秩父鉱山探索

埼玉県

探索日:2022年5月28日

※この探索は2022年5月28日に行ったものです。
2022年11月現在は県道210号中津川三峰口停車場線が土砂崩れにより通行止めになっており、秩父鉱山へのアクセスは不可なのでご注意ください。

三峰口駅の貯鉱場の探索後はいよいよ秩父鉱山へ向かいます。

三峰口駅貯鉱場跡探索
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今回もいつもお世話になってる「ろばあと様」から、秩父鉱山100ヶ所以上もの坑口の位置、各鉱床へのアクセス方法、鉱石の採集ポイント、その他注意事項などが載った激ヤバマップを頂戴しての探索になります。
今回事前にこのマップを頂いていなければ、鉱山の廃墟を眺めて河原で石を拾うだけの探索になっていたので非常に助かりました。

 

さて秩父鉱山探索です。
秩父鉱山へは三峰口駅から中津川行きのバスに乗って向かいます。
こんな辺鄙な場所に行く人は少なくバスもガラガラだろうと思っていたら、西部秩父駅からやってきたバスは満員。
登山客には人気なバスルートなようで、立ち乗りで何とか乗り込みます。

 

バスに揺られることしばらくするとループ橋で有名な雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし)を通過。
ループも凄いですが、橋の名前も凄いですね。

 

その先の滝沢ダムを越えて川又バス停でほぼ全員のお客さんがおり、やっとバスに座れます。
川又から折り返し中津川方向へしばらく進み、秩父鉱山への入り口である出合バス停で下車。
三峰口駅から1時間以上バスに乗っての到着です。

 

出合のバス停の先には秩父鉱山のブログでよく見るコンクリート枠が特徴的な出合トンネル。
これを潜って秩父鉱山方面へと向かいます。

 

鉱山への道は神流川を眺めながら歩きます。
来年は秩父漁協の年間釣り券を買って、釣りと鉱山探索もやってみたいです。

 

暫く歩くと道沿いの崖に坑口を埋めたと見られるコンクリートが見られます。

 

上の画像の2つ目の塞がれた坑口は下の『埼玉県地学のガイド』に記載されている、図1-2-6の坑口の様です。
※いただいたコメントより坑口跡では無く、崩落の為補強した部分との事です。

※埼玉県地質ガイドより

 

そして大黒橋へ。

 

大黒橋を渡ります。
大黒橋の下の河原も鉱石採集ポイントらしいのですが、まずは先へ向かいます。

 

大黒橋を渡ると対岸にこれまた秩父鉱山の記事でよく見る坑口が出てきます。

 

位置的に大黒坑と思いきや滝ノ上坑との事です。

 

その先には現役の鉱山施設。
全体的に白いので石灰の処理を行っているようです。

 

鉱山施設の反対側は立派な石組。
この付近に雁掛トンネルが出来る前に使われていた、山越えの旧道が有るとの事。

 

その先には現役のシックナー。

 

シックナーを眺めてから先に進むと、右手側に雁掛トンネルが出てきます。

 

雁掛トンネルの内部。
時折峠攻めと思われるバイクや、秩父鉱山の関係車両が通るので注意が必要です。

 

雁掛トンネルの内部は工事中の様子。
天上付近を照らすと岩盤を眺める事が出来ます。
岩石などの知識が有れば楽しめると思います。

 

雁掛トンネルを抜けると右手側には鉱山施設へ続くと思われる、素掘りのトンネルが有ります。
この先も色々とあるようですが立入禁止との事で、公道を先に進みます。

 

素掘りトンネルの先は小倉沢地区。

 

これは秩父鉱山簡易郵便局の跡と思われる建物。
何年か前までは休止中ではあるものの、郵便局としての表示はあったようです。

 

こちらはその隣の鉱山関連の建物。

 

小倉沢地区の小倉沢の様子はこんな感じ。
このエリアの川は秩父鉱山からの鉱水が流れ込んでいるようで、全体的に赤さびの様な色をしています。

 

こちらは現在も石灰を採掘しているニッチツ鉱山秩父事業所。
探索時の2022年5月28日時点では稼働しており、時折石灰を積んだと思われる大型トラックが行き来していました。
そのニッチツ鉱山秩父事業所ですが2022年9月30日に閉山との事です。

 

そんなニッチツ鉱山秩父事業所の建物の奥には、過去に使用されていたと思われる鉱山施設の遺構も見られます。

 

小倉沢地区の山には索道の物と思われる支柱も残されています。
かなり大型なものなので、これが三峰口駅まで繋がっていた索道の物でしょうか。

 

ニッチツ鉱山秩父事業所を過ぎてからも行けるところまで行ってみます。
ニッチツ鉱山秩父事業所の先の小倉沢は過去の鉱山住宅街だったようで、至る所にその時の廃墟が見られます。

 

廃墟は余り興味が無いので道から眺める程度にして先に進みます。

 

道の途中には慰霊之碑なる石碑も。
秩父鉱山の作業で命を落とした人を祀っているのでしょうか。

とある沢沿いを進んでいると、通気口と見られる坑口を発見。
内部は厳重に管理されているとの事で、パレットの隙間から眺めるだけにしておきます。

 

ピンぼけですが隙間から眺めた様子はこんな感じ。
斜坑になって下部へと繋がっているようです。

 

更に上流部へと向かいます。
鉱山を過ぎてからの小倉沢の水はきれいで、この辺りだとヤマメだかイワナだかが泳いでいる姿も見受けられます。

 

とある場所から鉱床エリアへと進んでみます。
少し行くとコンクリートでできた遺構が見られます。

 

こちらは積出用と思われる大規模なホッパー跡。

 

その先には錆びたレールの敷かれています。
普段は小規模なマンガン鉱山程度しか探索しないので、鉱山用トロッコのテールが出てくるとテンション高まります。

 

その先には立派な坑口が有ります。

 

坑口の上には道伸窪通洞と標高1024メートルの文字が。

 

その脇には通気用と見られるパイプも。

 

更に進むと斜面に沿って走るレールも。

 

レールに沿って先に進むと崩壊した小屋が出てきます。

 

その近くには地中から出てくる金属パイプも
ここは坑道が崩落した場所なのでしょうか。

 

探索の方はいったんこの辺りにして、今度は来た道を戻りながら改めて色々と探してみます。
探索途中に黄鉄鉱の露頭にて黄鉄鉱の採取をしたので、その様子は以下の記事にまとめています。

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歩きながら沢沿いを眺めていると岩場に穴を発見します。

 

坑口かと近寄ってみましたが残念ながら試掘跡。

 

帰りには伝説の無能吊橋も発見して無駄にテンション上がります。

 

過去にはこのワイヤーだけの吊橋を対岸まで渡った人たちもいるとの事で。

 

往路の雁掛トンネル。
帰りはライトを出すのは面倒だったのでこのまま進んでみましたが、ある程度坑道探索とかしてると坑口から光が見えるだけで余裕で歩けますね。

 

帰りがてらは少し大黒鉱床付近の河原に降りてみます。

 

川の様子はこんな感じ。
30センチ以上のヤマメかイワナだかが泳いでいるのも見えました。
この付近の河原も鉱石採集の好ポイントの様ですが、渓相を見ると石欲よりも釣り欲の方が上回り釣りをしたくなってしまいます。

 

こちらは大黒橋下の河原。
幾つかの石を拾ってみると黄鉄鉱などが見られましたが、既に採集済みなのでここでは拾わず。

 

今度は山鳥窪鉱床付近の河原へ降りてみます。
川沿いの岩肌に鉱山道と思われる道らしき跡が有ったので進んでみます。

 

画像だとわかりにくいですが、この岩肌にも黄銅鉱だか黄鉄鉱だかがびっしりと付いています。

 

川沿いの鉱山道跡を進むと対岸に2つの坑口を発見。

 

1つ目がこちら。
土嚢で封鎖されています。

 

もう一つがこちら。
こちらは坑口は開いているようです。

 

2つの坑口を見つけましたが、川の対岸にありかつ急斜面の崖の上に位置しています。
とりあえず靴を脱いで川に入って神流川を渡ります。季節は6月近く気温は暑いぐらいなのですが、川の水は冷たく足が凍えます。

そして何とか斜面を登って坑口へ到着。

 

中を照らしてみると奥まで続いているようですが、水が溜まっているので入れず。

 

もう一か所の方も近づいてみましたがこちらも結構な急斜面。
無理して行ってもどうせ中は水が溜まっているだろうから今回はここまで。

 

 

そんな感じで1回目の秩父鉱山探索は、出合から道伸窪鉱床付近までのエリアをぐるっと回ってみました。
事前に頂いていた秩父鉱山マップと、今回歩いてみて秩父鉱山の規模感がおおよそ分かったので、次回からは各鉱床ごとに探索をしてみたいと思います。

 

お次は中津川エリアの鉱床探索に向かいます。

秩父市の中津川にある鉱山跡探索
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コメント

  1. 秩父おじさん より:

    たまたま通りがかりで拝見しました。

    >>上の画像の2つ目の塞がれた坑口は下の『埼玉県地学のガイド』に記載されている、図1-2-6の坑口の様です。

    との事ですが、その写真の場所は坑口ではありません。
    15年近く前まで、主に黄鉄鉱と柘榴石から成る露頭で、その為非常に脆くよく崩落がありました。
    その為コンクリートで埋め固め補強されたのですね。
    今でもその場所の延長線の河原に降りると、黄鉄鉱に柘榴石が埋没した形の岩塊と露頭の一部が見られるはずです。

    • スロイス より:

      秩父おじさん様
      コメントありがとうございます。

      コンクリート補強の部分が坑口跡と伺っていたのですが、崩落の為に補強した部分だったのですね。
      黄鉄鉱と柘榴石の露頭だったとの事で、また秩父鉱山に行けるようになったら確認してみたいと思います。
      ご指摘と情報ありがとうございます。

      後ほどサイトの記事も修正いたします。

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