渋沢平九郎自決の地を過ぎてしばらく行くと、顔振峠への登山道が出てくるのでそちらに向かいます。
最初は登山道を進みます。
途中からは登山道を外れて沢沿いに歩きます。ちなみにここも過去には登山道だったようですが、現在は廃道となりこのような有様です。
沢沿いをしばらく歩くと、こんなようなつづら折れの石積みが出てきます。ここも過去には道だったようです。この石の積み方から鉱山に関係ありそうな気もしますね。ここは後で探索してみます。
石積みエリアから少し行くと、石マニアが割ったと思われるマンガン鉱石が出てきます。見た感じあまり良いのは出なかったっぽいですね。
そして大量のマンガン鉱石のズリ石が散らばるエリアへと到達。ズリ石が出てくるということは坑口が近い証拠。この付近で周囲を見渡すと反対側に坑口を見つけたので近寄ってみます。
一つ目の坑口。チャートの岩盤に掘られていますが、入り口付近は埋まりかけています。
中はある程度続いていそうな感じですが、坑口付近が狭くあまり覗き込めません。
2つ目の坑口を沢沿いに発見したので近寄ってみます。
こちらは試掘だけだったようで、少し掘られただけ。
付近の崖には真っ赤なチャートの層がみられます。今思えばお土産代わりに少し、持ってくればよかったと若干の後悔。
この付近の沢の様子はこんな感じで、沢を挟んで両サイドに幾つかのマンガン採掘跡がみられます。
ふと斜面を見上げると中腹に石垣が有るので近づいてみます。石垣の脇は道になっていたのでその先に進んでみることに。
道は半分崩落していましたが、斜面を滑落しないように先に進むと採掘跡が。
両サイドを覗き込んでみますが、どちらもちょっと掘った程度の試掘の様です。
沢エリアは一通り探索したので、最初に見かけたつづら折れの石垣へ向かってみます。
このつづら折れの石垣は元々は道だったようですが、現在は人がきた形跡も無く道としては維持されている気配は有りません。
少し登ると脇にそれる踏み跡らしきものがあったので、そちらを見に行くと崖に採掘跡。
ですがこちらも試掘のようです。
さらに少し進んで斜面を探索すると、下部に穴が見えます。画像ではわかりにくいのですが結構な斜面かつ倒木が多数で近づきにくいです。
ギリギリまで近づいてみるとどうやら坑口の様子。しかし上部からのアクセスは難しいのでいったん退却し下部へと戻ります。
坑口下部に来るとしっかりと石垣があり、その上には多くのズリ石がみられます。
ズリ石の様子。
ズリ石の斜面を坑口目指して登ってみます。
ズリ石斜面を見下ろすとこんな感じ。
坑口に近づいてみましたが、覆いかぶさる倒木が多く、下部からのアクセスも難しそう。
ギリギリまで近づいて撮影した坑口の様子。
下部からも倒木が多く坑口までたどり着けませんでしたが、ズリ石の多さなどからどうやらここがこの鉱山の本坑の様です。内部を覗いてどれくらい奥まで続いているかを確認したかったのですが今回は断念。
とりあえず今回の越生町の笹郷地区のマンガン鉱山跡の探索は終了。この鉱山跡はチャートの層からマンガンを採掘していたようですが、ズリ石もチャートがメインでマンガンを含んでいる黒い石が少なかったので、マンガンの純度は低そうな感じでした。
探索後は鉱山の沢から下ります。行きでは気が付かなかったのですが、沢沿いには石を積み上げた鉱山道路の跡も残っていました。
沢から脱出後は正規の登山道に戻って、顔振峠を目指します。今回は顔振峠の反対側の吾野付近に有ったマンガン採掘跡も探索予定なので峠越えをします。
山道をしばらく登ると顔振峠に到着。しばし休憩して吾野側へと下ります。
顔振峠からの下山中、脇道の沢にマンガンを含んでいるような黒い石の露頭を発見。
足元にはズリ石の様な物も多くみられます。
これは上部にマンガン採掘跡が有るのでは・・・と思い登ってみましたが不発。
ただ、この沢のどのエリアもこのような石だらけなので、ちょっとした採掘跡は有ったのかもです。
吾野方面に下山し改めて採掘跡を探すぞとなったころに、天気が急変し大雨が。しばらく木陰で雨宿りをしていましたが、この雨で沢を探索するのは危険なので撤収。このエリアのマンガン鉱山探索はまた後日行うことにします。
この後はまだ時間も有ったので、飯能市街地に向かい飯能市の博物館と図書館で鉱山関係の資料を探しに行きました。
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